OSK日本歌劇団の『獅子の星』

主演の天輝レオさんと同じ出身地の当方が、OSK日本歌劇団の公演『獅子の星 ~Stella Leonis~』を見ましたよ(於DAIHATSU心斎橋角座)。

のっけから景気の悪い話をするのもどうかと思うけれど、OSK日本歌劇団というのは、かつての関西では宝塚歌劇と双璧を成す少女歌劇団だったらしい。1922年に松竹が設立したという、伝統ある団体だそうだ。その後、近鉄の子会社として長く活動していた時期もあったけれど、2003年ころに近鉄からの支援が打ち切られ、一度解散。翌年ころから有志による存続が行われ、現在に至るらしい。
毎年、10名程度の研修生の募集を行う程度には、きちんと活動しているらしい(研修生募集案内)。今は40人ほどの劇団員がいるようで、宝塚歌劇に比べると規模はずいぶんと小さい。

どうなることかと思って観劇に出かけたのだけれど、思いの外楽しかった。
常設の劇場も有していないらしいけれど、小さめの劇場ならではの雰囲気が良かった。演者と客席が近くて、アットホームな興行だった。
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今日も桜が散る発表会その2

昨日に引き続き、僕が通っている音楽教室の発表会。
各パートの生徒が即席のバンドを作って演奏するというもの。1ヶ月前に一度だけ顔合わせを兼ねたリハーサルを行った後、本番。足りないパートは講師さんたちがサポートしてくれる。

僕は4年間で10曲くらいは出てるはずなんだけれど、毎回思うように弾けなくてとても悔しい。進捗はゆっくりだけれど、それなりに上達はしていると信じるのみだけれど。今日もいろいろ失敗をしでかした。
2ヶ月くらい一生懸命練習したのになー。

本番での緊張のほか、(1)立って弾くことに全然慣れない、(2)使っているアンプが自宅のと違ったり、家ではヘッドフォンだからスピーカーから直接聞くのは雰囲気が違ったり、ステージでは爆音だったりなど、条件の違いによる違和感が気になって集中できなかったり、(3)音源やメトロノームに合わせて演奏するのと、生身の人間相手ではこれまた様子が違っていろいろ戸惑ったり、などなどいろいろと問題があるんだろうなと段々わかってきた。場数で解決されるものと信じたい。

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スピッツと俺と発表会その1

スピッツのメジャーデビューは1991年らしいのだけれど、僕がその存在を知ったのは1997年だった。超有名曲の『空も飛べるはず』は1994年リリースとのことなので、テレビやカラオケなんかで耳にしていたことはあったかもしれないが、そういうバンドがあるとはっきり意識したのは1997年なのだ。

1997年の僕は大学4年生だった。
同時、スマホはなく、ガラケーでも満足にメールが使えなかった時代。電子メールはあったけれど、みながみなパソコンを持っているでもなく。卒論の執筆やら実験の分析やらはパソコンでやるのだけれど、学生たちは大学の研究室のパソコンを使ってそれらの作業をしていたわけで。様々な事情で、僕が研究室のパソコンのお世話係をしていたりしたわけで。

その頃、「ポストペット」というメールソフトがリリースされた。
もちろん僕はAL-Mailユーザーだったので、周りのみんなにもAL-Mailを使わせていたわけだけど。

それでも、「ポストペットという新しいソフトが出たらしい。クマやウサギなどのペットがお手紙を届けに来る。かわいくて女子に人気が出そうだ」なんて噂を聞けば、モテたい盛りだったわけで、当然使い始めるわけで。
ポストペットは、メールをやり取りする双方が使用しないとペットのお届け機能は使えない。一人だけ使っていても意味がないのだ。当然、同級生たちにも使わせた。なんてたって、僕が研究室のパソコンのお世話をしていたのだから。なんてったって、女子学生の多い講座だったのだから。

他のユーザーからお使いに来たペットは、自分のパソコンでアニメで表示される。
他人のペットをなでてあげたり、おやつをあげてかわいがってやることができる。お使いから帰ってきたペットは、相手のところで受けたおもてなしについて報告してくる。なでてもらって愉快だったとか、美味しいおやつをもらって嬉しかったとか。今にして思えば、LINEの既読機能みたいなもの。メールを開かないと相手のペットと遊べないので。

ポストペットでは相手のペットをもてなすだけではなく、「殴る」という機能もついていた。
殴られて帰ってきたペットは、飼い主にそのことを報告する。いくらパソコンの中の電子的なペットだとはいえ、自分のペットが殴られるといい気はしない。だから、通常、ペットを殴ろうとする人はいなかった。

さて、僕の同級生にハナザワさん(仮名)という女子がいた。
酒癖が悪くて、ちょっとガサツで、だみ声系の女子。けれど、色白丸顔ベビーフェイス。
お察しの通り、当方の好みのタイプである。

上記の通り、同級生同士でポストペットでメールのやり取りをしていたのだけれど、ハナザワさんのところから帰ってきたペットは疲弊しているという話が持ち上がった。ペットからの報告書に「ハナザワさんに殴られた。悲しい」というものが頻発したのである。
みんな研究室の中で、声をかければ届く距離で卒論を書いていた(その合間にポストペット)ので、ペットからの報告が来るたびに、「おい、ハナザワ!うちのペットを殴るんじゃねぇ」などと怒号が飛んだ。

しかし、ハナザワさんは完全に否定した。
「そんなことするわけないじゃない。ちゃんと撫でてるよ。リリースされたばかりのソフトだし、バグがあるんじゃない?おかしいね」
目を合わせようとはしなかったし、声も少し上ずっていたけれど。

けれども、天は悪事を見逃さないのである。
ある日、パソコンに向かっていたハナザワさんから悲鳴が上がった。
「きゃー!パソコンがハングアップした!」

パソコンのお世話係 兼 ハナザワさんファンクラブ自称会長の当方は、すぐさまレスキューに向かった。
そこで見た。
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