大学1年生のとき、生まれて初めて unix system に触れた。1994年ころの話か。
Microsoft Windows 3.1 が普及し GUI インターフェイスに慣れ親しんでいた当方にとっては、コマンドライン主体の操作体系にちょっと面食らった。
ls と cp と exit のコマンドを覚えるのが精一杯で、あとは X が一応動いたので netscape を起動して web browsing に使ってたくらいか。
その後、諸先輩方が華麗にコマンドを打つ姿を横から覗き込んで、やっとのことで追加 3つのコマンドを覚えた。
oneko と nethack と sl。
oneko については、以前に書いたので、そちらを参照。
nethack というのは、wikipedia にも詳しい説明があるが、今で言うところの「トルネコのダンジョン」か。
毎回ランダムに生成されるダンジョンの中をひたすら探索するという、RPGゲーム。
これまた以前に書いた記事に登場する理学部のおねぇさんがものすごく熱中して遊んでいた。仲間の中では「nethack の女王」とかなんとか、名誉なんだか、不名誉なんだかよくわからない称号まで付いていた。
みんながあまりに nethack で遊ぶもんだから、助手の先生から nethack アンインストール処置が何度もとられたが、そのたびに誰かが再インストールしてこっそり遊んでいた。
#ただし、僕は vi のカーソル移動と同じキー操作が覚え切れなくて、遊べなかった。
そして、sl である。
これ、ユーザからあまりに不評だったために、僕がマシンを使い始めたときにはすでに消されていた。
噂だけは聞いていたのだが、一度もお目にかかったことがなかった。
それから10余年。今日、初めて sl にお目にかかった。
sl と聞いて、ピンと来る人は来るだろうが、ピンと来ない人のために説明しておくと、sl とはもちろん steam locomotive、つまりは蒸気機関車のことである。
なぜ、コンピュータで SL なのか。
ヒントは、この記事の2パラグラフ目に既に書いてある。
ファイルのリストを見るためのコマンド “ls” と “sl” は文字が入れ替わっただけである。
ls というのは、ファイルリストを見るために、そりゃもう頻繁に打ち込むコマンドである。
同時にまた、少なくとも 5%くらいの確率(当方の経験)で “sl” と打ち間違えてしまうのである。
通常なら “command not found” とか言われてすむところなのだが、あえて “sl” というコマンドを作って、タイプミスした人をいじめようというのが、slコマンドである。
今日やっと、sl のソースが配布されているのを見つけたので、早速自分のマシン(当blogのサーバ)に入れた。
その行動に意味を求めてはいけない。
あえて言うなら、噂で聞いていた sl コマンドをこの目で確かめてみたかったのだ。
【実行写真】
BEFORE
※画面の処理(chkconfig –list)に意味はありません。安倍晋三同様に意味のないタスクを実行しているだけです。
キー! ムカツク! 俺はファイルリストが見たいんだよ!
・・・でも楽しい。