ISBNの杞憂

きゆう ―いう 0 【▼杞憂】

(名)スル
〔周代、杞の国の人が、天が落ちて来はしまいかと心配したという「列子(天瑞)」の故事による〕あれこれと無用な心配をすること。取り越し苦労。杞人のうれい。
「―にすぎない」「深く政府の為に―する処なり/新聞雑誌 54」


(三省堂提供「大辞林 第二版」より)

そう、僕は心配なのです。
さすがに、杞の国の人やロザミア・バダムのように「空が落ちてくる」とは心配しませんが。


僕は、1998年ころから2003年ころまでNTTのISDNを契約して使っていました。
NTTに就職した後輩(♀、しかも講座一のカワイコちゃん)が、入社直後に営業で、当時NTTが総力を挙げて売り込んでいたISDNの勧誘に来たので、ヤマシイ見返りを期待して通常のアナログ回線のダイアルアップよりも通信が早かったので二つ返事で契約したわけです。ターミナルアダプタもタダでつけてくれたし。
#これとは別に、一部の人は知っていますが、1996年には自宅で1年間タダでISDNの専用回線を使ってたっつーのもあるけれど。嗚呼、懐かしの”Internet Expo 96″。

それが、あっという間に、アナログ回線でのADSLサービスが一般化して、ISDNを売りまくったNTTは詐欺呼ばわりされてましたねぇ。
最近では、俗称「電話加入権」(正式には「施設設置負担金」)問題でももめてますし、この会社の将来がいろんな事情で心配です。

って、ISDNの話がしたいんじゃなくて、ISBNの話がしたかったんだけれど!
今日の本題は、文字通り、本についてる例のコード番号 “ISBN“です。

ISBNの詳しい説明は、WikipediaのISBNに関する記事を見てもらうとしましょう。

ポイントは、
・ISBNは10桁(ただし、今後13桁に増やされる)
・世界共通
・ほぼ全ての書籍に一意に割り当てられる
って所です。

この条件の下、書籍の発行を続けていくと、このコード体系は破綻しないのか?
そんな心配を抱いてしまいました。
#まぁ、どーでもいい心配ですが、深刻な悩みじゃなくて、こういう心配しか持ってないってことは、ある意味幸せなわけで。

では、考察しよう。


まず、ISBNは10桁と決められています。
実際、手元にあった塩野七生著「ローマ人の物語 8」のISBNは

ISBN4-10-118158-6

となっている。
10桁ということは、10000000000通り(100億通り)のコードが生成可能で、100億タイトルの書籍が発行可能。

ただし、実際には1桁少ない 10億タイトルしか発行できないが。
WikipediaのISBNに関する記事に正解は書いてあるが、とりあえず、その謎解きは先送りにしよう。

現在は10桁のISBNだが、将来は13桁にすることが決められており、「ローマ人の物語 8」には13桁ISBNも併記されていた。
“9784101181585”であった。

よく見ると、4-12桁目までは “410118158”と合致している。
ていうか、10桁ISBNの頭に”978″と足したんじゃん。単純。

しかし、下1桁が合致しない。
これは、知ってる人にとっては常識だけれど、要するに「チェックデジット」であり、要するに「誤り発見」用の桁。
ISBNの下1桁以外の数字をを全て足し、それを11で割った余りを下一桁とするわけです。
先の例(10桁ISBN)だと
(4+1+0+1+1+8+1+5+8)/11 = 6
であり、この6をお尻にくっつけてISBN完成。
#13桁版だと、チェックデジットが下一桁の5になるよ。やってみそ。
#手持ちの任意の書籍でも確かめてみ。

なお、余りが10になったときは、Xをつけることになっている。
これが、数字ばかりのISBNに何故かたまにアルファベットが付くことの理由。

でもって、上9桁が決まれば、自動的に下1桁が決まるので、10桁のISBNで表現できる書籍タイトル数は10億種類となるわけです(0000000000から9999999994までだね)。



以上が、ISBNのイロハのおさらい。
ここからが、僕の杞憂。
以下は13桁ISBNで考えることにする。

13桁ISBNだと、12桁分がユニークなので、1兆タイトルが識別可能。
こちらの情報によると、1996年に世界で968,735種類の書籍が発行されたらしい。およそ100万タイトル。
この調子で続くなら、100000年は埋まることがないですね。
しかし、同じペースで進んでいくのはちょっと楽観的過ぎるので、年間の発行数が1%ずつ増えることにしてみましょうか。
あれ?もしかして、漸化式?文系人間には解くのがつらいなぁ。

・・・この話、パス。誰か、頭のいい人、エレガントな解き方を教えてください。




次の話題。
もし、13桁ISBNが全て埋まったとき、その本は地球に全て並べることは可能なんだろうか?
仮に、全ての書籍タイトルが1冊ずつしかないとする。
さらにわかりやすく、全ての書籍が「ローマ人の物語 8」(文庫版)と同じサイズとする。
これは、15cm×11cm。平方キロメートルに換算すると、0.0000000165平方キロメートル。
地球の表面積は、Wikipedia の記事によれば510072000平方キロメートル。
地球の表面積をローマ人の物語の物語の面積で割れば、約30,913,454,545,454,545となり、大雑把に勘定しても30京。と言うわけで、「ローマ人の物語 8」(文庫版)サイズなら、ISBNを全て使い切ってもまだ地表には隙間がある。本で足の踏み場がなくなることはなさそうです。

しかし、上記数字は海も含んだもの。これを陸地面積(148940000平方キロメートル)で考えると、9,026,666,666,666,666、つまり9京に減ってしまいます。
それでも、1タイトルに付き1万部も刷れるので、まぁ、大丈夫かな(よくわかりませんが、1万部も刷られる書籍って、割と売れる見込みのある本だけですよね?)。

平積みにしないで、縦に並べればもっと隙間もあるでしょうし。
ローマ人の物語で考えるなら、縦に並べると 1cm×11cm = 0.0000000011平方キロメートル と、平積みにしたときの15分の1ほどの面積ですから。


いやぁ、まだまだ地球上には、芝生に寝転がって日光浴しながら本を読む余地はありそうです。良かった、良かった。

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