今年の7月、2週間強の夏休みがもらえることになった。
夏場の節電に協力するため、オフィスをシャットダウンするのだ。
仕事熱心な人々の中には関西や海外に疎開して仕事を続ける者もおり、僕も一時期はその雰囲気に飲み込まれていた。なんだか、自分がものすごく怠け者のように思えて、気が引けたのだ。しかし、「いやいや。こんなチャンスはそう有るものでもない」と思い直して、夏をエンジョイすることにした。
しかし、夏をエンジョイするための具体的なアイディアは全くなかった。
ここ2週間ほど、昼休みの食堂で、オフィスのみんなと僕の夏の過ごし方を相談するのが定例となった。
いろいろなアイディアが出たのだが、東海道五十三次を踏破するというのが企画の軸となった。
僕は3ヶ月前まで京都府民だったわけだが、今や京都が第三の故郷である(第一は北海道苫小牧市、第二は同札幌市)。精華町のアパートには7年間住み続け、これは僕の生涯でも一二を争う長期記録だ。転勤で離れ離れになった猫も京都にいる。早くもホームシック気味である。
そんなわけで、京都の里帰りしようということになったのだ。
しかし、単に京都に行くだけなら、新幹線でラクラクだ。仕事でも頻繁に行っている。あまり夏をエンジョイした感じにならない。
そこで、東京の日本橋から京都の三条大橋まで、東海道五十三次をたどる旅をすることにした。ちょっとした冒険だ。
移動手段としては、自動車、自転車、徒歩が候補に上がった。
自動車なら1日、もしくは1泊2日でこなせる距離である。せっかく2週間も休みがあるのに、これでは持て余してしまう。そのため、すぐに候補から消えた。
次に検討したのは徒歩だ。東海道五十三次といえば、江戸時代の人々のほとんどは徒歩で移動していた。ならば、それに従うのが筋ではないかと思われる。
しかし、調べてみると、東海道五十三次は500kmほどの距離がある。時速5kmで、毎日6時間歩いたとして、17日ほどかかる計算になった。2週間の休みには収まらない。
多少無理をすれば間に合うかもしれないが、それだと途中の観光など全くできない。それどころか、そもそも2週間もぶっ通しで歩き続ける体力的自信もない。
それで、これも諦めた。
ちなみに、東海道五十三次を歩くという趣味はわりとポピュラーであることに間違いはない。ただし、多くの人は区間ごとに何日かに分けて歩くようだ。途中まで行っては電車で帰り、次の機会にその地点まで電車で戻って再開するなど。
そういうやり方なら、まとまった休みの時期でなくても良いので、いつかチャレンジすることにしようと思う。
で、最後に残った移動手段が自転車だ。
大まかに見積もって、徒歩の倍の速さで移動できると考えれば、1週間から10日くらいで完走できそうだ。夏休み期間に調度よいスケジュールが組み立てられる。
オフィスの食堂でも、いつの間にか
「この夏、木公は自転車で京都に行く」
という雰囲気に包まれた。
会社のアシスタントさん(♀)が自転車にめちゃめちゃ詳しい(ていうか、彼女の夫の趣味が自転車; 参考記事)ということもこの計画を後押しした。
そして何よりも、初めは冗談のつもりだったのに、周りのみんながノリ気になりまくり、今さら引込みが付かなくなった。気弱なボクは、そういう空気に抗えないのだ。
そんなわけで7月某日、東京日本橋を出発し、何日か宿泊しながら自転車で京都の三条大橋を目指すことになった。
実施日は未定。初日に雨とかだったら悲しいから、天候を見ながらぷらっと気楽に始める。
明日は第二段階として、自転車を買いに行く予定。
TREK社のFXシリーズというクロスバイクに目を付けている。それをこの週末に入手できれば、この企画を実行する。
手に入らなかった場合(注文取り寄せになると2週間ほどかかり、夏休みに間に合わない)、残念ながら白紙に戻す(もしくは、徒歩でどこまで行けるか企画などをやる所存)。
走行中は、ヘルメットにカメラ付けて ustream でライブ中継しようかとも計画していたりします。
楽しい夏の経験にしたいなり。