以前,TVのトークショー(おそらくは,「笑っていいとも」のテレフォンショッキング)で,大槻ケンヂ(元 筋肉少女帯)が,次のようなことを言っていた.
「ライブの前って,家を出るときから気合を入れて,自分を盛り上げるじゃないですか.若い頃(まだ,売れてない頃),実家に住んでいたんですけど,”よしっ,これからライブで一発キメて来るぞ”と家を出ようとすると,母親が声をかけてくるんです.『ケンちゃん,出かけるの?ご飯はどうするの?もう作っちゃったから,食べていきなさいよ.ケンちゃんの大好きな○○よ』って言うんです.こっちは,気持ちが高ぶってるのに,その一言で一気に冷めちゃうんですよぇ」
さてさて,実家生活2日目.
昨夜,知り合いに暇はあるかとメールを入れておいたら,今朝返事が来ていた.
今日の午前中のみ空いている,と.
すぐに身支度をすませ,お茶をしに行くことになりました.
相手は,今や夫1人,娘1人の専業主婦な女の子.
今年三十路で,子供もポロッと産んでるくせに,どっから見ても19,20歳くらいのギャルだし.
身支度にも気合が入るってもんです.
#つーか,気合は入っても,僕は基礎土台が失敗しているので,どうしようもないんだけど.
そんなとき,母親がこう言うわけです.
「ご飯食べないの?カレーあるよ.」
ああ,大槻ケンヂの気持ちがよくわかった・・・.
時間もなかったし,どーせ食事するなら女の子と一緒の方がいいわけで,食べずに家を出たわけで.
そんな経過を経て,女の子と喫茶店でお茶してきたわけで.
つーか,いくら相手がギャルだろうと,15年間ずーっと「かわいいなぁ」と思ってきた相手だろうと,タイトルが「密会」だろうと,健全に家族の話とか共通の知人の話とかして帰ってきたわけで.
ちょっぴり醜聞を期待していた人には申し訳ないわけで.
つーか,その子は,今でこそ結婚して姓が変わってしまったけれど,旧姓は僕と同じ「木公」だったわけで.
あるとき,クラスメートになって,同じ苗字だったので,「僕が兄,彼女が妹」という義兄妹の契りを交わしたわけで.
なにかトラブルがあったときには,一番最初に電話をかける相手なわけで.親身に話を聞いてくれる優しい妹なわけで.
僕にとっては,実の家族以上に大切な家族なわけで.
彼女には,幸せになってもらいたいわけで.
ところで,母親の作ったカレーを食べずに家を出,喫茶店で空腹のままコーヒーを飲んだら,お腹が痛くなった.
帰宅して「なんか,お腹に入れなきゃ」と思い,筋肉少女帯の「日本印度化計画」(筋少の大車輪に収録)を口ずさみながら,母カレーを食べた.
「密会」といえば,密会―アムロとララァっつー小説もあったな.
シャアが孤児院のララァを拾い,ララァが死ぬところまでのお話.