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「男はつらいよ」(第1作)を見た

ここしばらくの間、ドラマ「ちりとてちん」とか、映画「同窓会」とか見ているうちに、泣けて笑える人情コメディが空前のマイブームとなっている。

この波に乗って、人情コメディの雄「男はつらいよ」(第1作)を見た。
第1作の公開日は1969年8月27日で、ちょうど40年。公式サイトも派手になってるし、イベントもたくさん開催されてるみたいだし、HDリマスター版という新しいDVDも出たばっかりらしい。
#DVDが発売されたけれど、僕はレンタルしてきて見た。

やはり国民的映画だ。ものすごく面白く見ることができた。
上映時間が91分であり、現代の映画の一般的な尺(およそ2時間)に比べればそもそもが物理的に短い映画なのだが、のめり込んで見てしまい、1時間半があっという間だった。

「男はつらいよ」と言えば、旅先からふらっと柴又に帰ってきて騒動を起こし、妹のさくらを困らせ、ついでに寅さんが失恋するというプロットがお約束。一度も映画を見たことがない人でも知識としてこのことは知っているだろうし、僕も一応知っていた。
でも、まさか第一作から脈々と同じ筋書きだとは想像しておらず、軽くビックリ。
この様式美が、魅力のひとつなんだろうけど。
#水戸黄門の印籠とか、ウルトラマンのカラータイマーとか、KISSのジーン・シモンズの血糊とか、そういう様式美は嫌いじゃない僕である。

また、このシリーズでは全国各地がロケ地になることで有名だけれど、第一作では奈良が舞台だった。東大寺周辺で、二月堂(だと思う。僕はそこに行ったことがないからわからない)とか浮き御堂なんかが写ってた。あと、奈良ホテルのエンタランスも出てきた。
#ちなみに、谷崎潤一郎は「細雪」の中で、奈良ホテルをボロクソに書いてたと記憶している。

まぁ、そんなこんなで、楽しみどころは満載だったのだが。
しかし、それらを凌駕して、僕が良い意味で裏切られたのが、倍賞千恵子が演じる妹・さくらだ。


1974年生まれの当方が物心ついた時の倍賞千恵子といえば、すでに干し柿みたいなオバちゃんだった。

それが、1969年のカメラに収められた倍賞千恵子は、すげぇ可愛いんだよ

倍賞千恵子は1941年生まれらしいので、このときすでに20代後半。
しかし、20歳そこそこに見えてしまう色白ベビーフェイス。惚れたねぇ。
そして、つぶらな瞳に利発そうな眉。イチコロだったねぇ。

その上、僕が完全にKOされたのは彼女の横顔。
額から鼻、あごにかけて波打つラインのなだらかさは僕の理想だ。ため息なしには見ることができなかった。
もしくは、前頭から後頭に描かれる弧の美しさったらない。後ろでまとめられた髪の豊かで艶やかなことよ。

倍賞千恵子を抜きにしても、「男はつらいよ」はとても面白かったので、48作全制覇にチャレンジしたいと思う。
しかし、先を進むにつれて、倍賞千恵子が年老いていくのかと思うと、ちょっと悲しく思う僕がいる。

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