あるむのママさんより夏の読書感想文大会2021への投稿がありました。
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「本」タグアーカイブ
ネコからの人生相談 ニャンとかなりませんか?(齋藤慈子、服部円) by あるむのママ
『おじさまと猫』(桜井 海) 読書感想文 by あるむのママ
あるむのママさんより夏の読書感想文大会2021への投稿がありました。
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夏の読書感想文大会2021: 賞品総額1万円
世のお子さまたちはそろそろ夏休みですね。夏休みの風物詩といえば読書感想文ですね。読書感想文と聞いて「久々に書いてみっかな」という気になりましたね?
特に今年の夏は、僕だけじゃないと思うんだけれど、長引く新型コロナ禍で家に閉じこもりがちでしょうし、テレビをつけても開催に賛成しかねるスポーツイベントばかり放送されたりして、「家でゆっくりと本を読もうか」という気になりますよね?
そんなわけで、alm-ore では読書感想文大会を開催しようと思います。
2010年以来、11年ぶりの開催です。「おもてなし」と「大震災からの復興のシンボル」であり、「コロナに打ち勝った証」でもあり、「人類が困難に直面する中、世界が力を合わせてこの難局を乗り越えていることを発信するいい機会」なのであります。
賞品総額は前回の倍、1万円となりました。レガシーです。
以下に開催要項を記します。奮ってご応募ください。
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能町みね子『オカマだけどOLやってます。完全版』を読んだ
今年の五月病は例年よりしつこいという話を聞きました。つーか、聞きましたというのはウソで、僕が今勝手にそういう話を流布するわけだけれど。
みなさまにおかれましては、しつこい五月病に屈しないよう、十分な睡眠と滋養のある食事、適切な運動や日光浴、および仕事や対人関係のストレスを笑い飛ばすスルー力を涵養していただき、心身ともに健康な日々をお過しくださることを心より深くお祈りするところであります。
さて、今日の本題は能町みね子という人物、およびその著作についてです。
僕がこの人のことを知ったのはちょうど1年くらい前でしょうか。当時放送されていた『ヨルタモリ』(フジテレビ)でお見かけしたのが最初だと思います。
「何者だか知らないけれど、派手な格好をしたオバちゃんが出演してるなぁ。どことなくスノッブな振る舞いが少々鼻に付くよなぁ。嫌悪感を抱くというほどではないけれど、どちらかと言えば、あまり友達にはなりたくないタイプ。『ベッドで抱けるか?』って聞かれたら、抱けないと答える。年齢不詳なオバちゃんなら、圧倒的に永作博美の勝ちやろ!」
正直に記憶をたどれば、そのように評しておりました。
そして、顔ははっきりと覚えたけれど、名前はうろ覚えでした。
ファンシーメイト
さっき、近所の本屋に出かけたら、かわい子ちゃんの視線を感じた。
そちらを見返すと、表紙に若・春子こと有村架純さんをあしらった『ファンシーメイト』という本があるじゃありませんか。俺のハートが撃ちぬかれた。買った。
中身は1980年代の女の子向けのファンシーグッズや習俗の紹介。「なめ猫」とか「うちのタマ知りませんか」とか「バイキンくん」とか丸文字とかS&B食品の「佐藤くん」、「鈴木くん」、「いまどきのチップ」とか、ブルボンの「きこりの切株」とか懐かしいなーと。
ていうか、「きこりの切株」は今でも売ってるのか。
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朝倉かすみ濡れ濡れ事件
朝倉かすみとは北海道出身・在住の小説家で、代表作に『田村はまだか』などがある。『田村はまだか』は、同窓会に遅刻して来る男をバーで待ち続けるという変なシチュエーションの物語なのだが、田村という男の断片的なエピソードが次々と披露され、その奇妙ながらも魅力的な人物像に惹き込まれるという内容。さらっと読めて、読後感もいいのでお勧め。
僕が朝倉かすみという著者を知ったきっかけは、彼女と同じく北海道出身・在住の在野の素人イラストレーターRinpon女史から
「木公くん、朝倉かすみいいよー。『夏目家順路』がチョ~おすすめ。読んでみー、読んでみー。」
と推薦されたからである。推薦されたものの、『夏目家順路』は未読のままなのだが。
それはさておき、『田村はまだか』を最初に読んで、とても面白かったので朝倉かすみがお気に入り作家の一人となったわけである。
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サブカル買い物でストレス解消
なんだか知らんが、とにかくムシャクシャしているわけで。
「ストレス解消には買い物がいちばん!」という話をよく耳にするが、僕にはなんでそれがストレス解消になるのかよーわからんかった。
数年前までは。
ここ何年か、なんとなくその境地がわかってきたような気がする。イライラする時に、衝動買いをすると気持ちが収まることもあることを身をもって知った。
そんなわけで、ムシャクシャするのでネット通販で本を買った。
以下のサブカル系(?)書籍2冊。合計2,800円のささやかな買い物。
これで心の平安を取り戻したのだから、安いものだ。
【中崎タツヤ『もたない男』】
中崎タツヤという人は、週間スピリッツで『じみへん』というマンガを20年ちかくほそぼそと連載している渋い漫画家。見開き2ページに完全手書きの15コマ漫画を描くという地味な連載漫画(一時期、4ページになったこともあったっけ)。
バカバカしいのだけれど、妙に思弁的で哲学的で風刺的な内容にグッとくる。僕が大学1年生だった1990年代前半ころには、「オレは重苦しい思索と、軽い笑いの両方の分かる、味わい深い男だぜ」っつーのを装うために、新入生の必読書だったような位置づけだった(ような気がする。少なくとも、当時の北大教養部文II系の一部では人気だった)。
その後、『じみへん』は多少の浮き沈みはあったものの、売れるわけでもなく、連載打ち切りになるわけでもなく、今日に至る。
そんな『じみへん』の作者の中崎タツヤは、どうやら変わり者らしい。
平塚に住んでいて、競輪が大好きだという話をどこかで読んだような気がする。あくせく働くわけでもなく、飄々としているっぽい。
そして、モノを所有するのが嫌いらしい。身の回りをこざっぱりとしていたいらしい。
仕事場には、机と椅子、昼寝用枕と寝袋、掃除機以外のものはなにもないらしい。賃貸アパートの入居時に備え付けてあったガスコンロさえ、邪魔だといって押入れの中にしまいこんだらしい。もちろん、カーペットなども敷かれていない。
あまりに殺風景で、訪問客は内見用の部屋だと思うほどだそうだ。
そういった彼の暮らしぶりや人生観が書かれているらしい『もたない男』を購入した次第。
彼の生き方を知り、俗世の細々したことにいちいち惑わされず達観してみたい。
【横田増生『評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」』】
タレントの似顔絵を消しゴム版画で作り、テレビやゴシップネタに対する鋭い評論をすることで有名だったナンシー関。
彼女が急死したのは2002年の6月のことだそうで、今がちょうど没後10年。
そのタイミングで『評伝ナンシー関』という本が出たそうだ。
関係者へのインタビューをはじめ、ナンシー関本人の版画や文章を収録し、彼女の業績や位置づけを浮き彫りにすることを目指した書物らしい。
著者の横田増生という人はジャーナリストだそうだ。そして、ナンシー関のことを真剣に追おうと思ったのは彼女の死後だそうだ。
正直、「死後になって追いかけ始めた人の評伝ってどーなのよ?」と思わないではないが、もしかしたらそういう人の方が冷静に彼女の業績をまとめることができるのかも知らんと期待して購入。どっちみち、僕も彼女の死後にナンシー関の本を読み始めたクチだし。
そんなわけで、到着は2-3日後だが読むのが楽しみだ。
読んで精神衛生が良くなるといいのだが。
「そんなん読んでる場合ちゃうやろ」という声は聞こえません。
アンホルト『理系のための口頭発表術』
昨日、浜松市に出かけて自分の研究の口頭発表をしてきた。
落ち着いて話ができたし、ちゃんと持ち時間を守ったし、たくさんの質問やコメントももらえたので、なかなかの首尾だったのだろうと自画自賛している。
昨日は気分が良かった。
でも、今はすごく反省している。
事前準備を怠り、発表5分前までスライドの修正をしていた。軽微な修正なら良いのだろうが、昨日の僕は発表30分前にトークの流れをガラリと変えた。当然、リハーサルなどやれなかった。小手先のクソ度胸だけはあるので、それでも本番はなんとかなった。でも、後半は随分と早口になったようだし、何枚かスライドを飛ばした。
これらはあまり褒められたことではない。
そのバチが当たったのか、発表直前まで修正していたファイルがそっくり失くなった。操作ミスで一部のスライドを削除して、そのまま保存してしまったようだ。バックアップファイルは一昨日の全く違うバージョンしか残っていない。明後日、ほぼ同じ内容で別の場所で発表する機会を頂いているのだけれど、昨日の発表資料を流用できなくなった。思い出して同じように作れば良いだけの話だが、少々心が折れた。今、軽く放心状態だ。一昨日までに完璧なスライドを準備しておけば、こんな気分にならなかったのに。
資料の作りなおしも悲しいが、意外と「思い出の品」を大事にする当方なので、発表の思い出であるスライドが失くなったことの方がもっと悲しい。
落ち込んでいる。
大江健三郎の妻は伊丹十三の妹
今、NHK BSプレミアムの『こだわり男とマルサの女』という伊丹十三の特集番組を見ている。見ながら思い出したのだが、伊丹十三の妹の夫というのが大江健三郎だ。伊丹十三と大江健三郎は義兄弟になる前、若い時分から友達同士だったそうだ。ふたりが交流する中で、大江健三郎は自分の理想の女性像を完成させたという。
そのエピソードが東海林さだお・椎名誠(2000)『やぶさか対談』に掲載されていることを思い出した。
NHK『カーネーション』第110回
マンガに出てくる料理を全力で再現するブログ『マンガ食堂』が書籍化(amazon)されたと知り、「どーせ、ブログでタダで見れる内容を単にまとめて転載しただけでしょ」と冷たく突き放そうと思ったのだが、目次を見たら半分以上が新作書きおろしであり、「こりゃ買うしかない!『夜行』四百円の駅弁、チョー食いてぇ」と色めき立った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第110回目の放送を見ましたよ。
1954年(昭和34年)。
優子(新山千春)は仕事で大失敗をした。妊婦(榎園実穂)に無理な試着をさせたために、客が店で倒れてしまったのだ。幸い、優しい客だったのでそれ以上の揉め事にはならなかったが、優子はひどく落ち込んだ。
周囲に慰められ、やっと優子は平常心を取り戻しかけた。
その事件の当日、直子(川崎亜沙美)から電話があった。若手デザイナーの登竜門である装麗賞を直子が史上最年少で受賞したという連絡だった。直子からの電話だけではその重大さはわからなかったが、優子の説明によれば、それはこれ以上ないほどの名誉であり、直子の将来は約束されたも同然であるとのことだ。
実は、優子も東京で勉強しながら装麗賞を目指していた。けれども、優子には叶わなかったのだ。それからというもの、優子はふさぎ込みがちになった。
6月になり、直子の快挙はあちこちで報道されるようになった。糸子(尾野真千子)のところにも新聞記者の取材があったり、直子の洋服について店への問い合わせも多くなった。小原一家の周囲はにわかに騒がしくなった。
周りが賑やかになればなるほど、優子は沈み込んでいった。けれどもまだ、みんなの前では普通にしているよう努力した。
ある日、店に電話があった。優子が出ると相手は直子だった。受賞以来、ふたりが話をするのはこれが最初だった。優子は直子のことを明るく祝福した。将来は約束されたも同然だから、デザイナーとして東京で華々しく活躍するよう言った。自分は地味ながら岸和田の店を守っていくから、故郷のことは気にするなと告げるのだった。
その卑屈な態度に直子は腹を立てた。けれども、優子に対しては何も言わなかった。電話が糸子に代わると、腹立たしさを糸子にぶつけた。電話では明るく振舞っていた優子だが、毎日泣いてばかりいることは想像がつくのだという。優子を甘えさせず、活を入れてくれとだけ言うと、他の用事は何も言わずに直子は電話を切った。
糸子も直子の意見と同じだった。変に慰めたり、直子のことを持ちだしたりするのではなく、優子に対しては普通に接しようとした。
その矢先、北村(ほっしゃん。)が上機嫌で店にやってきた。直子を祝福する花束を持参し、店に飾るよう優子に手渡した。そして、直子に負けないように頑張れと優子に声をかけた。その一言で、これまで抑えていた優子の感情が爆発した。持っていた花束を北村に投げつけ、店を飛び出してしまった。
糸子は北村を喫茶店に連れて行った。
北村は心ない言葉を言ってしまったことを反省していた。しかし、もちろん糸子はそれを咎めることをしなかった。むしろ、周囲が気を使うのではなく、優子が自分自身で乗り越えるのを待つしかない、気を使うのはやめようと話すのだった。
一方、北村は訪問の本当の理由を切り出した。
前年、糸子がデザインして大失敗した既製服がついに全て売れたという報せを持ってきたのだ。糸子の取り分を全て現金で持ってきた。時代遅れの洋服が急に全て売れたという話を糸子は理解しがたかった。不安に思うものの、北村の上機嫌に押されてしまい、それ以上は詳しい話を聞くことができなかった。
北村の前で感情を爆発させてから、優子は完全に不抜けてしまった。落ち込んでいるのを隠そうともせず、接客すらまともにできなくなってしまった。
先の妊婦の母(川上律美)が店にやってきた。事件のことは全く気にしていないどころか、優子の作った洋服が良かったので自分も仕立てたいと言って訪ねてきてくれたのだ。しかし、優子はぼんやりとしているばかりで、先日の謝罪や再訪の礼を言うことはもちろん、注文を聞くことすらできなかった。
見かねた糸子は優子を裏に呼んで説教をした。そして、もう店に立たなくてよいと告げてしまった。
ふてくされた優子は、居間に顔を出した。すると、松田(六角精児)が一人でテレビを見ていた。歌舞伎役者・中村冬蔵(小泉孝太郎)の大ファンである松田は、冬蔵がテレビやラジオに出る時は糸子に特別に許可をもらって、いつもこうして見ているのだ。
優子は、生前の善作(小林薫)と一緒によく歌舞伎を見に行っていたので、冬蔵(当時、春太郎)のことを知っていた。松田とふたりでテレビを見て大騒ぎをした。
それを聞きつけて糸子がやって来た。そして優子を怒鳴りつけた。店に出るなとは言ったが、仕事をサボれと言ったわけではないからだ。
優子はつい口答えをしてしまった。自分は仕事のできる人間ではないのだから、テレビを見る以外に能がないなどと卑屈な返事をした。
糸子は頭に来て、優子の頬を張った。恩師の原口(塚本晋也)が才能を見ぬいて東京に呼んでくれたこと、優子の初仕事である妊婦の洋服を見てその母親が訪ねてきてくれたことなど、どうして自分の能力に自信を持つことができないのかと言って叱った。
それでも優子は聞く耳を持たなかった。取っ組み合いの喧嘩になった。
周囲に止められて、一応騒ぎは収まったが、店の中は暗い雰囲気が漂っていた。
そんな夕方、店に刑事がやって来た。
一昨日、北村を詐欺の疑いで逮捕したという。その件に関して、糸子から話を聞きたいというのだった。
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