世の中の不条理な格差をシニカルに表現。当方好みの一節を見つけた。
俺たちは、いい時代に生まれた。抗生物質があり、よく利く痛み止めがあり、手術も大概は麻酔が有効だ。酒は洗練され、夢のようにうまいスピリッツがあり、その上にサウナまである。それらの幸せに比べたら、核兵器の悲惨さも、ジャンジャウィードによる虐殺も、こども兵士の悲惨も、肩をすくめてやり過ごすことも不可能ではない。・・・胸はものすごく痛いけどな。滅茶苦茶な話だ。
そんなことをぼんやり頭の中で転がしながら、俺はサウナの仮眠室のソファの上で、ややぐっすり眠った。