10年前の今日は東海道五十三クリングで京都三条大橋にゴールした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第45回めの放送を見ましたよ。
東京へ行って気象予報会社に転職することを報告するために実家に戻った百音(清原果耶)であったが、なかなか話を切り出すことができず、しこたま酒に酔いつぶれて眠ってしまった。うつらうつらと幼い頃の家族の楽しかった様子を夢に見た。そして目を覚ますと、さっぱりと晴れやかな気持ちになった。
百音は、やっと東京で気象に関わる仕事をしたいと打ち明けた。そしてそれは、東日本大震災の経験とも関わっているのだという。
震災の日、百音は高校入試の合格発表を見るために仙台に行っており、地元の島にはいなかった。帰ってこられたのは数日後だった。地元のみんなが目の当たりにした悲惨な状況を共有していないし、自分は何の役にも立つことができなかった。その後ろめたさが心の澱のように溜まっていき、もう島にはいられないと思ったのだという。
そうして高校卒業後に登米に行った。そこで気象に出会い、今の自分ならいつか誰かの役に立てるかもしれないと思ったのだという。
気象は未来のことが予測でき、それによって誰かが危険な目に遭うのを止められるかもしれない。大切なものをなくして傷つく人を生まないために、気象の仕事で人々を守りたいと強く思うようになったという。
家族は誰も口を挟まず、百音の決意に全員が賛成した。
家族の了承を得ると、百音は翌朝早くに登米に戻り転居の準備を始めた。
そしていよいよ出発の日。
森林組合の人々は明るくにぎやかに百音を送り出してくれた。しかし、サヤカ(夏木マリ)だけはその場にいなかった。
サヤカは山にいた。切られたばかりのヒバはまだそこに置かれており、サヤカはそれを愛おしく眺めていた。百音はサヤカがそこいることを知っていて別れの挨拶に来た。
サヤカは百音を見送るつもりはないと告げた。百音もそのことをよくわかっていた。
ヒバが切り倒されたため、その付近は空が大きく開けていた。日光がよく届くようになったので、そこにおかれたままのヒバはよく乾くし、ヒバのあった場所には新しい木がよく育つだろうとサヤカは話した。
いよいよ百音が立ち去る時、空のある方向を指差し、10分後に見るように言い残した。
一人になったサヤカはヒバの切り株に腰を下ろした。
何気なく足元を見ると、すでにもう新しい植物の芽が出ていた。続いて空を見上げると、百音の予言通り雲が虹色に光る彩雲が出ていた。
サヤカは声を上げて百音の明るい未来を祈った。
百音は晴れ晴れとした表情で駅に向かう道を歩いていた。