ありがたいことに、5日ほど渡米なるものをさせていただいておりました。
その間、11日に行われたWBC世界フライ級タイトルマッチ 内藤大助 vs 亀田大毅 がいろいろと香ばしいことになっていたようで。
ボクシングそのものよりも、舌戦の泥沼の方が注目を集めているとか、いないとか。
ボクシングの試合では内藤の圧勝だったようですが、舌戦においても、口下手とはいえ内藤の”オトナの対応”が好感をもって受け入れられているようですね。
そんな中、さきほど帰宅して、大好きな作家であるところの森見登美彦のブログ “この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ“でも、プチ Amazon 場外乱闘が発生していることを知る。
だが、『奈良県民が京都を舞台に描くなど故郷の奈良山へ戻ればいいものを』というのはどういうことだ。この一節は『奈良県民が京都を舞台に描くなど(生意気である。したがって)故郷の奈良山へ戻ればいいものを』ということではないか。奈良に生まれた人間は、奈良から出てくるなということか。腹の内でそう思っている人もいるだろうが、しかし、よくもまあ!よくもまあ!
「登美彦氏、抗議する。」
(リンク先削除済み)
レビューの内容を一言で要約すれば
「森見のネタは京都ばっかりで、もう飽きた」
というもの。
細かく見ていけば、「お前は、山村美沙か?」とか「一部の熱狂的ファンが持ち上げてるだけ」とか「3年もすりゃ忘れられてる作家」だとか、かわいそうなことがたくさん書かれてる。
#ちなみに、かわいそうではあるが、このレビューアーの意見には大筋で同意している僕がいる。
で、「奈良県出身の分際で、京都をネタにするな」といった趣旨のことが書かれており、その部分に森見がキレたのが上の引用。
プロの作家が、読者の無責任なレビューをいちいち相手にしてても仕方ないのに、とは思うが。
その一方で、彼は内心では怒髪天を衝いているだろうに、堪えて”オトナの対応”をしているところを、ちょっといじらしく思ってみたり。
詳しくは、森見の本文(リンク先削除済み)を読んでいただきたいのだが、山村美沙だのすぐに忘れられるだのという部分は軽く流している。
その、スルー力たるや。
それらを軽くいなして、「奈良県出身うんぬん」のところで爆発させている。
その “溜め” に、さすがと思わされてしまった僕がいる。
そう思いつつも、彼の心情に同情しておくことにする。
ちなみに、「有頂天家族」は今回の渡米中に飛行機の中で読んだ。
京都を舞台にした、奇妙奇天烈な「森見ワールド」は健在。
むしろ、そのバカバカしさと「うる星やつら」のようなドタバタ劇は円熟の域に達していると言わざるを得ないだろう。
でも、正直に言えば、「夜は短し歩けよ乙女