最低賃金は、労働者に最低限の生活水準を補償するために設けられている制度。
しかし、賃金単価が上がることで企業は労働者を雇いたくなくなるので、失業が増える。
また、今すぐ働くことのインセンティブが高くなる。つまり、教育を受けて将来高い賃金を得るように努力するよりも、最低賃金法のオマケが付いた賃金を今すぐ貰ったほうが良い。だから、職業訓練を受ける人が少なくなり、非熟練者が増える。
さらに、こんな問題も。
最低賃金労働者のすべてが、家族を貧困から脱出させようと努力している所帯主であるわけではない。実際、最低賃金を稼いでいる人のうち、所得が貧困ラインを下回る過程の人間は3分の1未満である。彼らの多くは、余分に支出するお金が欲しくてパートタイムの仕事で働いている中流階級の家庭の若者なのである。
『マンキュー経済学: ミクロ編 (2版)』 p.169
一律に最低賃金を決める(中流階級の最低賃金も高まる)よりも、所得の少ない人に政府が補助金を与える(本当に生活できない人だけを助ける)のが、より良い方法だ。