当方も人の子なので、秋になると、とかく人恋しくなったり、ロマンチックになってしまったりする。
そんな矢先『P.S. アイラブユー』という、胸キュンな恋愛映画が大ヒット中だと知ったので、見に行ってきた。
アホな子が、アホはアホなりに一生懸命生きてるストーリーってのは、見ていて愉快だし、心が温かくなるし、ちょっぴりホロリとくる。そんな、良い映画だったと思う。
あるところに、たいへん仲睦まじい夫婦がいた。30歳前後のふたりは、少々の口論はあるけれど、夜眠りに着くころには元通りの仲になってしまう。
そんな幸せの絶頂に、夫が病気で亡くなってしまう。妻はショックのあまり、塞ぎ込んで家の中に閉じこもってしまう。ところがある日、生前の夫の声が吹き込まれたテープが送り届けられ、彼女に何通かの手紙が届くことが予告される。
手紙の指示に従って行動するうちに、妻は夫の死を乗り越え、人生の再出発を遂げる。
ざっとあらすじをまとめると、ありがちなお話ではあるが。しかし、実際に映像を見ると、テンポの良い展開や、シャレたジョークが満載でまったく飽きさせない。
そして、僕は、全編笑いっぱなしだった。事前に泣けそうだという予感があったので、ハンカチを忘れないようにもって行ったのだが、それで目をぬぐうことは無かった。むしろ、笑いすぎて口の回りにたまったヨダレを拭いたほど。
ただし、脇役たちの台詞の中には、ちゃんと泣かせるようなモノもある。僕は何とかこらえたが、周りからはズルズルとハナをすする音が聞こえてきた。
大枠で捉えれば泣き笑いのラブストーリーなのだが、僕のように笑いの側面だけに注目してラブストーリーとして見る事もできるだろうし、周りでハナをすすっていた人々のように繊細な人情話として見る事もできるだろう。奥が深い映画だと思った。
そして、アホの子がけなげに自分の生きていく道を模索する姿は、愛おしい。
あと、後に妻の生きる糧となるあのグッズは、よくよく思い出せば映画の冒頭からさりげなくスポットライトが当たってるし、縁語も台詞にたくさん出てくる。細かい気配りが利いてて好感触。
DVDが出たら、自宅コレクションしておいてもいいかなと思ってる。
#徳永英明の日本語版特別主題歌はいらんかった。