僕が初めて cafe JUNK に行った日のことはちゃんと当ブログに記録が残っている。2004年8月14日のことだ。奇しくもちょうど9年前の8月。
その後、同店は2007年7月ころに突如閉鎖。そのこともブログ記事にしてある。
この店にはずいぶん通った。今記録を見返してわかったのだが、僕が通っていたのはたった3年だけだったようだ。あまりに馴染みすぎてそれ以上の時間をここで過ごしたような気になっていた。そして、店がなくなってから6年も経っていることに愕然とした。ついこの前まで通っていた気になっていたのだが、なんと6年も経っていたのだ。僕が実際に通っていた3年間の倍の時間が流れている。
そんな cafe JUNK が本日めでたく再オープンした。Webサイトも整備された。縁起物だと思って、オープン直前のWEBカウントダウンのキャプチャも撮っておいた。
一応今日は仕事もあったので、オープン同時入店はできなかったが、19時ころに新生 cafe JUNK へ食事に出かけた。
場所は奈良市鳥見町のとりみ通り沿い。近鉄富雄駅からも数分歩けば着く距離。
僕は車で出かけた。駐車場は店の横に2台分。しかし、満車で停められなかった。店から東に150mほど行った所にコインパーキングがあったので、今日はそこに駐車した(300円/30分)。店の人に聞くと、9月ころまでには近隣に3台分くらいの駐車スペースを確保する予定だとか。以前の店舗(木津川市)は周りが畑に囲まれていて、土地も広く、店の前に10台分くらいの駐車スペースがあったのでこの点は残念。しかし、駅には近くなったので、心置きなくアルコールを飲めるのはいいかもしれない。
店は2階建て。1階にはテーブル席が2つか3つ、厨房に面したカウンター席が5脚くらいだったろうか。1階にも空席はあったが、僕は物珍しかったので2階席に座らせてもらうことにした。階段の踊場には旧店舗の写真が飾られていて、懐かしい思いがする。2階は、テーブル席が5つか6つ、大テーブルがまん中に置いてあり、そこにはイスが10脚くらい。僕は大テーブル席の端っこに座らせてもらった。
1階にはママさん&子供連れグループが1組(彼女らについては後述)、カウンター席には男性客が2人いた。2階にはカップルや3人連れの知人グループなどが合計で6組くらい。8割ほどの客入りで、窮屈でもなく寂しくもなく、居心地は良かった。耳をそばだてたわけではないが、ほとんどの客が旧店舗のことを知っている人たちだったようだ。懐かしそうにメニューや料理を眺めていた。
僕は初めから食べたい料理を決めていたので、メニューはちらりと眺めただけだった。念のためその料理があるかないか確認した程度だ。
食べたい料理というのは、クラム・デルレイ(アサリのパスタ)とトマトスライスサラダだ。この組み合わせが大好きで、自宅で作って食べたりしたものだ。皿に付いているロゴまで自作するという凝りよう。
当然、この組み合わせで食べるつもりだった。しかし、クラム・デルレイはメニューに残っていたが、トマトスライスは消えていた。代わりに「トマト&アボカド」(750円)というサラダがあるのみだ。ダメ元で店のお兄さんにトマトスライスを特別に作れないか聞いてみた。すると、それはできないが、「トマト&アボカド」のアボカドをトマトにそっくり入れ替えることならできるという。それはちょっと違うんだよなー、と思いながらも試しに頼んでみることにした。
やっぱりちょっと違うなー、と思いながらも、チーズがたっぷりかかっててこれはこれで美味しい。ただし、以前のトマトスライスが350円くらいだったと思うので、トマト&トマトはちと予算オーバー。ひとりで来るときには食べないだろうけれど、誰かと一緒の時はシェアして食べてもいいかな、と思う。そんなわけで、誰か一緒に行きましょー。
そして、本命のクラム・デルレイ(850円)はちゃんと注文できた。以前はパスタと具だけだったのに、新生 JUNK ではなぜかガーリックトーストが添えられていた。この店はどのメニューも大盛り気味なので普通に食べても腹一杯になるのに、さらに増量トーストが付いてきたことに軽くクラクラした。そして、パスタソースも以前より濃いような気がした。昔はパスタがもうちょっと白っぽかった(ソースが薄かった)ような気がしたのだが、今日のデルレイはパスタが褐色がかっている。照明の違いでそう見えるだけかもしれないし、気にせずに食べてみることにした。
で、実際に食べてみたのだけれど、なんだか味がよくわからなかった。店の味が変わってしまったのか、僕が店の味を忘れてしまったのかわからないが、とにかくよくわからない味がした。
しかし、しかしである。
こんなもんだっけなー、と思いながら無心で食べていると、舌がだんだんと味を思い出してきた。ベーコンと玉ねぎの香ばしい焼け具合とアサリのエキス、そして醤油(?)らしき隠し味。まさしく僕がよく食べていたあのパスタだ。嬉しくて仕方がなかった。前の店でも、誰が作るかによって味にブレのあったことを思い出した。「今日はハズレ」「今日はアタリ」などと、毎回一喜一憂していたことを思い出した。そういうこと込みで懐かしい味だった。
今回、オープン初日に出かけた理由は、昔なじみの店員さんがいるかもしれないと思ったからだ。しかし、ざっと店内を見回しても知ってる顔はいなかったし、そもそも店員さんも前の店から引き続いて働いている人ばかりではなかったようだ。そりゃそうだよな、6年もブランクがあれば旧店員さんだって別の仕事を見つけているだろう。
帰りにレジを売ってくれたアネさん(僕よりも年上のように見えるという意味)は、以前の店舗の関係者らしい素振りを見せ、僕も前の店の常連だったと自己紹介したのだが、互いに見覚えはなかった。なんだかガッカリしてしまった。もしかしたらもう来ないかもしれないな、とチラリと考えたりしながら。
ところが、ところがである。
僕らがそんな話をしながら支払いをしていると、1階席の奥に座っていたママさんグループの1人がこちらに近づいてきた。そして彼女は僕に向かって
「いつもコーヒー飲みながら本読んではったお兄さんですよね?」
と言うじゃありませんか。まさに、まさに!旧cafe JUNK ではカウンターの左端でいっつも読書してた。
そして、話しかけられて、僕も彼女にはどこか見覚えのあることを思い出した。
彼女は今は店で働いているわけではないが、旧店舗のスタッフとして助言したり手伝ったりしているのだという。
6年も前のことなのに、僕のことを覚えていてくれた。こんなに嬉しいことはない。
そして、友達の少ないマーメイド(潮騒のメモリー)当方にとっては、こういう温かい人のいる店は本当にありがたいのである。もうそれだけで嬉しくて、これからも cafe JUNK には常連ステータスを得るべく足繁く通うことを決意した次第。
【cafe JUNK】
住所: 631-0065 奈良市鳥見町1-1-6
TEL: 0742-77-0269
営業時間: 11:00-27:00 (L.O 26:00)
地図ここらへん
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