NHK『カーネーション』第110回

マンガに出てくる料理を全力で再現するブログ『マンガ食堂』が書籍化(amazon)されたと知り、「どーせ、ブログでタダで見れる内容を単にまとめて転載しただけでしょ」と冷たく突き放そうと思ったのだが、目次を見たら半分以上が新作書きおろしであり、「こりゃ買うしかない!『夜行』四百円の駅弁、チョー食いてぇ」と色めき立った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第110回目の放送を見ましたよ。

* * *

第20週「あなたを守りたい」

1954年(昭和34年)。
優子(新山千春)は仕事で大失敗をした。妊婦(榎園実穂)に無理な試着をさせたために、客が店で倒れてしまったのだ。幸い、優しい客だったのでそれ以上の揉め事にはならなかったが、優子はひどく落ち込んだ。
周囲に慰められ、やっと優子は平常心を取り戻しかけた。

その事件の当日、直子(川崎亜沙美)から電話があった。若手デザイナーの登竜門である装麗賞を直子が史上最年少で受賞したという連絡だった。直子からの電話だけではその重大さはわからなかったが、優子の説明によれば、それはこれ以上ないほどの名誉であり、直子の将来は約束されたも同然であるとのことだ。

実は、優子も東京で勉強しながら装麗賞を目指していた。けれども、優子には叶わなかったのだ。それからというもの、優子はふさぎ込みがちになった。

6月になり、直子の快挙はあちこちで報道されるようになった。糸子(尾野真千子)のところにも新聞記者の取材があったり、直子の洋服について店への問い合わせも多くなった。小原一家の周囲はにわかに騒がしくなった。

周りが賑やかになればなるほど、優子は沈み込んでいった。けれどもまだ、みんなの前では普通にしているよう努力した。
ある日、店に電話があった。優子が出ると相手は直子だった。受賞以来、ふたりが話をするのはこれが最初だった。優子は直子のことを明るく祝福した。将来は約束されたも同然だから、デザイナーとして東京で華々しく活躍するよう言った。自分は地味ながら岸和田の店を守っていくから、故郷のことは気にするなと告げるのだった。

その卑屈な態度に直子は腹を立てた。けれども、優子に対しては何も言わなかった。電話が糸子に代わると、腹立たしさを糸子にぶつけた。電話では明るく振舞っていた優子だが、毎日泣いてばかりいることは想像がつくのだという。優子を甘えさせず、活を入れてくれとだけ言うと、他の用事は何も言わずに直子は電話を切った。

糸子も直子の意見と同じだった。変に慰めたり、直子のことを持ちだしたりするのではなく、優子に対しては普通に接しようとした。
その矢先、北村(ほっしゃん。)が上機嫌で店にやってきた。直子を祝福する花束を持参し、店に飾るよう優子に手渡した。そして、直子に負けないように頑張れと優子に声をかけた。その一言で、これまで抑えていた優子の感情が爆発した。持っていた花束を北村に投げつけ、店を飛び出してしまった。

糸子は北村を喫茶店に連れて行った。
北村は心ない言葉を言ってしまったことを反省していた。しかし、もちろん糸子はそれを咎めることをしなかった。むしろ、周囲が気を使うのではなく、優子が自分自身で乗り越えるのを待つしかない、気を使うのはやめようと話すのだった。

一方、北村は訪問の本当の理由を切り出した。
前年、糸子がデザインして大失敗した既製服がついに全て売れたという報せを持ってきたのだ。糸子の取り分を全て現金で持ってきた。時代遅れの洋服が急に全て売れたという話を糸子は理解しがたかった。不安に思うものの、北村の上機嫌に押されてしまい、それ以上は詳しい話を聞くことができなかった。

北村の前で感情を爆発させてから、優子は完全に不抜けてしまった。落ち込んでいるのを隠そうともせず、接客すらまともにできなくなってしまった。
先の妊婦の母(川上律美)が店にやってきた。事件のことは全く気にしていないどころか、優子の作った洋服が良かったので自分も仕立てたいと言って訪ねてきてくれたのだ。しかし、優子はぼんやりとしているばかりで、先日の謝罪や再訪の礼を言うことはもちろん、注文を聞くことすらできなかった。

見かねた糸子は優子を裏に呼んで説教をした。そして、もう店に立たなくてよいと告げてしまった。

ふてくされた優子は、居間に顔を出した。すると、松田(六角精児)が一人でテレビを見ていた。歌舞伎役者・中村冬蔵(小泉孝太郎)の大ファンである松田は、冬蔵がテレビやラジオに出る時は糸子に特別に許可をもらって、いつもこうして見ているのだ。
優子は、生前の善作(小林薫)と一緒によく歌舞伎を見に行っていたので、冬蔵(当時、春太郎)のことを知っていた。松田とふたりでテレビを見て大騒ぎをした。

それを聞きつけて糸子がやって来た。そして優子を怒鳴りつけた。店に出るなとは言ったが、仕事をサボれと言ったわけではないからだ。
優子はつい口答えをしてしまった。自分は仕事のできる人間ではないのだから、テレビを見る以外に能がないなどと卑屈な返事をした。
糸子は頭に来て、優子の頬を張った。恩師の原口(塚本晋也)が才能を見ぬいて東京に呼んでくれたこと、優子の初仕事である妊婦の洋服を見てその母親が訪ねてきてくれたことなど、どうして自分の能力に自信を持つことができないのかと言って叱った。
それでも優子は聞く耳を持たなかった。取っ組み合いの喧嘩になった。

周囲に止められて、一応騒ぎは収まったが、店の中は暗い雰囲気が漂っていた。

そんな夕方、店に刑事がやって来た。
一昨日、北村を詐欺の疑いで逮捕したという。その件に関して、糸子から話を聞きたいというのだった。

* * *

続きを読む

cafe JUNK厚木店、今夜だけオープン

一時期、大晦日に「年越しスパ」と称してアサリのスパゲティを食べるのが僕の恒例行事だった。

京都府木津川市に cafe JUNK という店があって、僕は足しげくそのお店に通っていた。いつ行っても店員さんがニコニコと出迎えてくれたし、それでいてしつこく話しかけられるわけでもなく、とても居心地の良い店だった。女性店員さんは全員美人だったし。

2005年の大晦日はここでアサリのスパゲティを食べた(クラム・デルレイというメニュー名だった)。
2005年のクラム・デルレイ

2006年の大晦日ももちろん同じものを食べた。
2006年のクラム・デルレイ

2007年の大晦日も当然同じ行動をするつもりだったのに、2007年7月ころに突如閉店してしまった。
それ以来、アサリのスパゲティは食べていない。

続きを読む

カキのオイル漬け

11月21日放送のフジテレビ『知りたがり!』で山瀬まみが紹介していたカキのオイル漬けの作成に挑戦する所存。

以下、テレビで見たレシピを記憶した当方が、キッチンに立って調理した模様をお送りする。
詳しいレシピはESSE 2012年 12月・1月合併号
に掲載されているそうなので、そちらをご参照いただきたい。

続きを読む

扁炉 (ピェンロー) を作って食べた 2011

扁炉

白菜、豚肉、鶏肉などを、ゴマ油を利かせた汁でトロトロに煮込んだ鍋、扁炉 (ピェンロー) を作って食べた。毎年1月3日に食べるのが恒例。

ちょうど1週間前、白菜を買ってきて放置。「ペナペナ白菜」を仕立てた(参考記事)。
満を持して扁炉 (ピェンロー) を作って食べた。

そう、白菜。

続きを読む

全てはペナペナ白菜の扁炉 (ピェンロー)のために

特に深い理由はないのだが、ここ数年、1月3日に扁炉 (ピェンロー)を食べるのが恒例になっている(2010年1月3日2009年1月3日2008年1月3日)。ただし、2007年のみ1月10日に食べた
何をそんなにこだわる必要があるのか、自分でもよく分からないが、もしかしたら「愛かも」と思わないでもないが、そんな深刻なこととは無関係に、とにかく一度始めたことはなんとなく続けたいので、来年の1月3日にも扁炉を作って食べようと思う。

扁炉(ピェンロー)とは、ゴマ油を利かせた汁の中で白菜、豚肉、鶏肉などをトロトロに煮こむ鍋料理である(簡単なレシピは文末に掲載する)。

体がとても暖まるので寒い冬にはもってこいの料理だし、何より冬の白菜は美味しい。この鍋は、白菜が主役の激ウマ料理なのである。

* * *

そう、白菜。

続きを読む

お家でできた、簡単チキンハム

先日、日ハム(食肉会社の方)が作り方を公開している「チキンハム」を当blogで紹介し、実際に作成に取り組んだ

レシピでは調理に3日間を要する。レシピ通りに作ったので、完成まで3日間を要した。本日が3日目であった。3日間かけて作っただけの価値はあったのか?

自家製チキンハム

3日間かけて作っただけの価値はあった。

まず、調理が簡単だった。永遠のお料理ビギナーである当方ですら大成功だった。調味料の量は目分量の当てずっぽう、仕上げの茹で時間もテレビを見ながらの片手間作業。それにも関わらず、ちゃんとハムっぽく仕上がった。

材料費も安かった。主要構成物のトリ胸肉は200円くらいだったし、バジルやナツメグなどのハーブ類を新調したが、たかが数百円だ。1度ではなくならない量である。何度かチキンハムを作れば、その分だけ1回あたりの費用が低くなっていくカラクリだ。実際、今日、第二弾の肉を買って来て仕込んだ。

ところで、味はどうだったのか?

続きを読む

買った、作った、チキンハムだぜっ!

 日本ハム株式会社(食肉会社の方)がチキンハムという商品を発売している。チキンハム大学というキャンペーンサイトも作られている。

 昨日、北海道日本ハムファイターズ(野球チームの方)の選手(残念ながらあまり有名ではない)の出演する、チキンハムのプロモーションビデオがあることを知った。
 そのビデオがあまりに面白くて、一発でノックアウトされ、何度も繰り返し見てしまい、ある意味ラップっぽいその音楽とセリフが、頭の中をグルグル回ってしまうようになった。

 別に、このビデオに洗脳されたわけではないが、こんな面白いビデオには報いなければならないと思った。そんなわけで、投げ銭のつもりでチキンハムを買った。高の原サティで178円であった。今夜のビールのアテに食べるつもりである。

チキンハムを購入

 蛇足であるが、高の原サティでは、奈良県の発行する平城遷都1300年記念プレミアム商品券は使用できないので注意したい。理由はこちらの写真を見よ

続きを読む

豚とレタスのみぞれ鍋

 わが最愛の山瀬まみが甲子園球場で始球式をしていた頃、僕はスーパーで夕食の買物をしていた。
 午後から体が冷えて、頭も痛くなってきた。風邪のひきはじめっぽかったので、鍋でも食って体を温めようと思った。

 大根、豚肉、レタスを購入。ポン酢と一味唐辛子は家にあった。
材料

続きを読む

東海林さだお公伝のチャーシュー: 一晩おいたら化けた!

美味しい料理はたいてい「秘伝」だ。
ていうか、あまり美味しくない料理でも「これは秘伝の調理法に基づいて作られました」と言われたら、それだけでなんとなく美味しく感じる。美味しく感じないのは自分の味覚がオカシイのであって、秘伝の味を理解できない自分の舌を恥ずかしく思い、「うん、まぁ、そうだね。うんうん、よく味わえば美味しい気もしてきた・・・」とかなんとか、適当に話を合わせたりするのが人情だ。

僕は料理のセンスが全く無い人間なので、チャーシューをどうやって作るのか知らない。
ていうか、料理店でチャーシューを食べるたびに「美味しいなぁ。きっとこの店秘伝のレシピで作ってんだろうな。俺が作るなんて百年早いな」なんて謙虚に考えていたりする。

ところが、世界で一番美味しいチャーシューを、豚肉と醤油だけで作る秘伝の技があるらしい。
いや、秘伝じゃない。とても有名らしい。
「東海林さだお チャーシュー」で検索するとたくさん出てくる。

そう、東海林さだおが『ブタの丸かじり』という本の中で「簡単チャーシューの作り方」として紹介している。
そして、それを真似してあちこちで「美味い!」の声が上がっている。

もう、秘密でも秘伝でもない。
秘伝の反意語がなんであるのか、僕は知らない。
国語の成績は昔から良くないからだ。先日もマジスパで「矜持」という漢字が分からず(ケータイの日本語変換でも候補が出てこなかった)、そばに居たよく会う馴染みの女の子に「”きょうじ”ってどういう感じだっけ?」と聞いて、やっとtwitterに投稿できたくらいだ。
だから、秘伝の反対が「公伝」でいいのかどうかわからないが、東海林さだおのチャーシューレシピを僕も公伝する。

続きを読む