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奈良 四神パネルツアー

 四神(しじん)とは、4つの方角を守る霊獣である。
 東・青竜、南・朱雀、西・白虎、北・玄武とされている。たとえば、平城宮跡に復元されている「朱雀門」も、京の南側の門だから朱雀なのである。その他、奈良県明日香村のキトラ古墳の内壁に四神が揃って描かれていたりする。

 さて、4月末から平城遷都1300年祭が本格的に開幕するのに合わせ、奈良市四方に四神のモニュメントが設置された。モニュメントと言ってもイラストパネルだが。
 当方は4月10日に、国道24号線の奈良-京都の県境に玄武パネルの設置工事を目撃した。それから3週間、きっと他の霊獣もどこかに設置されているのだろうと考え、その捜索に向かった。確かに、主要幹線の奈良市入口にそれぞれ設置されていた。

 その写真を紹介するものなり。

 各パネルの設置場所は以下の地図を参照いただきたい。


より大きな地図で 奈良四神 を表示

【 玄武 】 (北)

 北の霊獣・玄武は亀の姿で表される。

 このパネルの場所は、国道24号線。京都府木津川市との県境である。ちょうど、京奈和自動車道の木津インターチェンジとの合流地点である。パネルは中央分離帯に設置されているので、道路の中央側に見ることができる。

 京都側から南下してきた場合は、すぐ手前にみどりの一里塚 木津休憩所があるので、そこに車を停めればじっくり観察できる。中央分離帯は幅5m以上はありそうなので、目の前で見ることも可能。ただし、このあたりはほぼ途切れなく車両が通行し、しかもスピードの出ている地点なので安全には十分注意したい。
 一方、奈良側から北上する場合は、停車するのに適当な場所はない。京奈和自動車道に向かう車両の速度は特に速いし、国道のすぐ先はトンネルになっていたりする。脇見も危険であり、要注意。

 公共交通機関が利用できるかどうかは未調査。

【 朱雀 】 (南)

 南の霊獣・朱雀は鳳凰のような鳥の姿をしている。

 パネルは国道24号線上にある。つまり、玄武とコンビで24号線の南北を守護していることになる。設置位置は奈良市から大和郡山市に入る直前の高架橋(関西本線上)の登り坂である。道路の外側に配置されている。

 高架の奈良側登り坂であるが、このあたりは頻繁に渋滞している。あまり嬉しいことではないが、意図せずともじっくり見ることができるだろう。
 間近で見たいと思えば、高架を登らずに側道に入れば良い。奈良市内から向かう場合、高架の直前(ユニクロあたり)から左に進路をとれば良い。ただし、パネルのすぐ側には病院がある。緊急車両の妨げにならないよう注意したい。また、パネルの場所まで登っていくのは、かなり急な斜面なので、転落しないように慎重にしたい。

 公共交通機関が利用できるかはわからないが、柏木町そばなのでなんとかなりそうな気がする。

【 青龍 】 (東)

 東の霊獣・青龍は文字通り龍の姿。

 ここはパネルではなく、街灯につり下げられているタペストリーであった。場所は国道369号線(通称・大宮通)の奈良県庁前。もしくは、興福寺北側。「近鉄奈良駅から、奈良公園に向けてゾロゾロ歩く道」と言えばわかりやすいかもしれない。アクセスも容易だし、歩きながらのんびり見ることができる。

 歩道の街路樹用地も広く、パネルを設置するスペースは十分にあるのになぜパネルじゃないのかと思った。しかし、少し考えたら、理由は明らかだ。パネルを立ててしまうと自動車の運転手から歩道の様子が見えなくなってしまう。このあたりは歩行者が多いので、急な飛び出しに対応するための苦肉の決断なのだろう。納得できる話だ。
 ていうか、人間よりも、鹿の飛び出しの方がヤバいのかもしらんが。

 他のパネルは奈良市の端に設置されているのに、ここは奈良市東端よりはずいぶん内側である。「これ以上東に設置しても、交通量がめちゃめちゃ少ない道路しかないし、誰も見ないじゃん。ギリギリここで手を打っとこうよぉ」という苦渋の決断が感じられるようでもあり、「ここより先は、田舎のため奈良市(平城京)とは認めません」というプレッシャーが透けて見えるようでもある。柳生とかは仕方ないとしても、東大寺や春日大社もはずれちゃってんだけどね。

【 白虎 】 (西)

 西の霊獣・白虎も、文字通り虎。

 場所は、第二阪奈道路(有料)の中町ランプ-小瀬ランプ間。この区間にはひとつだけトンネルがあるが、そのトンネルの奈良側に300-400mほど。道路の外側に設置されている。

 ハッキリ言って、ここをじっくり鑑賞することは無理。難易度が高い。
 自動車専用道路なので、徒歩で向かうことは不可能。一般道から回りこもうにも、おそらく山林なので険しい道程となろう。最低区間料金250円を払って見るほどの価値があるかどうかと聞かれれば、微妙としか答えようがないし(僕は、4つ全部回ることを決意して向かったので喜んで行ったけれど)。

 第二阪奈道路は、奈良と大阪を結ぶ幹線有料道路である。横には蛇行して、アップダウンの激しい阪奈道路(無料)が並行している。もしかしたら、阪奈道路にも霊獣パネルがあるのではないかと確認に向かったが、そちらには設置されていなかった。あくまで有料の第二阪奈を通行した人だけが見られる、ボーナス・パネルのようだ。

 大阪から奈良に向かう場合は、トンネルを出た直後なので、急なスピードダウンなどで後続車の追突を招いたりしないように気を付けたい。また、どちらの方向も、このあたりはスピードを出す車両が多いので、特に注意しながらチラ見したいところだ。

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