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アンホルト『理系のための口頭発表術』

昨日、浜松市に出かけて自分の研究の口頭発表をしてきた。
落ち着いて話ができたし、ちゃんと持ち時間を守ったし、たくさんの質問やコメントももらえたので、なかなかの首尾だったのだろうと自画自賛している。
昨日は気分が良かった。

でも、今はすごく反省している。
事前準備を怠り、発表5分前までスライドの修正をしていた。軽微な修正なら良いのだろうが、昨日の僕は発表30分前にトークの流れをガラリと変えた。当然、リハーサルなどやれなかった。小手先のクソ度胸だけはあるので、それでも本番はなんとかなった。でも、後半は随分と早口になったようだし、何枚かスライドを飛ばした。
これらはあまり褒められたことではない。

そのバチが当たったのか、発表直前まで修正していたファイルがそっくり失くなった。操作ミスで一部のスライドを削除して、そのまま保存してしまったようだ。バックアップファイルは一昨日の全く違うバージョンしか残っていない。明後日、ほぼ同じ内容で別の場所で発表する機会を頂いているのだけれど、昨日の発表資料を流用できなくなった。思い出して同じように作れば良いだけの話だが、少々心が折れた。今、軽く放心状態だ。一昨日までに完璧なスライドを準備しておけば、こんな気分にならなかったのに。
資料の作りなおしも悲しいが、意外と「思い出の品」を大事にする当方なので、発表の思い出であるスライドが失くなったことの方がもっと悲しい。
落ち込んでいる。


自分を鞭打ち、反省を促すため、アンホルトの『理系のための口頭発表術』(鈴木&リー訳)を引っ張り出してきた。ついさっき、大事なところに赤線を引き、3回読みなおした。

発表の準備には、たっぷり時間を取っておく必要がある。

次回から(ていうか、次回は明後日だ)、心を入れ替えてしっかりと準備の時間を取ろうと思う。

そして、みなさまにおかれましては、こんな当方を反面教師として、発表の準備をしっかりと行なっていただければと思います。
また、発表初心者の大学院生諸君(もしくは、発表の初心を忘れてしまったそこのアナタ)は、本書『理系のための口頭発表術』を一読することをお薦めします。プレゼン指南書は世にたくさんあるでしょうが、本書は単なるハウツー本にとどまらず、研究者としての生き様のロールモデルにもなる良書です。
「生き様」とは何か。それはアナタがこの本を読んで感じ取ってください。

新書サイズで230ページほどなので、コンパクトで読みやすいです。さすが、プレゼンテーションの本だけあって、文章の羅列だけではなく図も見やすくて洒落ている上に、それがちゃんと役に立つのだから素晴らしい。

参考のため(および、明後日に向けて発表準備をしなければならない自分へのプレッシャーのため)、1章のまとめページをサンプルとして載せます。

準備における10の原則

すごく良さそうな本でしょ?すごく良い本です。
ぜひ読みましょう。

そして今、僕はもうひとつ考えることがある。
この本を読んで自分のプレゼン能力を高めたら、今度はこの本を人に勧めなければならない。

率直に言って、研究発表の下手な人はたくさんいる。信じられないほど下手くそな人がいっぱいいる。そういう発表を聞かされる方は不幸だ。眠くなるだけならまだいいけど、イライラしてきて精神衛生上良くない。

みんながこの本を読んで(もしくは類書でもよい)、ほんの少しでも全員のプレゼン能力が向上すれば、それだけでみんなの精神的健康が著しく改善されると思うのだ。だからジャンジャン読んで欲しいし、ドンドン薦めたいし、みんなもズンズン周りに読ませてほしいと思う。

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