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東京は夜の七時: 東海道五十三クリング(11) -1日目-

いや、僕の場合は朝の7時だったけど。

朝7時に東京・日本橋に立った。
そこから西を見た。この道が京都まで続いていて、僕はそこをたどっていくのだ。そう思うと気分が高揚した。

実際には、僕は「旧東海道」を通ることにしたので、時おり国道1号線からは外れるのだが。

日本橋の下には一応川が流れている。けれども、川に沿って真上を高架道路が走っているので、まったく川の雰囲気がない。朝早かったせいなのか、渡る人も自動車もまばらだ。時代劇や古い版画で見る日本橋は、江戸の目抜き通りで、絶えず活気がある。そういうものを想像していると、まったくアテが外れることになる。

けれども、ここはれっきとした日本の道の起点である。

橋の真ん中(車道だよ!)に、「日本国道路元票」というプレートが埋め込まれている。
車の往来が少ないのをいいことに、その写真を撮りに行った。

それを出発式に代え、僕は東海道五十三クリングの旅に出た。


旅は、自分でも拍子抜けするほどスムーズに進んだ。
朝7時に日本橋を出発し、16時には箱根湯本の宿に到着した。本当は小田原市内に宿泊する予定だったのだが、走りが快調だったので、箱根の峠越えの直前まで足を延ばすことにした。少し登り勾配が出てくる地域だが、ほとんど苦も無く登れた。

本日の総走行距離はちょうど100km(ケータイのGPSトラッカー My Tracks 調べ)だった。
なお、自宅から電車の駅までも自転車で移動したので、その分も含めれば今日は110km走ったことになる。電車で大手町(日本橋そば)まで移動するのに1時間ちょっとかかったが、運転席真後ろに自転車を立てかけて、傍にずっと立っていた。今日は足を使いまくりだ。
それにも関わらず、現在、わりとピンピンしている。一瞬、自転車で小田原市内まで下りて、ちょっと買い物(ケータイのバッテリーとか)して帰ってこようかと思ったくらいだ。結局、明日に備えてやめたけど。

今日は、一日中、雲のかからない晴天だった。
出発前に、異口同音に「熱中症に気をつけろ」と言われた。だから、意識して水分を取った。信号待ちのたびに、必ずスポーツドリンクを一口づつ飲むことを習慣付けた。午後からは頭から真水をかぶったりもした。
おかげで、まったく辛くない走りだった。
唯一の問題は、朝急いでいたせいで、いい加減に日焼け止めを塗ってしまったことだ。特に足にムラが多かったらしく、赤いブチ模様になっている。触れるとヒリヒリする。やってしもた。

道中、もっといろんな写真を撮って公開して欲しいというリクエストがあった。
しかし、それには応じ難いものがある。写真は基本的にケータイで撮っている(そして、そのままtwitter等に投降する)のだが、2週間前に機種変更したスマフォがあまりに電池がもたなすぎる。写真をたくさん撮りたいのはもちろんなのだが、電池のもちを考えると躊躇してしまう。宿を決めずに、現地調達(ネット検索や電話)する旅なので、ケータイの電池が切れると、いろいろキツイ。
それに、ネット上での僕の音信が途切れたら、関係者のみなさんが事故にでも巻き込まれたのではないかと心配するだろう。そういうことを避けるために、ケータイの電池だけは温存している。写真が少ないことは勘弁していただければと思う。

その代わり、文章で風景の美しかった場所を説明する。そして、僕のしょぼいケータイのデジタル画像を見て満足するのではなく、あなた自身の目で見に行くのが良いと思う。

今日、一番感動したのは、保土ヶ谷の権太坂(横浜市保土ケ谷区)だ。
ちょっとキツイ坂なのだが、そのてっぺんから富士山が見える。江戸を出発して、最初に富士山を拝めるポイントはここだという。僕は目が悪いし、遠くにいっぱい雲があって、ちゃんと富士山を識別できた自信はないが、一箇所だけ雲の切れているところがあって、そこから富士山の頂上が顔を見せていた。周りに人がいないのをいいことに、声を出して感激した。

二番目に良かったのは、大磯のあたりの松並木だ。下はアスファルト舗装になっていて、車がびゅんびゅん行き交っているのだが、昔の東海道の風情をよく残していると思った。大磯の海水浴場も近いようだし、一度訪れてみるのも良いのではないかと思います。

おまけ。
水曜どうでしょう』2011年の新作に出てくる、小田原のういろう屋(通称「小田原城」?)を見つけたので写真を掲載しておく。国道1号線を走っていれば、すぐに見つかる。本物の小田原城の割とそば。

明日は5時に出発して、「天下の険」箱根の峠にアタックします。
今日の調子だと、当初の予定よりは多少スムーズに行きそうだと楽観しています。明日は箱根(芦ノ湖)に宿泊の予定でしたが、行けそうならその先に足を伸ばそうとおもいます。
場合によっては、日程が全体的に前倒しになるかもしれません。

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