北海道の名付け親・松浦武四郎記念館 @三重県松阪市

松浦武四郎記念館の表札本日、ケータイ国盗り合戦というゲームのために、三重県を1周していた。

松阪市付近で国道23号線を南下中、「北海道の名付け親 松浦武四郎記念館 1.0km →」という看板を見つけた。今日はストイックに周るつもりで、コンビニでのトイレ休憩以外、食事すら車内で済ましていたのだが、道産子の当方としては「北海道の名付け親」という称号を見てしまった以上、素通りすることはできなかった。
そんなわけで、松浦武四郎記念館に立ち寄った次第。

松浦武四郎とは幕末から明治にかけて生きた人で、役人として蝦夷地に赴任し、アイヌ語地名(アイヌとは北海道の原住民族)をもとに、同地の地名を決定し地図を作ったそうだ。その時に、北海道という名称も彼が考案したらしい。「カイ」とはアイヌ語で「この土地で生まれた者」という意味があり、「北のアイヌ民族が暮らす大地」という意味を込めたと言われている(同館のパンフレットより)。

武四郎は、松阪市小野江に生まれたそうで、記念館も同地に建てられている。地元の有志が作った民間施設かと思ったら、なんと市営施設。ていうか、玄関の表札を見るとコミュニティーセンターと併設であり、「どちらか一つだけでは予算が通らなかったんだろうなぁ」などと香ばしい想像がはたらいてしまう。

松浦武四郎記念館の外観

1994年に開設されたそうだが、建物はずいぶんきれいなまま。駐車場も広い(ていうか、周りは畑ばっかり)。観覧客は僕だけだったのだが、これは、大型連休中とはいえ、今日は暦上は平日だから・・・と思っておくことにする。


建物に入って最初に目を引くのは、エントランス・ホールの床にはめ込まれた「東西蝦夷山川地理取調図」。武四郎が作成した地図の複製が描かれている。ちなみにこれは、北大の図書館に収蔵されてるっぽいね(同一のものかどうかは不明)。

東西蝦夷山川地理取調図

かがみこんで、かぶりつきで眺めていると、事務室からおっちゃんが出てきて、暇そうに人なつっこく話しかけてきてくれる。以下、おっちゃんと当方との一問一答。

おっちゃん「どこから来たの?」
木公「今は京都に住んでますが、出身は北海道です」
おっちゃん「へぇ~。北海道のどこ?」
木公「苫小牧です。苫小牧もちゃんとあるんですねぇ。感激です」

トマコマイ
(クリックで拡大。当時はまだ漢字が定められていなかったようだ。カタカナで書かれている)

おっちゃん「私もねぇ、北海道に行くときは名古屋からフェリーで苫小牧に上陸しますよ。帰りは飛行機だけど。えへへ。で、どうしてここに来たの?」
木公「いや、道を走っていたらたまたま見つけて・・・。」
おっちゃん「そうでしょ?よくね、北海道の人があの看板を見て来るんですよ。」

僕が直接話をしたおっちゃんは一人だけれど、事務所には4人くらい人がいるから気をつけろ。仕事の割りに人数が多くて、きっと暇なんだろうと思うけど僕のような見学客にも、忙しい手を休めて皆さん事務所から出てきて、ニコニコと取り囲んでくれた。
非常にアットホームな感じだ。特に、事務所の中は非常にアットホームで、当方が窓口の前でお金を払おうとゴソゴソしていると、事務所の中から「北海道出身とちやうか?」などと、当方のことを値踏みする声も聞こえたりして、他人に興味を払わない都会の冷たさとは違う余計な詮索人のまごころを感じた気がした。

主な展示物としては、武四郎の年代譜パネルやオンデマンドビデオ(10分×3本)のほか、当時の書や絵などが飾られていて、まぁフツーの展示場。特に興味は惹かれなかったので、一瞥して終わった。

唯一興味が惹かれたのは、アイヌの衣装とマスコットキャラ。
北海道外でアイヌの民族衣装が見れるとは思ってなかったので、ちょっと懐かしかった。懐かしかったんだけれど、よくよく考えてみたら、写真などで見たことはあったけれど、着れる状態で置いてあるのは初めてで、ちょっと驚いた。
#なんか、気分がしらけていたので着なかったけれど。

アイヌの衣装とマスコットキャラクター

そんなわけで、道産子としてあんまり楽しめる展示はなかったけれど、松浦武四郎という人物の存在を知ったことは収穫だった(そして、基本的なことはネットで調べりゃおよそわかった)。
誰かが「松阪牛おごってやるから、松坂行こうぜ」って誘われて、時間に余裕があったら、ギリギリ再訪してもいいかな、って感じ。

松浦武四郎記念館
住所: 三重県松阪市小野江町383
TEL: 0598-56-6847 / FAX: 0598-56-7328
E-Mail: matsutake.k@city.matsusaka.mie.jp
開館時間: 9:30 – 16:30
休館日: 毎週月曜(祝日の場合は翌日休)、祝日の翌日、年末年始
入館料: 300円


より大きな地図で alm-map を表示
駐車場: 20台くらい(無料)

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