観はじめて1分でびっくりしたことは、夏目雅子は鬼龍院花子役ではなかったってこと。
しかも、冒頭でチラリと出てきただけで、最初の1時間くらいは夏目雅子抜きで映画は進んでいく。ちょっと落ち着かなくなるよね。
落ち着かなくなるんだけれど、夏目雅子の子供時代を演じているのが仙道敦子でこれまたビックリ。少女時代から美人でしたねぇ。
で、夏目雅子および仙道敦子がなんの役かというと、鬼龍院花子と血の繋がらない姉・松恵でした。
映画の舞台は土佐。貧乏な松恵の父は、商売の後ろ盾を得るため、子のいないヤクザの親分(仲代達矢)へ自分の子どもを養子として差し出す。本当は、跡継ぎのために男の子を差し出すことで話がまとまっていたのだけれど、ヤクザの親分の気まぐれで、賢そうな顔をしている松恵と合わせてふたりの子を引き取ることになった。しかし、ヤクザの家での生活に恐れをなして一晩で脱走。松恵は諦観とともに残ることになった。もともと利発な子である松恵にとっては、理不尽なヤクザの世界には納得できないこともたくさんあったが、それも運命だと受け入れて育つ。
血を分けた子のいなかったヤクザの親分だったけれど、妾との間に子どもができた。それですっかり松恵の地位は低下するとともに、暴虐な養父のもとでますますの理不尽に耐えなくてはならなくなった。
それでも出奔することなく、一家の興隆から凋落まで見届けることになる。
そんなお話。
つまり、映画の内容はヤクザ一家の歴史が見せられるのであるが、それを夏目雅子演じる松恵の目から描くという構成になっていた。タイトルに松恵の義理の妹を持ってくるあたり、ちょっとしたくすぐりなんでしょう。
で、夏目雅子はどうだったか。
すごく美人だなぁと思った。しかし、僕にはどうもピンとこなかった。画面もストーリーも暗いせいなのか、夏目雅子にも悲壮感しかなくてどうも惹かれないというか。
唯一、和服で「なめたらいかんぜよ!」と啖呵をきるところだけはかっこよかった(流行語にもなったやつだよね)。
もっと清楚なおねえさんをやってる夏目雅子を見てみたいと思った。
いつか機会があれば『瀬戸内少年野球団』あたりでしょうか。