NHK『ゲゲゲの女房』第100回

 放送回数をインクリメントし、「ほふぅ」と小さく息を吐いた当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第100回めの放送を見ましたよ。

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「プロダクション旗揚げ」

 布美枝(松下奈緒)は、町の井戸端会議仲間に帳簿の付け方を相談した。茂(向井理)がプロダクションを作ったら、自分が経理を担当しようと思っているからだ。簿記の勉強をすると良いとアドバイスされ、早速問題集を入手して家へ帰った。

 家には、茂の兄夫婦(大倉孝二愛華みれ)が会社設立の発起人になるための打ち合わせに来ていた。ついで経理担当者を相談しはじめ、兄嫁に任せることになった。彼女は簿記の資格を持ち、職務経験もあるため最適なのだ。
 布美枝は自分が手伝おうと思っていたことを言い出せなくなってしまった。人々が集まってワイワイと仕事をしている声を聞きながら、布美枝は2階の部屋でひとりで洗濯物を片付けはじめた。自分が手伝えなくなったことが残念であり、疎外感も感じるのであった。しかし、今は元気な子供を生むことが何より大事なことだと自分に言い聞かせ、奮い立たせた。

 昭和41年6月。ついに、株式会社水木プロダクションの設立の日がやって来た。関係者を招待し、村井家で宴が催された。とても賑やかで明るい宴席であった。

 そこへ、少し遅れて戌井(梶原善)がやって来た。戌井は茂のことを一心同体のように思っており、茂の成功が何よりも嬉しい。茂の方も、不遇の時代を一緒に乗り越えてきた同志として、彼を大歓迎する。しかし、今や人脈の広がってしまった茂は、挨拶も終わらないうちに引っ張られていってしまった。その様子を見ていて、戌井は疎外感を感じてしまった。

 戌井の姿が見えないことを心配した布美枝が探しに行くと、彼は庭でひっそりと盃を傾けていた。戌井は昔を思い出し、世間から認められなくても布美枝だけは茂の成功を信じおり、それが実現したとしみじみ話す。布美枝はそのことを喜ぶ一方で、この成功がいつまで続くのかと不安も感じ始めているのだった。
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 本文では割愛しましたが、それぞれのキャラの細かい描写が随所にありました。
 役立たずのアシスタント菅井(柄本佑)は漫画の仕事が任されず、藍子(篠川桃音)の専属子守になってました。
 浦木(杉浦太陽)は美人秘書の加納(桜田聖子)に惚れ続けていて、それを目的に設立パーティーに参加。しかし、彼女は社会的に成功している豊川(眞島秀和)や船山(風間トオル)に目の前で擦り寄っていきます。
 「ゼタ」の深沢(村上弘明)は、若いアシスタントたち一人ひとりに声をかけて激励する。

 そして、戌井。彼は成功する茂の対比として、哀愁を漂わせた描かれ方です。しかし、集まった人々の中で、戌井が一番茂のことを理解していたのです。それを示すのが、祝いの贈り物。

 たとえば、深沢はきれいに飾り立てられたウィスキーを持ってきました。おそらく舶来物で、値が張るものでしょう。しかし、彼は「茂は下戸である」という事実を勘案していない。
 それに対して戌井は、紙袋に無造作に入れたバナナを持ってきた。中味は映らなかったのだけれど、高級店で売っているような見た目だけが綺麗な果物ではなく、そこらの八百屋で売っている少し黒ずんだバナナだったのではないかと想像できる。そしてそれは、ドラマでも何度か出てきたけれど、茂の好物の一つだ。

 茂の一番の理解者である戌井が、茂の成功を喜びつつも、彼の新しい人脈とは交わり切れない様子がとても悲しかったです。
 そして、それはおそらく布美枝も同じ思いをしているようだ。プロダクションを設立しても、布美枝に手伝えることはない。

 貧乏の危機は脱したけれど、生活のすれ違いが大きくなっていくのだろうという不安を掻き立てる放送でした。

 「カネ関係の困難は修復が容易だけれど、人間関係の困難は修復に苦労する」なんて金言を、最近どっかで聞いたか読んだかした記憶があるのだけれど、なんだっけ?このドラマだっけ?違ったっけ?

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