サイトアイコン alm-ore

『0〜3さいはじめての「ことば」』(小林哲生)

昔から、同性の友達が少なくて、異性の友達の多い当方ですが。

しかし、30も半ばという年齢に差し掛かると、そんな女の子友達もどんどん人妻になっていくわけで。人妻になっちゃうと、なんとなく旦那に対して気まずくて、以前のように遊びに誘いにくくなってしまったり。僕の最後の心の友だと思っていた女の子も、先日会ったら「私、来年の5月に結婚することにしたから。(スペード)」と、超クールに報告されたり。あああ。

とはいえ、昨日の夜「年が明けたら、一緒に京都競馬場に行きましょう!(はーと)」なんて美人妻から誘われるという出来事があり、嬉し恥ずかしで羽束師の辺りをgoogle mapsで見たりしながら、二つ返事でデート(デート?デートなのか!?)の約束をしてしまったわけだが。

そう、子どもがいない人妻だったらまだ良いのだ。
妊娠中だったり、子どもが小さかったりする人妻友達なんかになると、旦那はもちろん、子どもにも気兼ねしてさっぱりご無沙汰になってしまうわけだが。
そんな感じで、女友達の3人が妊娠したというニュースをここ1ヶ月のうちに断続的に聞き、ちょっぴり寂しくなるなぁなんて思っている今日この頃。

もちろん、仲の良い女の子たちから、可愛い赤ちゃんが生まれてくるのかと思うと、つい僕のほっぺたも緩んでしまうけれど。


そんな感じで日々暮らしていたら、知り合いの研究者の小林さん(残念ながら♂)の本が出た。彼は、乳幼児の言語獲得の研究をやっている人で、こども語辞書というプロジェクトをやってる人。

こども語辞書は、子育て中の人々が自分の子どもに関して、いつどんな言葉を覚えたか投稿するサイト。その情報を集計することで、小さな子どもたちがどのように言葉を覚えていくのかを調べている。また、得られたデータは公開されていて、自分の子どもが次にどんな言葉を覚えそうか?とか、初めて聞く幼児語の意味を調べたりすることができるそうだ。

今回、そのプロジェクトからのスピンオフとして、『0〜3さいはじめての「ことば」』が出版された。
同書のねらいは、新米のパパさん、ママさんの育児不安をやわらげることにあるっぽい。本文140ページほどだが、一問一答形式でいろいろな不安に答えている。「子どものしつけは英語でやったほうが良いというのは本当か?」とか「母子家庭なので、息子がオカマ言葉にならないか不安」とか「人ではなく座布団とばかり話しをする」とか、子育て経験のまったく無い当方にとっては未知の世界で、ほんとにそんなことあるのかよ?みたいな話がたくさん出ているのだが、それらに親切に答えている。
しかも、本書がマジメだなと思う部分は、何かのやり方を一方的に押し付けるのではなく、「子育てのやり方にはいろいろあるし、子どもたちだって十人十色。心配し過ぎないほうがよい」という、気軽なスタンスに立っている点。新米両親の中には、これで肩の荷が軽くなる人も多いんじゃないかな。

とはいえ、単なる思いつきの気休め与太話じゃないところもマジメ。この手の一般向けの本にしては珍しく、かなりしっかりした参考文献が付いてる。しかも、半分以上が英文ジャーナルの論文でビックリした。関連業界の人なら、本文ふっとばして文献一覧を眺めるだけでしばらくは楽しめるかもしれない。

もちろん、一番読むべきは、これからお父さん、お母さんになろうとしている人たちだと思うけど。
いろいろ悩んで落ち込んだり、どっかの掲示板とかで相談したら煽られて却って悲しくなったとかなる前に、一度目を通しても良い本なんじゃないかと思う。

なかなか良い仕事してますな。
サインは判読不能だったけど。

巻末にある、こども語の解説をつらつら見ていたら、「にーに」(お兄ちゃん)と「ねーね」(お姉ちゃん)が出ていた。あまり大きな声では言えないが、当方は日常生活でこれらの言葉をよく使ってる。幼児の使う言葉だと書かれてしまうと、自分が情けなくなってくる。

ところで、「にーに」が『な』の欄に、「ねーね」が『ぬ』の欄に掲載されているという編集ミス。どうしてそんな単純なミスが起きたのか、予想できるようでもあり、ありえないようでもあり。

モバイルバージョンを終了