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京都知事と精華町長の「私のしごと館」観: 俺はがっかり

京都府精華町で、2009年7月5日に行われた知事と町長と和ぃ和ぃミーティングin精華町の模様がYoutubeにアップされていた。
京都府の公式アカウントらしいが、外部への埋め込み無効になってる。こういう情報こそ、バンバン外部に流れるようにしておくべきじゃねーの?

全4分と短く編集されているビデオクリップであるが、0:47 – 1:46 あたりに、「私のしごと館」についての質疑応答がある。

「私のしごと館」は、国民の能力開発に供するため雇用保険料から捻出した費用で建設・運営されている施設である。2003年にオープンしたときから、毎年巨額の赤字補填がなされており、「無駄な公共施設の象徴」としてよく取り上げられている。現在でも営業は続けられているが、遅くとも2010年8月までには廃止することが2008年12月の閣議によって決定された。

国レベルでは槍玉にあげられているわけであるが、地元(精華町)では必ずしもお荷物というわけではない。多少なりともお金が落ちてくるから、あって困るわけではないのだ。
#僕も、ちょっとしたアトラクション施設として何回か遊びに行ったし。しかも、徒歩圏内だし。

そんなわけで、京都府知事や精華町長がどのような意見を持っているかは注目に値する。


しかし、知事や町長が本心からそう言ったのか、編集の仕方が悪いのかはわからないが、彼らの「私のしごと館」に対する意見は、どうも感心しない。

山田京都府知事の発言の趣旨は、「精華町は国会が学研都市として指定した地域であるということを踏まえ、『私のしごと館』を考えていくべき」というもので、要するに「考える」と言っているだけで、具体的には存続とも廃止とも言っていない。
なんじゃそら。

木村精華町長の発言趣旨は、「高齢者が安心して暮らすためには、若者が支えなければならない。この厳しい雇用情勢にあっては、若者に安心を与える仕組みが必要だ。そのために『私のしごと館』は大事だ」というものであり、しごと館の存続に前向きなのは分かったけれど、そのロジックってどうなのよ?(ちょっと意地悪なまとめかもしれんから、公平を期すために割り引いて読むなり、元ビデオを見るなりして欲しい)
単に、「若者の能力開発は重要だ」とだけ言っておけばいいものを、高齢者の生活のために奉仕させるのが是であると言ってしまった。

そりゃ、僕だってガチガチの利己主義者じゃないから、僕ら世代の年金保険料で高齢者に年金を支払うことだって仕方ないと受け入れているさ。僕らの世代は、彼らの世代の”遺産”によって繁栄した社会を享受しているんだから、彼らに年金で返報しなきゃいけないことも、ちゃんと理解しているさ。

けれど一方で、人口構成比をチラ見したら、高齢者が若者におんぶにだっこでは先がないことは分かるだろうに。必要なのは、若者を無恥で、もとい無知で、いやいや鞭で叩いて働かせることじゃなくて、高齢社会に見合った社会構造を作り上げることだろうに。
その努力を放棄しているかのように受け取れる発言であり、また、その重要性にすら頭が回っていないような発言でもあり、町民としてはかなりションボリした。

精華町は、農業と先端技術研究所が混在する産業地域であり、同時に京都市や大阪市で働く人のベッドタウンにもなっているという、「住民のるつぼ」みたいな地域で、町長の舵取りもそんなに簡単ではないんだろうなぁとは想像する。
しかし、難しいからこそ果敢なリーダーシップを発揮して欲しいと期待するのに、少なくとも今回のビデオを見る限りでは、しょーもないオッサンであり、町民としてはかなりガッカリした。

単に、編集の仕方が悪くて、そう見えているだけならいいんだけれど。

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