小指の想い出: 東海道五十三クリング(23)

そのチャランポランな衣類や風貌、向こう見ずで緩んだ行動傾向などから、当方は大学生か大学院生なじゃないかと思われることがよくある。しかし、すでにアラフォーのおっさんだ。

その証拠に、1日遅れで筋肉痛に襲われている。
16日(土)に、5泊6日の東海道自転車旅行を終えた。それから1日遅れて筋肉痛で全身がだるい。

その間、体が辛くて走れないという日は1日もなかった。精神的に参ってしまって足が止まったことは一度だけあったが(大迷子の後、掛川で意気消沈)、それ以外はとても快調だった。
ゴールの日は、京都でほとんど休むこともなく、新幹線と電車でとんぼ返りした。15kgほどある自転車を輪行袋に入れて電車に積み込むのは大仕事だったが、それでも何とかなった。
ゴールの翌日(昨日)は、一日中休養するはずだったのに、午前中にゴソゴソと起きだして、箱根峠のおさらいに行ってきた。さすがに自転車ではなく、自動車だったが。それでもカーブと急斜面の連続はエンジンが苦しそうだった(車載映像)。

さて、まだ夏休みは残っているし、何をして遊ぼうかな・・・と思っていたら、今日になって酷い筋肉痛に襲われている。
なかなかベッドから起き上がることができなかった。先週1週間は毎朝4時おきだったのに、今日は9時半まで眠っていた。実に5時間半も余計に寝ている。
体を動かすのが大義で仕方がない。


* * *

自転車旅行中は、体のケアにはそれなりに気を使った。多くの人からのアドバイスも頂き、それに従った。

生意気にも、サプリメントを大量に飲んでいた。
りんちゃんのお母さんからは、DHCのサプリメント(ブドウ糖ランペプチドクエン酸)をもらい、毎朝飲んでから出発した。mixi のますたぁさんの人脈からは、味の素のアミノバイタルが効くと伺ったので、ダメ押しでそれを朝晩飲んだ。

毎夕、筋肉のアイシングクールダウンも行った。
運動経験が皆無の僕を心配して、steraiさんがやり方を懇切丁寧に教えてくれた。筋肉の炎症を抑え、老廃物の循環を促進するために、筋肉を氷で2030分冷やし、その後暖かい湯に浸かるといいと教えてくれた。
しかし、毎晩ホテルに泊まっていたので氷の準備は難しかった。その代わり、必ず大浴場のあるホテルをとり、チェックインするとすぐに浴場で冷水を足にかけた。その後すぐに湯船に浸かり、中でストレッチをした。それを2-3回繰り返せば、翌朝に疲れは殆ど残らなかった。

これらがすべての理由だとは思わないが、とにかく体が断末魔の叫びを上げることなく、6日間を走り切ることができた。

* * *

その他、装備にも気を使った。特に、パンツと手袋は必ず着用した。
自転車経験者が異口同音に「ケツが痛くなる。パッド付きのパンツは必須だ」、「前輪の振動がハンドルを伝わって腕に来る。油断せずに手袋を履け」と言うからだ。
半信半疑だったが、みんなが口が酸っぱくなるほど言うのだから、それなりの真実は含んでいるのだろうと思った。

アマゾンで一番安いレーサーパンツ(2,680円)をお試しのつもりで買った。
手袋は自転車屋さんで手頃なのを見繕って、これまたそんなに高くないヤツ(3,000円)を買った(たぶん、この商品)。

これらを着用して全行程を走ったのだが、確かに尻も手も痛くならなかった。すごいなぁ、と思った。
一方で、「こんな安物で効果が出るなんて、できすぎてやしないか?もしかして、元々、自転車で尻や手が痛くなるなんてことは無いんじゃないか?足ならまだしも。俺は騙されたんじゃないか?」と少し思わないでもなかった。

それが、最終日に走りだしてすぐ、両手の小指の付け根あたりがとても痛くなり、少し痺れだした。自転車は足で漕ぐ乗り物だから、足が疲れるのは当然だとして、単に棒切れに掴まっているだけの手のひら、しかも小指が痛くなるなんて、一瞬信じられなかった。
しかし、考えて見れば、そこを支点に上半身の体重を支えているのだから、納得もした。

そして、本当に手袋をしていてよかったと思う。これがなかったら、もっと早い段階で小指にダメージが蓄積し、その時点でリタイヤしていたかもしれない。

さらに、僕の自転車のハンドルグリップは、小指部分の疲労を軽減する工夫のされたものだった。外側が広がっているのが見えると思う。これの効果も大きかったのだろう(1,600円くらいの商品だが、僕の自転車には標準装備だった)。

ハンドルグリップ

今回の旅行で、自転車では小指への負担がバカにできないほど大きいのだと知ったことが意外な発見だった。

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