横浜情報文化センターで仮面ライダーと水木しげる

横浜市の日本大通りに横浜情報文化センターという施設がある。新聞と放送に関する博物館で、放送ライブラリー(入場無料)はテレビ番組のアーカイブが整備されており古い映像を見ることができるし、日本新聞博物館Newspark(入場料500円)は古今東西の新聞に関する博物館となっている。

放送ライブラリーでは、2012年2月12日まで仮面ライダー40年の軌跡展が開催されている。僕は熱心なファンではないが、男の子の端くれとして仮面ライダーは嫌いではないので見物に行ってきた。入場無料というのが嬉しいし。

入り口では旧仮面ライダーがお出迎え



会場には仮面ライダーの等身大人形が何体か置いてあって迫力満点。歴代番組の詳細なパネル写真も見ることができて、とにかくありとあらゆるライダーを堪能できる。石森章太郎の原画(複製)もたくさん展示されているし、各ライダーの原案イラストを見れるのも貴重。TVモニタでは歴代ライダーのオープニング映像が順番に全て流されていた。5歳くらいの男の子が、初代ライダーを含め全ての番組の主題歌を一緒になって歌っていた。すげぇ。

その他、多数の漫画家が仮面ライダーの思い出を語る色紙が展示されていた。やなせたかしの描くライダーは珍しかったし、安彦良和はガンダムとライダーを並べて描いていたし、普段とは違うタッチの吉田戦車からは仮面ライダーに対する愛が感じられたし、原哲夫の書く仮面ライダーは『北斗の拳』に出てくるジャギそっくりで笑った。

展示の一部は、記念撮影用に解放されていて写真取り放題。
仮面ライダーの等身大人形の細部を観察して、たっぷりと写真も撮って来ました。

緑色の新型仮面ライダー1号のマスク。ネジがついていたり、アンテナの付け根がバネ状になっていたり。

ベルトもじっくりと観察。ベルトの左側に謎のボリュームが付いているのを発見。そして、面白い事に、旧型ライダー1号(マスクの色が暗い方)のボリュームは160までメモリがあるのに、新型ライダー1号(マスクの色が明るい緑)のボリュームは100までしかなかった。このボリュームにどんな機能あるのかは知らないが。

旧ライダーのベルトのボリューム


新ライダーのベルトのボリューム

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仮面ライダーを堪能した後は、階下の日本新聞博物館Newsparkへ向かった。こちらでは日米開戦70年 水木しげるの戦争と新聞報道が開催されていた。2011年12月25日まで。

水木しげるの戦争漫画のパネル展示と共に、彼の漫画の内容と合致する当時の新聞が展示されていた。戦争中、新聞報道を通じて、いかに国民に歪曲された戦局が伝えられていたかということがよくわかった。

太平洋戦争の進展と共に、紙面の雰囲気が徐々に変わっていくのがよくわかった。昭和18年頃、アメリカやイギリスと開戦した直後の紙面では、「愛国保険」や「富国強兵」という広告が1面にバンバン載ってる。今と同じように1面の最下段には書籍の広告があるのだが、そこには大東亜共栄圏の推進を主張する本の宣伝などが載ってる。
ところが、時が進んで日本が不利になると、国内の景気も悪化してきたのか、明らかに宣伝広告がなくなってくるのがわかった。その一方で、日本軍がいかに活躍しているかということが喧伝されている。

あと驚いたのが、昭和20年8月11日の新聞。1面のトップ記事は皇太子(現在の天皇)が成人を迎えたという記事だった。そして、1面の左下の方に10行たらずの小さな記事で「長崎に新型爆弾が投下された模様」と報道されていたこと。第二次世界大戦における大きな悲劇と言われている原爆投下についても、当時はそういう扱いだったのかとショックを受けた。
その他、新聞社が国の意向に沿わない記事を書いたといって、国に提出した始末書なども展示されている。

肝心の水木しげるに関する展示は、ほとんどが彼の漫画作品の拡大コピーなので、本を買って読めばより詳しくわかるという程度だった。
ただし、彼が出征にあたって父に送ったハガキだとか、漫画家になった後に作ったスクラップブックだとか(これは、去年の『ゲゲゲの女房』にもエピソードがあったな)を見ることができたのは貴重だった。

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そんなわけで、ひとつの建物で仮面ライダーと水木しげるが堪能できますので、お近くの方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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