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禁煙・・・、できた。

10月29日に半信半疑で「禁煙セラピー」を読んだ

同書には「長くても三週間で完全にやめられます。」と書かれており、今日がその3週間の運命の日である。

結論から言うと、その10月29日を最後にタバコを吸っていない。
とりあえず、「禁煙成功」と宣言しておく。

一般的に、禁煙に成功すると「おめでとう!」なのだろうが、僕自身にとってはあんまりおめでたい気がしていない。
想像よりもはるかに容易に禁煙できてしまった(これといった禁断症状もなかった)ために、感慨が沸かないないせいかもしれないが。


その上、タバコを吸わなくなって良いことがあったかというと、別にない。
女の子にモテるようになった気配はないし、節約したタバコ代はたいていガムとか飴ちゃんとかに転化されている。

女の子にモテるようにならなかったことも期待はずれだが、もっと困った問題が起きはじめている。

それは、嗅覚と味覚の鋭敏化だ。
香りや味に敏感になったといえば「違いのわかる男」っぽくてカッコいいのだが、困ったことに鋭敏化の非対称性が発生している。

良い臭いや味に対する敏感さはあまり増えていないにも関わらず、悪い臭いや味に対してとても敏感になったような気がするのである。

今までは、平気でマズイとも(そして、特にウマイとも)思わずに食べていたジャンクフーズが、正常に(?)マズく感じられるようになってしまった。
そのくせ、ちょっと奮発して良い食材を使っているレストランに出かけていっても、別段その繊細な味わいがわかるわけでもない。

「禁煙したら、食べ物が美味しく感じられて、どんどん太る」という通説は、少なくとも僕にとってはうそだと思う。
安くてマズいものは一層マズくなるから食べる気がしないし、高くて美味しそうなものは値段相応に美味しく感じられないので、やはり食べる気がしない。
その結果、当方は慢性的に食欲の低下が発生している。

きれいな女の子はいい香りがすると相場が決まっているらしい。
しかし、目の前をきれいな女の子が、うわっと髪を僕の鼻にまとわり付かせながら通り過ぎていっても、別にいい香りがするとは感じられなかった。
その代わり、朝の京都行き近鉄急行のラッシュアワーでそばに立っていたおっさんの加齢臭はイヤというほど嗅がせてもらった。

今まで、マズイ食べ物も嗅ぎたくない臭いも、タバコの刺激がうまい具合にフィルタリングしてくていたのかと思うと、ちょっと取り返しの付かないことをしてしまったんじゃないかと思ったり、思わなかったり。

タバコを吸っている人間と、吸ったことのない人間との違いは、喫煙行為に関する経験談を語れるか否かだろう。
当方は語れる。

タバコをやめた人間と、タバコを吸い続けている人間との違いは、タバコをやめるプロセスの経験談を語れるか否かだろう。
当方は語れる。

そういう意味で、人生の経験値が上がったと思えば、腹も立たなくなってきた。
タバコとは縁のない人からすれば、とてもちっぽけで無意味に思えるかもしれない経験なのだけれど、喫煙者にとっては人生の一大イベントで、とても興奮する人生のエピソードなのだよ。
そういう武勇伝ができたのは、ちょっと嬉しい。

ちなみに、「酒と煙草とオンナと俺と」という題でまだまだたくさん続きを書けそうな気もするが、読者にとって他人の青臭い恋愛話ほど面白くないものはないということを知っており、それは書かないことにするのがお互いのためだと思っていたり、いなかったり。

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