33歳と37歳の間には深くて暗い谷がある

芸能プロダクションWACに所属する2人の女優。

桝井志穂、1977年生まれ33歳。最近のTV出演はNHK『カーネーション』の女性客役。

山野さゆり、1974年生まれ37歳。最近のTV出演は同じく『カーネーション』。ただし、中年女性客役。

毎日目を皿のようにして『カーネーション』を見ている僕も、彼女らがどこに出ていたかわからない。ほんのチョイ役で、ほとんど似た様な役どころなのに、一方にだけ「中年」がつけられるなんて。残酷だなぁ。35歳あたりが境目なのだろうか。

同じ1974年生まれである当方は、中年ブロガーとして山野さゆりさんを全力で応援していきたいと思います。

NHK『カーネーション』第28回

「カーネーション: オリジナル・サウンドトラック」は amazon で MP3版が売られている(全曲試聴可)こと、および、椎名林檎の主題歌は収録されていない(別途MP3版がある)ことに気づいた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第28回目の放送を見ましたよ。

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第5週「私を見て」

糸子(尾野真千子)はミシンを借りるために神戸の祖父母(宝田明、十朱幸代)の家に泊まりこんだ。彼らは糸子が来たのを喜び、大歓迎した。しかし、のんびりしている暇の無い糸子はすぐに仕事にとりかかり、食事以外はミシンの前を離れることはなかった。

夕食は、神戸の親戚が勢ぞろいし、豪華で美味しい料理が提供され、楽しい時間であった。けれども、神戸での時間が楽しく有意義であると思うのに比例し、岸和田の家のことが気になり始めた。糸子の神戸行きについて機嫌を損ねている父・善作(小林薫)と、その矢面に立たされているであろう母・千代(麻生祐未)のことが心配になってくるのだった。

その時、妹・静子(柳生みゆ)から電話がかかってきた。彼女は驚くべき事件を報告し、すぐに岸和田に帰ってくるよう伝えるのだった。

静子によれば、糸子の神戸行きを知った善作は激怒したという。予想通り、一番立場の弱い千代に詰め寄った。それに対して、家族の女たちは全員一丸となって善作の前に立ちふさがり、千代をかばった。家庭内に一触即発の緊張がみなぎった時、善作は諦めたように部屋を出ていった。
そして、店の売り物を全て持って、行方をくらましたという。
夕食になっても善作が帰って来ない。あんな父親であっても、家族は全員善作のことが心配になってきた。

その時、店の方から大声が聞こえたかと思うと、善作は上機嫌で帰ってきた。
なんと、糸子のためにミシンを入手してきたのだ。

その話を電話で聞いて、糸子は翌朝一番で岸和田に帰った。
ミシンに対面した糸子は嬉しかった。しかし、立派なミシンとは対照的に売り物が全てなくなった呉服屋の様子を見て、少々物悲しくもあった。
父にさっそく礼を言う糸子であったが、善作は照れているのか、まともに取り合わなかった。

ぼんやりしている暇は無いので、糸子はさっそくミシンで作業を開始した。
呉服屋が洋裁をするのはきまりが悪いので、これまでは2階の部屋で隠れるように作業をしていた。しかし、今日からは店の中で堂々と洋裁を始めた。店の真ん中にミシンが鎮座し、その背後で家族総出で手伝った。
品物がなくて驚く客に対して、善作は悪びれるところもなく、洋裁も始めたと説明するほどだった。

昭和8年(1933年)、元日。
納品を明日に控え、小原一家は相変わらずの大忙しだった。今年ばかりは正月気分を味わうわけにもいかなかった。近所の幼馴染の勘助(尾上寛之)は小原一家の様子を見かねて、おせち料理を持ってきてくれたばかりか、作業の手伝いまでしてくれた。

その甲斐もあって、納品日の早朝に製品すべてが完成した。もちろん糸子は徹夜であったし、家族は今で倒れるように雑魚寝していた。

糸子は勘助に手伝ってもらって、心斎橋百貨店へ納品に向かった。支配人室へ続く階段を登りながら、きちんと受け取ってもらえるかどうか、そればかりを心配していた。

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NHK『カーネーション』第27回

本日発売の『カーネーション: オリジナル・サウンドトラック』の1曲目は「ふたりの糸子のうた」だと知り、これはーーー!!と叫び声をあげた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第27回目の放送を見ましたよ。

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第5週「私を見て」

自作の制服を来た糸子(尾野真千子)は百貨店の支配人・花村(國村隼)の前に飛び出した。判断のつきかねる花村は、糸子を百貨店のあちらこちらに立たせ、印象を確かめた。
そうしていると、一人の客が糸子を本物の従業員だと勘違いし、声をかけてきた。その時、糸子は成功を確信した。

花村からも、すぐに採用の返事をもらった。
ただし、1週間以内に20着を納品することが条件だった。せっかく素晴らしいデザインなので、翌週にせまる新年初売で大々的にお披露目したいというのだ。納品が無理なら、デザイン料だけ支払って、縫製は他の洋服屋に発注すると告げられた。

本心では、糸子も難しい条件だとわかっていた。しかし、この機会を逃してなるものかと、胸を張って請負った。

一刻も無駄にできない。
代金の2割を先払いしてもらったので、そのまま心斎橋で大量の生地を買い、電車で家に持ち帰った。家族全員に生地の裁断を手伝ってもらうことにした。そちらの作業はなんとかなりそうだった。
その時間を利用して、糸子はミシンを貸してくれる所を探しに出かけることにした。

大きな仕事を取ってきたことで、いつも気難しい善作(小林薫)ですら生地の裁断を進んで手伝ってくれた。善作の腕前は信用できたし、何よりも彼の機嫌がいいことに糸子は安心した。裁断の全てを家族に任せ、桝谷パッチ店にミシンの相談に行った。

桝谷(トミーズ雅)は糸子との再会に大喜びし、いくらでも力になるつもりでいた。しかし、年の瀬の繁忙期でもあり、1台しかないミシンはフル稼働だという。どうしても糸子を助けてやることはできなかった。糸子は、パッチ店の職人たちの応援だけを受けて、次を探しに行った。

電話で神戸の祖父母(宝田明、十朱幸代)に相談した。紡績工場を所有し、孫のかわいい祖父がすぐにミシンを都合してくれることになった。岸和田まで輸送するのでは間に合わないので、糸子が神戸に泊まりこんで作業することになった。
岸和田で裁断を行い、妹・静子(柳生みゆ)が電車で生地を搬送、神戸で糸子が仕上げるという計画を立てた。

しかし、その計画に善作がへそを曲げた。義父母と折り合いの悪い善作は、糸子が彼らの元に行くことに我慢ならないのだ。口ごたえする糸子を張り倒し、神戸行きを禁じた。怒った善作は作業も放り投げていなくなってしまった。

八方塞がりになってしまった糸子にやさしく声をかけたのは祖母・ハル(正司照枝)だった。善作の言い分が明らかに間違っていると言って、糸子の味方をしてくれた。善作のことは自分たちで何とかするから、糸子はすぐに神戸へ行けと言ってくれた。
それでも糸子は、踏ん切りが付かなかった。父は機嫌が悪くなると必ず母(麻生祐未)に八つ当たりをする。母が自分の身代わりになることを耐えられなく思った。

しかし、母も心配はいらないと言ってくれた。その言葉に後押しされて、糸子は神戸へ向かった。迷っている時間は全くないのだ。

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NHK『カーネーション』第26回

國村隼といえばサントリーオールドのCM(参考映像)を真っ先に思い出し、それにともなってCMの相手役の伊藤歩のことを思い、彼女は前作『おひさま』で夏子先生役だったよなぁ・・・と遠い目になる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第26回目の放送を見ましたよ。

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第5週「私を見て」

糸子(尾野真千子)は百貨店の制服のデザイン画を持っていったが相手にされなかった。平凡すぎると言って断られたのだ。

しかし、それくらいのことでへこたれる糸子ではない。帰りに大量の婦人雑誌を買い込んで勉強し、休むまもなく新たなデザイン画を描き始めた。しかし、それはワンピースに振袖をつけるなど奇をてらい過ぎており、自分で見ても駄作だった。時間がかかり過ぎると、他の洋服屋に仕事を取られてしまうかもしれない。糸子は焦る一方だった。

八重子(田丸麻紀)が様子を見に来てくれた。彼女に相談しながら、百貨店の支配人・花村(國村隼)に言われたことを反芻した。従業員の制服は目立つほうが良い。一方で、店の象徴となるので奇抜すぎるものはふさわしくない。八重子の助言は「この人に接客して欲しいと思えるものが良い」というものだった。
その一言で糸子は蒙が啓かれる思いがした。和服を基調とした現在の制服はどこかしら地味で、一緒にいてもあまり嬉しくないし、ワクワクもしない。どこか素敵な所へ案内してくれる、そんな期待を抱かせる制服が必要だと考えた。
見ているだけで嬉しくなる制服。そういったものをつくろうと決意した。

糸子は徹夜でデザイン画を描き上げた。自分でも満足できる物ができた。

朝一番で心斎橋に出かけようとしていたところ、家族の誰も起きてこないのに、善作(小林薫)だけが糸子の様子を見に来た。躊躇する糸子にかまわず、なかば強引にできたてのデザイン画を見た。
善作はデザインについては何も言わなかった。その代わり、画などではなく、現物見本を持参すべきだと助言した。「そっちの方が面白い」と。

糸子もその考えに賛成した。しかし、材料を購入する金がない。善作も貸す金は無いという。しかも、失敗したら金を失うことになる。
糸子と母・千代(麻生祐未)は、神戸の祖母(十朱幸代)から贈られてきたガラクタをかき集めた。神戸の祖母は外国の品物を頻繁に送ってくれる。それらは美しく珍しいものなのだが、小原家には似つかわしくない調度品(異国情緒満点の民族仮面など)ばかりで使い道がないのだ。
そういったガラクタを古道具屋に振り払って金を作った。最上級品を買うことはできなかったが、3番目くらいに上等な生地を買うことができた。

材料を手に入れると、糸子は寝食を忘れて見本を手で縫い始めた。一晩かかり、2日連続の徹夜の末に完成した。それは自分でも満足できるできだった。
早速、家族に披露した。家族は異口同音に褒めてくれた。糸子はますます自信を得た。

善作の指示は、それを着たまま百貨店に行けというものだった。制服で突然現れて披露すると効果的だというのだ。糸子はまったくその通りだと思い、すぐに実行に移した。

そのまま隣の履物屋(上杉祥三)に靴を買いに行った。これ以上金は無いので堂々とツケで買った。
岸和田の街をハイヒールで颯爽と歩いた。根岸(財前直見)の洋服レッスン初日に「胸を張って歩け」と言われた時以来であったが、2年前の教訓を忘れずに堂々としていた。

ところが、いざ百貨店に到着すると、糸子は緊張で押しつぶされそうになった。堂々と快活な立ち居振る舞いをしなければ印象が悪くなり逆効果だ。頭ではそう思っていても、支配人・花村に見せることを考えるとどうしても顔がうつむいてしまった。自分を奮い立たせようとすればするほど、背中は丸くなるのだった。

店内の陰で花村が来るのをじっと待った。すると彼が歩いてくるのが見えた。
意を決し、制服姿の糸子は花村の前に飛び出した。

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