右手を顎にそっと沿え、優しい顔をしている優美な仏像としてかなり有名(右の写真は、それをモチーフにしたモニュメントで、太秦映画村にあった); 本物は画像検索してみそ)。
弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつ・はんか・しゆい・ぞう)というヤヤコシイ名称でもある意味有名。
「弥勒菩薩」とは、56億7千万年後に現われて衆生を救う予定になっている修行者。「半跏」とは、一方の足を下げ、もう一方をその上にのせるポーズ。「思惟」とは懸命に考えること。「像」とは何かの形をまねて作ったもの。
つまり、「弥勒菩薩半跏思惟像」とは、弥勒菩薩が将来衆生を救うための方法を一生懸命思案している姿をかたどった人形であるということができる。
超有名仏像なので、一度見てみようと思って、京都市太秦にある広隆寺を訪問した次第。
京福電気鉄道嵐山本線(通称「嵐電」)の「太秦広隆寺駅」で降りれば、門まで徒歩30秒(赤信号にひっかかると2分くらい)。嵐電は路面電車であり、もの珍しくもあり、それがまた楽しい。
境内は広いのに、隅々まできれいに整えられている。
門を入って正面に見える講堂の中には阿弥陀如来、地蔵菩薩、虚空蔵菩薩の巨大な仏像があり、なかなかの迫力。お堂の外から覗くだけだったり、メインの参道から離れているせいもあり、見落としがちなポイントだけれど、おさえておきたい。
また、これまたメイン参道から外れるのだが、左手にある地蔵堂の中には、真っ白に塗られた地蔵像が奉られていた。マイケル・ジャクソン好きの当方は、すかさず「マイコォー!驚きの白さ」(当blogの過去記事)と呟いてしまった。なお、マジメな話をすれば、この地蔵さんは腹帯を巻いており、弘法大師(空海)が安産・子孫繁栄を願って制作したと伝えられているので、妊婦さんなどはおまいりするといいかもしれません(ついでに、美白肌効果もあるかもしれないし・・・)。
メインの弥勒菩薩半跏思惟像は、700円の拝観料を払って入場する霊宝殿で見仏することができる。
霊宝殿には30体くらい(未確認)もの大量の仏が4面の壁にそってずらりと並べられていて、圧巻。
(中に1体だけ、当方の恋する愛染明王もあって嬉しかった。ただし、赤い肌の色は完全に落ちていて、真っ黒だった)。
その中で、中央の一番いい席に主役である弥勒菩薩がかざられている。弥勒菩薩専用の畳敷きの祈祷台も作られていて、最高級の扱いであった。他の仏に比べて、ここに滞留する人々の数も多い。
人が引いた隙を見計らって、左方向/正面/右方向のそれぞれからじっくりと観察する。この弥勒菩薩の写真は、向かって右側から撮影したものが多いのだが、確かにそっちから見たほうが一番美しいような気がした(単に見慣れているだけなのかもしれないが)。
そんな感じで、広隆寺で国宝第一号を見学した後、歩いて10分ほどの東映太秦映画村に行ってみた。時代劇のオープンセット(今でも撮影が行われているらしい)を見学できる施設なので、昔から興味があったのが、入場したことはなかった。
新撰組の屯所やら、日本橋のきれいなアーチやら、暴れん坊将軍の白馬やら、辻斬り指導イベントなどをノンビリと見て歩く中、当方の嗅覚が激しく反応。
今さら細かい説明はしないが、茶平工業の記念メダル販売機だ。いつもの調子で、”ALM-ORE” という刻印つきで購入。
あー、楽しい。
もう一つ圧巻だったのは、東映の戦隊モノ(ゴレンジャーとか、ハリケンジャーとか)のリーダーが勢ぞろいしているコーナー。
なんつーか、これを見たら、さっき見た広隆寺・霊宝殿の仏陳列が一気に吹っ飛んだ。ばちあたりながら。
みんなも見に行くといいよ。