経済学者 Paul Krugman のブログを見つけた。
米タイム誌が選んだ今年のパーソン・オブ・ザ・イヤーについて私が唯一知っていることは、ロシア国内のあちこちで囁かれていたこんな噂についてのみである:
大統領とドビー(『ハリー・ポッター』の屋敷しもべ妖精)には、とある共通点が存在している。
“Man of the year” by Paul Krugman
僕は彼の本は読んだことないんだけれど、ポール・クルーグマンと言えば現代のトップ経済学者の一人ですよ。
それなのに、それなのに、なんだよこのオフザケ・ネタは。天下の New York Times のサイトにあるのに。
少なくとも、これだけ見たら、alm-ore とそんなに程度がかわらねぇじゃねーか。
(もしくは、某似てるもの評論家)
もっとオトナになれよ、ポール。
ヒラリー・クリントンがディック・チェイニーのことをダース・ベイダーのような人物だと言った時、多くの人はそのたとえは的外れだと思った。なぜならダース・ベイダーは軍役の経験があるからだ。
彼をダース・ベイダーにたとえるべきではない理由はもうひとつある。ダース・ベイダーはデス・スター建設のための労働者を雇用し、実際に完成してみせた。(訳注: 以下、ニュース記事の引用)
合衆国国務省が火曜日に発表したところによれば、米大使館によってイラクから追放され、米司法省によって取り調べられているはずの現場監督が、期日より大幅に遅れている米大使館をクウェート近郊からバクダットへ移設する工事の指揮を執り続けているとのことだ。
国務省の最高責任者であるパトリック・ケネディ次官は、ジェームズ・L・ゴールデンは契約に基づいて雇用されており、彼が今も引き続き7億4千万ドルのプロジェクトを率いていると説明した。
「ゴールデン氏は我々のプロジェクト・マネージャーであり、現在もクウェートの基地で労働者たちと一緒に働いている。」とケネディ次官は語る。
この工事についての詳細を知っている国務省の関係者は、上層部はゴールデンを更迭する気など全くないのだと怒りをあらわにした。“Darth Vader blogging” by Paul Krugman
このブログ記事は、彼の講演会において、司会者が演者紹介の小ネタとして読み上げてる。
そして、”Obi-Wan Krugman!” と紹介されちゃったり。
確かに、ヒゲ面だし、オビ・ワンに見えなくもないか。
そういえば、山形浩生氏が訳した、「1993年ハイゼンベルグ(不)確定性講演#4 –1993年10月7日Igノーベル賞授賞式にて」も愉快で好きだな。
MIT 経済学部は、世界経済危機の謎をついに解明いたしました。世界各国の昨年の輸入額と輸出額をそれぞれ合計すると、輸入が輸出を1,000億ドルも上回っているのです!
これがどういうことかおわかりでしょう。これはすなわち、われわれが惑星間貿易において、全地球的に巨額の貿易赤字を出しているということにほかなりません。だからロス・ペローはまちがっていたわけです。あの巨大な吸い込む音はメキシコからきているのではないのです――宇宙からやってきているのです。アメリカ人の職を奪っているのは、うちゅーじんたちだったのです。
町村官房長官が火曜日に、「(地球外生命体)は個人的には絶対いると思う」と発言したらしい (参照)。
これが国民の好奇心に火をつけちゃったらしく、なにやらあちこちで話題になってるらしいけど。
なにを今さら、だよね。
上に引用した山形氏の翻訳にある通り、今から14年も前にクルーグマンが存在を肯定しているじゃないか。
国内で非正規雇用が増えたり、ワーキング・プアが問題化してるのは、うちゅーじんが地球にやってきて正規雇用で働いているからだね。
いやはや。
「このろくでもない、すばらしき世界。」とか言いながら、うちゅーじんが俺たちの職を奪っていきやがるぜ。
あー、やだやだ。
デス・スター建設要員の求人が出たら、宇宙に出稼ぎに行こうか。
ダース・ベイダーを怒らせたらフォースで首を絞められちゃうけれど、7億4千万ドルかけて一向に工事が進まない上司の下で働くよりはマシかもしれない。
それとも、マルフォイ家のしもべ妖精として暮らしていこうか。
いつかハリーが靴下をプレゼントしてくれて、自由になれるかもしれない。
でも、できればクルーグマンみたいに、半分インテリジェントで半分ユーモアのある人に私はなりたい。
でも、彼ほどの才能(ノーベル経済学賞に近い人と言われてるし)が僕には無いことがわかっているので、せめて宮沢賢治クラスでいいことにする。
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ『雨ニモマケズ』宮沢賢治
ところで、先週、ありがたいことに会社からボーナスを頂いた。
「ホメラレモゼズ クニモサレズ」な査定であり、そういう意味ではすでに宮沢賢治。
ボーナス支給日に意気揚々と本屋に向かった僕。
前から欲しかったミクロ経済学の教科書を買うことに。
最近評判のいい教科書は、クルーグマンのやつとマンキューのやつらしい。
本棚の前で両方見比べる。
ボーナスが出たとはいえ、2冊買うのはさすがにねぇ・・・。それほど気持ちよく使えるほどの額ではないし。
すんげぇ分厚くてもって帰るのも大変だし。
立ち読めど 立ち読めど 猶わが決意固まらざり ぢっと本を見る
などと、いつの間にか石川啄木になってしまったりしたりするわけだが、マンキューの「経済学の10大原理」というキャッチに騙されてみるつもりになって、そちらをチョイス。
これだけクルーグマンを引っ張ってきたのに、結局マンキューで終わる俺のふがいなさ。
なお、地球全体で輸入額が輸出額を上回ることの本当の原因は、山形氏のページの下の方で端的に説明されてます。納得。
そんな山形浩生・訳のクルーグマンの本