NHK『カーネーション』第61回

カーネーションの絵葉書を数枚ゲットしたので、送り先を明記してメール(matuda@alm-ore.com)で申し込んでいただいた先着5名様に、直筆の微妙な何かを書いたり描いたりして送って差し上げるつもりの当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第61回目の放送を見ましたよ。

カーネーションのポストカード


* * *

第11週「切なる願い」

油の瓶を火鉢に落下させてしまったせいで、炎が上がった。瞬く間に善作(小林薫)は火達磨になった。
金切り声をあげるばかりで立ちすくんでいる千代(麻生祐未)やハル(正司照枝)に代わって、身重の糸子(尾野真千子)が率先して消火活動に当たった。全身を水で濡らし、なんとか火を消し止めることができた。そのまま、休むことなく木岡(上杉祥三)と木之元(甲本雅裕)の力を借りて善作を病院に担ぎ込んだ。

対応が早かったため、善作は一命を取り留めた。ただし、1ヵ月は安静に過ごさなくてはならないという。

ほっと安堵した糸子は、自分が臨月の妊婦であることをやっと思い出した。濡れて体を冷やしたことが子供に影響を与えるかもしれない。妊婦が火事を見ると、生まれてくる子供の体にアザができると言い伝えられている。
医者(江口直彌)は糸子の活躍を褒めると共に、迷信を信じないよう注意するのだが、糸子は心配でならなかった。

一夜明けて、善作は全身を包帯で巻かれて帰宅した。二階の寝室に寝かされたが、善作は体を動かすことも、しゃべることもできないままだった。心労のため放心状態になっているハルも善作の隣に寝かされた。彼女も何も口が聞けずに寝るばかりだった。

火災の起きた一階の部屋は、急いで修理された。店を臨時休業にし、糸子が陣頭指揮をとった。修繕屋が次々にやってきて、その日のうちに家はほぼ元通りになった。

ところが、その修繕の最中に糸子の陣痛が激しくなった。すぐさま、善作の隣の部屋でお産の準備が始まった。
火事と家の修繕では気丈に働いていた糸子であったが、お産が始まると急に心細くなった。これまで、なんでも自分一人でこなしてきたと思っていたが、本当はそうではなかったということが身にしみたのだ。特に、勝(駿河太郎)と善作、ハルの3人には大きく依存していた。しかし、今、自分のお産に彼らは立ち会うことができない。それが糸子の不安をかきたてた。

それでも、3人目の娘が無事に生まれた。
すぐに、隣室に寝ている善作とハルに赤ん坊を見せた。寝てばかりだったハルは、知らせを聞いて飛び起きて元気になった。目玉しか動かすことのできない善作であったが、なんとか顔に笑みを浮かべようと、焼けた肌を引きつらせた。

火災騒ぎから一日、やっと一家に笑顔が戻ってきた。糸子は、新しい赤ん坊は一生分の手柄を立てたと思うのだった。
赤ん坊の体にアザもなかった。

* * *


本文では割愛した、良いシーンをこの場で追記しておきましょう。

善作の看病をするのはもっぱら妻の千代の役割となりました。しかし、どこか抜けている千代は、疲れてしまって、善作の横で倒れて眠りこけてしまいます。
ところが、ふたりはずっと軽く手を握ったままなのです。人前ではいつも強がっている善作ですが、千代にだけは弱みを見せて甘えているわけです。善作のことを無様だなぁと思いつつも、彼らの夫婦愛に優しい気持ちになれます。

赤ん坊が生まれ、その物音に最初に気づいて目をさますのは善作です。声すら出すこともできない善作は、繋いでいる手を少し出し揺らして、千代を起こします。

目の覚めた千代は、善作の手を振りほどき、後ろも振り返らずに糸子の所へ駆けつけます。腕を放り投げられ、畳にぶつけられた善作は痛みに顔をしかめます。
おいおい、お前らの夫婦愛はどこに行った?と、笑わせるところ。なかなか良かったです。
そうやって、視聴者を笑わせて、直後に登場人物たちにも赤ん坊誕生で笑顔が戻る。テレビの中と外を巻き込んだ笑顔の連鎖を起こすという演出。すごいねぇ。

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