それに異を唱えるのが本書。
確かに経済競争によって何らかの損失は生まれることは認める。
しかし、その損失を低減する方法はあるし、多くの場合に現行制度よりもマシな結果をうむだろうことが説明されている。そして、経済競争によって、最終的には人々の生活が豊かになるだろうことを啓発する。
現代経済学のオーソドックスにして学術的な議論に基づきつつも、男女や年齢の格差、非正規雇用の問題、乳幼児教育の是非などが例題として挙がっていて、わかりやすく興味も持ちやすい仕上がりになっている。
一方で、オムニバス的内容で、いまひとつまとまりに欠けるような印象も受ける。この点を逆に評価するとするなら、目次を見て興味のあるところだけつまみ食いするのにもってこい。
【参考】
大竹文雄のブログ
@fohtake (twitterアカウント)