もう20年近く前の作品。
公開当時「元シブがき隊のモックンこと本木雅弘がコメディ作品に」と話題になったような、ならなかったような。
よく覚えてないけど。
古きよき80年代の映画で、今から見るといろいろと笑けた。
「ウッソー!」だの「シティボーイ」だのといった台詞をはじめ、肩パッドがバリバリのジャケットとか、肩からカーディガンを羽織るおっさんとか、妙に太い眉毛とか出てきて、当時を懐かしめる年代の人々にとっては爆笑のオンパレード。
ていうか、そういう時代背景の細部だけじゃなくて、禅寺に入門した若い修行僧たちの目を通した俗世への未練とか、修行のややこしいお作法から来る困惑とかで笑わせてもらえるんだけれど。
でもやっぱり、20年の時の流れってのを考えながら見ざるを得なかったけど。
監督の周防正行はその後『Shall we ダンス?』がバカ売れして、ハリウッドでリメイクまで作られて。おまけに、その映画のヒロインだった草刈民代まで娶っちゃったり。にくいね、このっ。
そして、フジテレビF1レポーターの川井一仁と結婚しちゃったり離婚しちゃったり、現在は石橋貴明の妻として芸能界は引退してしまったし。
まるで女優のジェットコースターや~!(彦麻呂風)
彦麻呂って、なんだか濃いめ芸風だし、見るからにオッサンだし、生まれたときから中年だったのではないかと疑惑を抱いてしまう。
彼にも若い頃はあったんだろうか?
20年の時の流れは残酷だ。
さてさて、主演の本木雅弘といえば、ヌード写真集を出版したり、コンドームを首からぶら下げて紅白歌合戦に出演するとか、内田也哉子と結婚して内田家の婿養子になるとかいろいろと話題を振りまいている20年なのだが。
その後の活躍の原点を、『ファンシイ ダンス』の中に(むりやり)見つけることができた。
ギャツビーのCMでは、モヒカン姿を披露しているのだが・・・
サントリー伊右衛門のCMでは和服姿がきりっと決まってますが・・・、
この映画で一番好きなシーンは、主人公の陽平(モックン)が所作の美意識に目覚めたことを告白するシーン。
バカバカしいお作法だと思っていたのだけれど、指先1本1本まで神経を集中させて所作を行うと、そこに美があるということをいうシーン。
ダンスや体操で自分の体をビシッとコントロールできるとなんとなく嬉しくなっちゃうけれど、それと同じことが伝統的なお作法の世界にもあるんだろうな、と。
決められた所作通りに自分の体を動かすことができたら気持ちいいんだろうし、それが日常生活のすべてにあるってことは、1日中快感を得ながら生きられるってことかもしれない。
お作法って、実は堅苦しいことじゃなくて、エクスタシーの塊なのかも。