ポール・クルーグマンが今年のノーベル経済学賞を受賞したということで、数年前に買ったきり読まずに放置されていた『良い経済学 悪い経済学』を読んだ。
本書を貫くメッセージはとてもわかりやすい。当方の言葉でまとめるなら
「”経済のグローバル化によって、激しい競争に巻き込まれ、多くの人が疲弊する” と世の人々は思い込んでいるけれど、それは誤り。」
ということ。
自由貿易を進めることで多くの人の暮らし向きは良くなるし(リカードの「比較優位理論」に基づく当たり前の結論)、発展途上国の安い労働力に職を奪われるという懸念も杞憂であり無視しうるほど小さい影響しかない(対GNP比で見れば、発展途上国からの輸入分は微々たるもの)というのが、クルーグマンの見解。