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せんべろ初心者が大井町を訪問し、ついでに平和島競艇場デビューもする予定

少し前、小堀純・中島らも『せんべろ探偵が行く』を読んだ。「せんべろ」とは、千円でべろべろになれる店の意。

読んでいた当時、会社のランチタイムの話題としてその本の話をした。そして、「なんとなくそういうのに憧れる。せんべろに行ってみたい」というような話をした。

人の記憶や印象とは、やはり不確かなものだ。
僕は「中島らもみたいな退廃的な雰囲気に、ちょっとだけ憧れますね」みたいな軽い話をしたつもりだった。

しかし、会社の人たちは
木公は、場末にある小汚くて怪しい雰囲気があり客層もあまり上品ではない店を探している
という風に思い込んでしまったようだ。
以来、とにかく小汚くて怪しいお店の目撃情報がいろいろと寄せられた。
#周囲には、ホルモンも苦手にするようなお上品な人々が多いので、実地検分をしてきたという人は皆無だ。

* * *

ここには書いてなかったかもしれないが、今月末まで当方の勤務先は水曜日と木曜日が休みである。そのかわり土日に勤務する。企業の電力需要ピークを分散させるためだ。
#7月には2週間の一斉休業があった。京都まで自転車旅行をした時だ。

そんなわけで明日、明後日は休みである。

休みだからといって、特に何か用事があるわけでもない。あえて用事を作るでもなく、まぁ寝て過ごそうかと思っていた。それはそれで、無為な時間を過ごしているようでなんとなく気まずさも感じるが、何にも用事がないものは仕方ないので、あるがままを受け入れようと思っていた。
#いろいろ片付けなきゃいけない仕事はあるような気がするが、それには気づかないフリをする。

休みの日に用事がないなどということは、別に他人に話すべきことでもない。
たった一つ前のパラグラフで「明日は用事がない」と言った舌の根も乾かぬうちに、「他人に話す必要もない」などと書くのは、自分自身でいかがなものかと思うわけだが、話の展開上やむを得ない。

用事がないことを公表する必要はないので、用事がないことを僕は黙っていた。黙っていたし、隠していた。
しかし、そういうことはなんとなく雰囲気に出てしまうのだろうか。


* * *

夕方になって、会社の人がある情報をくれた。
そういえば、うちの近所にも怪しい飲み屋がありますよ。明日は休みだし、行ってみたらどうですか?どーせ何にも用事はないんでしょ?彼女もいないみたいだし。
と、大井町にある「肉のまえかわ」という店を知らせてくれた。

「肉のまえかわ」は、肉屋なのだがとんかつなどを店頭で食べさせるという。缶ビールも売っていて、立ちのみスタイルでやるのだという。ネットで調べてみても「ディープだ」とちらほら書かれている。

「せんべろ」とは安上がりに酔っ払うことを意味する言葉なのだが、厚木の自宅から大井町まで行くのに電車賃(往復)は一体いくら掛かるねん!?と思わないではないが、紹介してもらった以上、偵察してくる必要があるだろう。
シャア少佐に偵察任務を与えられたデニム曹長(部下はジーンとスレンダー)の気分だ。どーでもいいが。
そんなわけで、明日は大井町に行ってこようと決めた。

* * *

「でもなー、単に大井町に行って帰って来るっつーのも、なんだかなー」
なんて僕がブツブツ行っていると、そばに大井競馬場(東京シティ競馬)平和島競艇場があるという。そこに行ってみればいいじゃん、と。

あとで自分で調べたら、しながわ水族館など、もっとほのぼのした見どころもあるのに、なんでそういうちょっとアングラっぽいところを勧めるかなー。
僕は安く酒を飲みたいのであって、ギャンブルやりたいんじゃないんだよなー。

しかし、この前、電車の中で南明奈競艇の広告(アッキーニャ)を見たことを思い出し、さらに、不覚にもそのコスプレに萌えてしまったことまで思い出した。
最近、何かと頭に被せられている南明奈(たとえば、ノーシンピュアのP型の被り物。去年の朝ドラ『ゲゲゲの女房』でも常にベレー帽だった。)のことを少し不憫に思っていたところでもあるし、彼女の広告塔としての実績に協力する意味でも競艇を見に行くことに決めた。

明日は競馬は開催してないが、ちょうど競艇はやってることでもあるし。

* * *

で、せっかく競艇を見に行くんだし、木戸銭のつもりで舟券は買ってみようかと思ってる。

ボートレースガイドという資料を読んで、競艇の大まかなルールや予想法のイロハはわかった。
特に、出走表の見方が面白かった。こういうデータを見るのって楽しいよね。
あと、競艇選手約1,600人のうち1割程度が女子選手だということもわかった。女子選手が出走したら、無条件に彼女の舟券を買うことを誓った。

さて、それでは、明日のレースの予定表を見てみよう。明日は「第56回スポーツニッポンゴールデンカップ」の4日目が開催されるそうだ。

まず残念なことは、ざっと名前だけ見たのだが、女性レーサーは出場しないようだ。
競艇ビギナーの僕にとって、性別はかなり有力な手がかりだったのに、いきなりそれが使えなくなった。

やれやれ・・・と思っていたら、3レース6レースに気になる選手がいる!

川俣昌史選手が、いろんな意味で他人と思えない。
↑文字列だけでかなり笑えるが、写真見て盛大に吹いた。

こいつは、俺か?

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