サイトアイコン alm-ore

『深夜食堂』 安倍夜郎

今日は仕事納めだし、自主的に仕事を早く切り上げて会社を出た。会社を出たのはいいんだけれど、家にまっすぐ帰るのもツマラナイ気がして、近所のショッピングモールに立ち寄った。
書店をブラブラして、ふと『深夜食堂』という漫画が平積みになっているのが目に付いた。なんとなく心惹かれた。全部で5巻並んでいたけれど、お試しに1巻だけ買った。それを携えて、喫茶店でコーヒーを飲みながら読んでみた。

期待を上回る面白さだった。
すぐに本屋にとって返して、残りの4冊を一気に買った。


新宿の片隅にある食堂が舞台の1話読みきりの漫画。

顔に大きな傷のある強面が一人で切り盛りしている。メニューには豚汁定食とビール、酒、焼酎しか書かれていない。その代わり、材料さえあれば客の希望に沿ってどんな料理でも作ってくれる。
店の名前は「めしや」。営業時間は夜12時から朝の7時まで。こんな営業時間でも、眠らない街新宿では客がひっきりなしにやってくる。人々はこの店を「深夜食堂」と呼ぶ。

タコさんウィンナーばかり注文するヤクザ者や、女優にマジ惚れするAV男優、おっぱいが大きすぎてすぐに肩が凝るストリッパー、マズイといいつつナポリタンスパゲティを食べるイタリア人落語家、猫まんまばかり食べる売れない女性演歌歌手などなど、個性豊かで新宿らしい(?)客たちが入れ替わり立ち代り、オーソドックスな人情話を繰り広げる。
特に珍しい料理や高級食材が出てくるわけではなく、カツカレーや目玉焼きのせヤキソバ、肉じゃがにカリカリベーコン、カツ丼などなど、庶民的なメニューのオンパレード。読んでると腹が減ってくるのだが、我々でも日常的に手の届く料理なので、まったくイヤミがない。

客と主人との掛け合いで進展する物語なのだが、時折、主人の独白が挟まれる。そして、唐突にカメラ目線のコマがある。
初めはどういう演出なんだろうかと不可解に思いながら読んでいたのだが、途中ではたと気づいた。

そうか、読者も「深夜食堂」の客なんだ。
主人がカウンターの客(読者)に向かって、オモシロ常連客の噂話をしているというシチュエーションなんだ。
そう思うと、自分も深夜の新宿の裏路で素朴だけれど美味しいメシを食っている気分になってくるから楽しい。

ビッグコミックオリジナルサイト内に公式サイトがある。
また、今年の秋には小林薫主演でドラマも放映されていたそうだ。来年4月にDVDが発売されるそうなので、ぜひ見たい。俺の誕生日の前日にリリースなので、自分への誕生日プレゼントにしてもいい。

モバイルバージョンを終了