上巻の方は、前作まででおなじみのメンバーがほとんど出てこないので、少々退屈だった。
とはいえ、前作『ナイチンゲールの沈黙』でも、いわゆるレギュラー陣はなかなか出てこなかったことを思い出した。最終的には”いつものあの人”が出てくるわけだが、ストーリーの前半は新登場の人物たちが話を進めていくというのが、このストーリーのスタイルだと今さらながら気づく。そう思い至ってみれば、退屈という評価は不当かもしれないが。
#なお、『チーム・バチスタの栄光』の田口先生も大局的に見れば脇役っぽいよね。
今回の『螺鈿迷宮』は、双子の女性医師、すみれと小百合が出てくる。序盤をボーっとして読んでしまったので、最後までどっちがどっちだかイマイチ頭の中で整理が付かないまま終わってしまった。
この二人の表裏一体さ加減は、どうやらストーリーのキモになってるようだから、これから読む人はきちんと注意深く読むことをお勧めする。
#この前まで連載していた”だんだん日誌”では、あんなに双子の違いに注意して文章を書いていたつもりの当方が、こういうミスを犯すとは。とほほ。
そんな感じで、双子をよく識別して読まなかった当方だが、ラストシーンが気になって、気になって仕方がない。
【以下、曖昧に書くけれど、結末関連の話】
自分の運命を悟ったときに、主人公にロザリオを渡したのは A子(仮称)と書いてあったはず。そして、主人公たちはA子の無事を期待している。読者にも同じ期待を持たせるために、電車に乗っている女性の描写もある。
でもさ、でもさ、その電車に乗ってる女性が、ロザリオを所有しているという記述もあるんだよねぇ。
つーことは、電車に乗ってるのは B子(仮称)の方ってこと?
もしくは、どこかの時点で A子とB子が入れ替わっていて、主人公にロザリオを渡したのがB子ってこと?そして、電車に乗ってるのがA子?
別の可能性としては、ロザリオを渡したのも電車に乗ってるのもやっぱりA子で間違いなく、どこかでB子のロザリオを奪ったってこと?
よくわかっていない当方なので、誰か仮説(もしくは真相)を教えてください。