変わった所,変わらない所

学生の頃,5年ほどアルバイトをしたコンビニが保育園になっていた.弱小コンビニで,僕がバイトしていた時からいつ潰れてもおかしくなかったんだけど,ついに幕を閉じちゃった様子.お世話になった店長に挨拶に行こうと思っていたのに,果たせなかったのがすごく残念.
建物はそのまま利用されていたので,いろいろな思いでは蘇ってきたけれど.

地下鉄のドアに貼ってある「ドアに指を挟まないように」と注意を促すステッカー.漫画いいひと。―For new natural lifeでも,ヒロイン(なのか?)妙子がちょっと落ち込みながら地下鉄に乗るシーンで,このステッカーがこっそり登場.札幌人的にはにんまりなシーンだったり.知っている人は知っている,熊が指を痛めて「いたいよー」と涙を流しているステッカー.このステッカーがいっせいになくなっている様子.残念.
夏の風物詩,地下鉄の風鈴は相変わらずチリチリと鳴っていたけれど.

札幌駅そばの居酒屋うおや一丁の,これまたいいひと。―For new natural lifeで,妙子ちゃん(この子好きだったな)が遠距離恋愛中の彼氏(主人公)に「札幌に帰ってきたら,いっしょに食べようねー」とFAXを送ることで有名(?)な”一丁サラダ”.2人じゃ絶対に食べきれない,アホみたいに大量のサラダなんだけれど,メニューから消えていた.その代わりに”一丁海鮮サラダ”とか何とか言うのがあった.そんなのしらねーよー.
夕方から入店し閉店まで粘り,友人と夢を語り合ったり,気に入らないことをグチりあったり,雰囲気もへったくれもないお座敷なのに同席の女の子が普段より30%増量でかわいく見えたり,悩み事を打ち明けたり打ち明けられたり,ホッケを食べたり,食べきれずに残したり,割り勘であってもオゴリであっても店への支払いは僕であったり,そんなにうまくもないし騒がしいんだけれど「またここで会いましょう」という約束をしたくなったり,とにかく思い出いっぱいで,これからもここで思い出ができると思うけれど.

北海道の政治経済の中心地であり,人口も多いし,観光客もいっぱい.街を歩けば人に当たる.もともと人ごみとか町の喧騒とかが好きなタイプじゃないけれど,札幌の人ごみは何よりもまして嫌いだった(東京とか大阪の人ごみは,それなりに「にぎやかだなー」と思えるんだけれど).予備校時代とか就職活動中とかその他の時期とか,いろいろ将来に対する不安があったり,自分の生活ってなんなんだろうと考え込んだりしたとき,よせばいいのにフラッと街を歩いたりすることが多かった.周りを見渡すと,仕事の第一線で活躍している人とか,幸せそうな親子連れとか,公園の木陰で幸せそうに昼寝をする人とか,なんのしがらみもなく旅行を楽しむ人とか大勢目に入るわけで.「なんだよ,テメーら」と,彼らには何の罪もないのに,僕から敵視されたり.
論理が破綻しており,どうして前パラグラフから次のような結論が導かれるのかは,誰にもわからないと思うけれど,僕的にはOKなわけで.
つまり,何が言いたかったかというと,人はたくさんいて,それぞれ思うところがあって,賛成できるところや合意できないところがあるわけで,「おいおい,アンタからそんな話を聞きたくなかったよー」と打ち明けられ話で気が重くなったり,「こんなことがあってさー」と打ち明け話をして自分は気が楽になったけれど相手はきっと重荷を背負っただろうなぁと気持ちを察してみたり.だけど,最後には「馬鹿だねー,俺たちって」って笑い飛ばすことができて,何年か後に「あの時馬鹿だったねー」って酒の肴にできるわけで.

そういう気分にさせるのも,そういう友達がいるのも,思い出がいっぱい詰まっているのも札幌という街だな,と.

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