サイトアイコン alm-ore

ストーリー・オブ・ラブ

ストーリー・オブ・ラブ 特別版ひじょーに地味な映画であり,原題が”Story of us” なのに邦題でわざわざ “ストーリー・オブ・ラブ“にしているあたりが興ざめですが,my favorite movie であり,見ながら本気で泣いた映画は生涯でこれだけ.

最初に見たのは,オーストラリアに出かけた帰りの飛行機の中.
機内で上映されているのを暇つぶしに見ていた.
いろいろラッキーなことがあって,始めての海外渡航でビジネスクラスに乗っており,のんびりと窓からグレートバリアリーフを眺めたり,隣に座っている某5歳年上なのにどう見ても僕より10歳くらい若く見えちゃう女性の先輩とおしゃべりしたりしていたので,前半はちゃんと見ていなかったけど.
次第に代わりばえのしない太平洋の水平線しか見えなくなったり,隣の若く見えるんだけどおねぇさんな先輩がうとうとし始めたりしたので,僕は映画に集中し始めたわけで.

そして,ついにラストでジーンときてしまった.
しかし,僕も若さゆえの過ち by シャア・アズナブルツッパリっつーのがあって,男は涙を見せぬもの,見せぬもの (「永遠にアムロ」) と,ぐっと涙をこらえていた.
そんなフラストレーションがあったので,DVDが出るや否や購入し,一人で見て,誰に気兼ねすることもなく号泣したわけです.

ストーリー自体は,それほどヒネリもなく,冒頭にも書いたとおり地味なものです.
崩壊寸前の夫婦が,お互いに罵り合いながら,離婚の段取りを勧めるというものです.
子供たちの前では仲のいい夫婦を演じているが,ついに子供たちに離婚を打ち明けるときが来て・・・というものです.聡明な皆さんなら,最後にこの夫婦が別れるのか,よりを戻すのかすぐにわかっちゃいますよね.^^;
それくらい,ありふれた展開で,地味地味です.
#ブルース・ウィリス主演なのに,もちろん銃もアクションも出てきません.

これだけ地味なんですが,ミシェル・ファイファーがめちゃめちゃきれいな所と,随所に出てくるせりふがなかなか洒落ており,そういうところが大好きです.

例えば,
ケイティー(ミシェル・ファイファー)
「私たち家族の歴史は一晩じゃ生まれないわ.メソポタミアでは古い都市の上に新しい町を建てたけど・・・,私は今のままがいいの.(中略; あなたは家のどこに薬があるか知ってるでしょ?朝機嫌が悪くなることも知ってるでしょ) 長年の生活の積み重ねよ.結婚生活は想像以上に大変だけど,いいこともある,あきらめちゃダメ.」(この後,2人とも欠点もあるけど,いい所もあるとか,2人で共有した時間(子育てとか)を話し合える相手は他にはいないなどと繋がる)
当たり前で,なんのひねりもないせりふだけど,改めて言われると(ミシェルの演技もうまいし),心に沁みるわけです.
沁みすぎちゃって,泣けてくるわけです.
#今,記事を書くのにDVDで確認しただけでやばかった.

ところで,
先日,実家からアスパラガスが大量に送られてきた.
それを茹でて,マヨネーズと醤油をかけて大量に食べた.
その翌日,この映画のことを思い出した.

ケイティー(ミシェル・ファイファー)
 「クロスワードパズルって安心できるの.必ず答えがあるから」
ベン(ブルース・ウィリス)
 「ああ.だが肝心な問いにはないぞ.例えば,神の存在とか,人生の意味.アスパラガスを食うと小便が臭いのはなぜ?」
ケイティー
 「アスパラギン酸のせいよ」
ベン
 「それで安心できる?」
ケイティー
 「重大な問いには答えがないから,小さな問いに答えを出して安心するの」

アスパラを食べた翌日,仕事でちょっと大きな問題を抱えたままトイレに行った.
そのとき「これが,アスパラギン酸の匂いかぁ~」と納得し,この映画のことを思い出し,仕事の問題のプレッシャーが少し軽くなって,よい気分転換になった.
#ただし,気分が良くなっただけで,仕事の問題が解決されたわけではないことには注意を払う必要がある.

閑話休題
ラストシーンでひとしきり泣いて,やれやれエンディングと思っていると,もう一回泣かされます.
そこがまた憎い映画です.

ベンが「今,自分が考えている7つの単語からなる文章を当ててみろ」というクイズをケイティーに出題します.
ケイティは “And they lived happily ever after” (「彼らはその後ずっと,幸せに暮らしました」~童話の決まり文句「めでたし,めでたし」)と回答します.
ところが,これは6単語なのでハズレです,一個足りない.


ケイティが
“And they lived mostly happily ever after” (「彼らはその後ずっと,まずまず幸せに暮らしました」)
と訂正して正解となりました.

「無理しないでやっていきましょうや」ってことで,夫婦としてとてもよい決意の言葉だと思います.

モバイルバージョンを終了