デビット・ボウイにも坂本龍一にもトム・コンティにも北野武にもそれほど興味があるわけではないけれど。事前には、男色っぽい話だという噂を信じていて、それにもあまり興味はなかったんだけれど。
監督の大島渚にはちょっと興味があって、なぜなら恩師にちょっと風貌が似ていたり、野坂昭如とマイクで殴り合ったりしたりしたから(このセンテンス、全員死んでるな)。あと、みうらじゅんらがやってたバンドの名称が大島渚だったりするので、なんとなく親近感あるし。
事前に知っていたストーリーの概要は、日本軍の捕虜収容所で日本兵と外国人捕虜との間に奇妙な友情が芽生えるみたいなもの。実際観たらその通りだった。
実際に観てみても、日本兵と捕虜との間に奇妙な友情の芽生える理由が僕にはよくわからなかった。極限状態に置かれた人々がそうなるという一般的な話なのか、登場人物たちの特殊な個人的要因なのか僕にはよくわからなかった。
よくわからなくていいんだと思うけれど。
それよりも、観ながらずっと思っていたことは、とにかく不条理で非人道的な状況だよなぁということ。
ここで描かれる日本兵たちのような強圧的な人間にはなりたくないし、理不尽な扱いをされても矜持を失わない英軍兵士たちの態度は見習っていきたいな、ということ。
いや、ほら、近年はオカミがいろいろ理不尽じゃん?そんな世相の中でどうやって生きていくべきか学んだような気がする。
ありがとう、40年前の大島渚。
ところで、ほんとに女性がひとりも出てこない映画なのね。暑苦しいわ。
シチュエショーン的に仕方のないことだけれど。政治的配慮で、アリバイのように女性出演者が出てきたらそれはそれで興ざめな映画になるだろうから、これはこれで良かったと思うわけだけれど。