ちょうど1週間前、「タモリのジャポニカロゴス」を見ていた。
石坂浩二が出演し、「娘の結婚披露宴に参列し、両家を代表して挨拶する父親」というお題が与えられて、彼が即興でスピーチをしていた。
「お前の誕生日は、お前の母の日でもある。お前の母がいて、彼女が苦しんだ上で、お前を生んだのだ。だから、お前の誕生日には、母のことを思い出しなさい。
お前の夫となる人の誕生日は、夫の母の日でもある。夫の母がいて、お前の夫がいることを思い、感謝しなさい。」
といった趣旨のことを話していた。
ちょっと感動した。
今日は僕の誕生日。
しかし、石坂浩二のスピーチは思い出しつつも、別に自分の母親のことは思い出さずに過ごす。
むしろ、女性一般のことを思い出し、生殖のことについて思いを馳せていた。
とはいえ、思春期の男子にありがちな「やりてー、やりてー」という、闇雲な性への欲求ではないけれど。
女性の性周期というか、生理のタイミングと受胎可能な時期を、さりげなく知る方法はないものかと、同僚な人と1時間くらい、ミーティング室で一生懸命話し合った。もちろん、「安全日に生でできたら最高だよね!」とか、そういう下衆な目的ではなく、あくまでとある研究の目的のため。
そんなこんなで、「とりあえず、4回アレして、それをゴニョゴニョすりゃいいんじゃね?」という結論に達して、自席に戻った。
なんか、僕のキーボードのスペースキーを、スパイダーマンが押してるし。
ていうか、スパイダーマンって本物を見たことはないけれど、手から粘着力のある糸を出すし、彼が触った所ってベタベタしそうだよね。ヤな感じ。
脇によけて、気づかなかったことにして、仕事、仕事。
しばらくすると、某ヤクザっぽい人が、僕の席に近づいてくる。
曰く
「そのスパイダーマン、いいだろ?コーヒーのおまけ。やる。」
とのこと。
アンタかい?アンタなのかい!?
しかしまぁ、僕の誕生日だと知って、彼なりに粗品を進呈してくれたわけなので、許す。
スパイダーマンのフィギュアは、さすがにベタベタする糸が出ないし、キーボードも無事だったから。
つーか、今日が僕の誕生日だと彼が知ったきっかけは、僕の机の上に載っていた、これ↓。
スパイダーマンにさかのぼること数時間前、彼は目ざとく、僕の机の上のムシキング文房具セットを見つけた。
「お、ムシキングじゃん。ウチの息子がこれ好きなんだよねぇ。あぁ、そうなんだ、誕生日プレゼントなんだ・・・」
と、非常に物欲しそうな視線を僕に向けてくる。
あげないから。
僕が誕生日のプレゼントとして、もらったんだから。
朝来たら、いつかの「ガンダムコースター」や「シャア専用電話メモ」や「シャア専用ザク PEZ」のように、机の上にこっそりと、かつ、最高の自己主張で置かれていたんだから。
どこのどなたか存じ上げませんが、いつもありがとうございます。
なお、某ヤクザなような人は、6月にお誕生日です。
「俺、そういうの一度も会社でもらったことがない」
と、タバコを吸いながら、遠い目でつぶやいていました。
このままでは、いつ僕に八つ当たりされるかわからないので、彼にも愛の手を差し伸べてあげてください。