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京阪奈そばツアー(1) 京都駅 麺家

僕は「けいはんな学研都市」と呼ばれる地域に居住し、勤務先もこの区域にある。
けいはんなを漢字で書けば「京阪奈」であり、そのこの地域のココロは

京都、大阪、奈良の三府県にまたがる京阪奈丘陵において、文化・学術・研究の新しい『拠点』づくりをめざしてスタートした関西文化学術研究都市(愛称:けいはんな学研都市)。

と示されている(京都府ホームページ: 関西文化学術研究都市)。

今日は世間的には金曜日で、本来なら僕もこの地域で文化・学術・研究業務にいそしむはずなのだが、今週日曜日に花の都・東京で休日出勤をしたおかげで、その代休を取らせてもらうことになった。

世間のみなさまは一生懸命仕事してるんだろうなぁ・・・なんて思うと、自分が休んでいることがどことなく後ろめたくなる。
後ろめたくなって、「よし、汗水流して働いている皆さんのためにも、今日という日を有意義に使おう」と考えた。

しかし、「なんだよ。俺がクソ忙しく働いているさなか、お前一人だけ充実した1日を過ごすなんてムカつく」なんて声があがってくるかもしれない。

人からそのように恨まれるのも嫌だし、人をそのように不愉快にさせるのも僕の本意ではない。
そこで、今日は実にクダラナイことをして過ごそうと思った。
そうすれば「木公はクソみたいな時間を過ごしたけれど、俺は充実した日だったぜ。木公のようなゴクツブシと違って、俺は社会的に有益な人間だ」と人々の自尊心を向上させるお手伝いができるかもしれない。

そこで、どうやってクダラナイ1日を過ごそうかと考えた末、京阪奈3府県でそれぞれ蕎麦を食べ歩くことにした。
ただし、高級な蕎麦を食べ歩くと、やっぱり恨み・妬みをかうおそれがあるので、立ち食いそばもしくはそれに類するそばを食べに行くことにした。わざわざ。

まずは、京都市内に向かって、JR京都駅ホームにある「麺家」を訪れた。


事前に京都の立ち食いそば屋を検索したのだが、意外と少ない。
うちからアクセスしやすい場所として唯一見つかったのが、ジェイアール西日本フードネットサービスが京都駅ホームで営業している「麺家」であった(京都駅構内には「麺串」という姉妹店もあるようだが、串物は本意ではないのでスルーした)。

麺家は、京都駅4/5番線ホーム中ほどに位置している。このホームは、関西の鉄道大動脈の一つである、京都-大阪-神戸を結ぶ東海道線・新快速が発着するホームであり、ずいぶんと人が多い。昼時ということもあったせいか(僕が訪問したのは12:30ころ)、店の前の食券販売機には人の途切れることはなかった。

店内は10人ほどが立ち食いできるカウンター。オバチャンが3人で忙しく働いていた。
立ち食いそばといえば、オッサンのイメージだが、40歳くらいの女性が一人で来店していた。まぁ、この女性もちょっとアレで、「あと1分で電車が来るから急いで!」とかなんとか言ってた。厨房のオバチャンもなんとか努力したけれど、その客は麺をひとすすりするなり、店を飛び出して電車に乗り込んだ。オバチャン3人は、彼女の電車が出発するや
茹でる時間もあるのに、1分でできるはずないやんか。それに、お客さんの順番かてあるんや
と、悪態をついていた。

客の前で、他の客の悪口言うなよ・・・とちょっと思いつつも、裏返せば、先に入った客の注文をきちんと順序どおりに捌くというフェア精神も見て取れるわけで、そういう意味では清々しかった。刻一刻と電車が発着する駅では、彼女だけじゃなくて、みんなが時間を惜しいと思っているんだから。
B級メシの横綱で、いかにパッと食って出ていくかが勝負の立ち食いそばだけれど、そういう中でもかの女性客のように心の余裕をなくした人間にはなりたくないな、と思った。まぁ、俺が代休日で心にも時間にも余裕が有り余っていたという事情もあるけどな!

当方は、えび天そば(430円)をオーダー。
着いた席の目の前が茹で器だったので、オバチャンたちの調理風景をガン見。茹で担当の人は新人さん(歳はくってるけどな)らしく、先輩オバチャンから少々小言をくらっていた。
何が起きたのかわからないが、一度茹でたそばを「それ、ほかさなあかんで」と注意されて、新人オバチャンはせっかく茹であがったそばを捨てたりしていた。茹ですぎたりしたんだろうか?・・・つーか、それ、俺に配膳されるはずのそばだよね?ちょっと時間が延びてしまったが、失敗したそばを食わされるよりはいいかと納得したけれど。

そばの味は、「あぁ、まぁ、駅ホームの立ち食いそばだし」というレベル。
そばも汁もあまり味がしなかった。一方、えび天ぷらはコロモがサクサクとしておいしかった。後半、コロモが溶けだしたころ、汁に甘みが出てきて途端に美味しくなった。ここのそばは、初めから天ぷらをぐちゃぐちゃに混ぜると美味しく食べられそうだ。

食べながら茹で器を見ていると、5つに小分けされていて、うどん3、そば2という配分で利用されているようだ。茹でザルの中にうどんやそばの小片がひっかかっていたので、専用の茹でザルを使わないと、そばの中にうどんが混じったりして困るのだろう。
つーか、いちいちカスは取り除けよ、という意見もあろうが、そこはB級グルメとして雰囲気込みで楽しんだ当方。
うどんの勢力の方が大きかったのは、関西うどん文化のせいかな、とちらりと考えたり、考えなかったり。

なお、券売機ではそばとうどんが完全に分かれているので、事前によく考えて購入すること(店によっては、「かけ」「きつね」「天ぷら」などの具だけを選んで、そば/うどんは口頭で伝えるところがある)。

カウンターに備え付けの紙ナプキンで、ハナをぬぐって店を出る。
目の前のホームから、電車に乗って新大阪に向かうことにしよう。次なるそばを求めて。

麺家の営業時間は 7:00-21:15。休業日不詳。

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