NHK『あさが来た』第8回

昨夜「三千世界の鴉を殺し ぬしと朝寝がしてみたい」などという都々逸を思い出しながら眠りについたら、今朝はまんまと朝寝坊してしまったのだけれど、艶っぽいことは当然何もなかったし、朝のうちにまとめ記事も書けなかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第8回めの放送を見ましたよ。

* * *

第2週『ふたつの花びら』

はつ(宮﨑あおい)の許嫁・惣兵衛(柄本佑)が会いに来た。
しかし、彼は無愛想なままで、はつと口を聞かない。彼の母・菊(萬田久子)がはつを侮辱した時も、はつを庇おうともしない。

その態度に腹を立てたあさ(波瑠)は、惣兵衛が一人になった時を捕まえて、はつに優しく笑いかけて欲しいと頼んだ。
ところが、惣兵衛は相変わらず冷たかった。物静かなはつのことを辛気臭い女だと侮辱したのに加え、自分に指図をするあさのことはおてんばで生意気な女だと言い放った。
あさは腸が煮えくり返った。

惣兵衛たちは帰ることとなった。
惣兵衛は、はつが見送りに来ても相変わらず無視し続けた。
また、彼の母・菊は、新次郎(玉木宏)の家が大変になっているらしいと意味深に告げて去っていった。

彼らが帰った後、はつの母・梨江(寺島しのぶ)は心配になった。惣兵衛も姑も癖がある人物だと思ったからだ。はつは母を安心させようと笑ってみせたが、その笑顔にはどこか力がなかった。

そこへ、あさが飛び込んできた。
惣兵衛に腹を立てているあさは、結婚に反対だと言うのだ。しかし、あさの抗議を押し留めたのは、はつだった。本人に言われると、あさも黙らざるを得なかった。

その場で、あさの父・忠興(升毅)は懐から手紙を取り出した。それは、今しがた届いたもので、差出人は新次郎の父・正吉(近藤正臣)だった。本来、今日は新次郎が京都に遊びに来るはずだったが、それができなくなったと伝える手紙だった。詳しい事情は書かれていなかったが、惣兵衛の母の噂と合わせて、なんとなく胸騒ぎがした。

その手紙には、新次郎からあさへ宛てた手紙も同封されていた。
新次郎が来れないことに一度はがっかりしたあさであったが、自分への手紙のあることに舞い上がった。すぐに読んで見ようかと思ったが、女中たち(友近清原果耶)が覗き込もうとするので落ち着かない。

そこであさは、はつだけを伴って別室で読み始めた。
あさが新次郎から手紙をもらうのは初めてのことで、胸がドキドキした。一人で読む勇気がなかったので、はつにも一緒に読んで欲しかったのだ。
初めて見る新次郎の字はとても美しかった。あさは光源氏が書いたのではないかと錯覚するほどだった。

新次郎からの手紙は、短くて素っ気ないものだった。約束の日に会えなくなったことを詫び、あさの健康を気遣う程度の事しか書いていなかった。あさは期待はずれで、つまらなく思った。

一方のはつは、とても興奮していた。それはどこから見ても恋文に違いないと言うのだ。新次郎のあさに対する恋心に溢れていると説明した。はつからそう言われると、あさもまんざらでもない気がしてきた。たった数行の手紙がとても情熱的な恋文に思えてきたのだった。

はつはすぐに返事を描くように勧めたが、あさは躊躇した。
どんな文面を書けばいいか思いつかないし、悪筆を自覚しているので、下手に手紙など書いたら失望されてしまうのではないかと心配したのだ。

あさが返事を逡巡している間に夕方になった。あさははつにもう一度相談しようとしたが、彼女の姿が見えなかった。探してみると、人気のないところではつが泣いていた。
あさは、はつが惣兵衛と結婚したくなくて泣いているのではないかと尋ねた。しかし、はつはそれを否定した。最近、どういうわけか自然と涙が出てくるのだと説明し、心配はないと答えた。

そして、あさが幸せで良かったと言うのだ。新次郎はとても素敵な男性なので、あさが羨ましいと言うのだ。そして、自分が新次郎と結婚できたらよかったのにと、つい本音をこぼしてしまった。
失言に気づいたはつはすぐに冗談だとごまかしたが、あさは心を傷めた。実は、本来ははつが新次郎と結婚するはずだったからだ。あさと結婚するはずだった惣兵衛の家にあさの悪評が伝わり、そのせいで許嫁が取り替えられたのだ。
あさはそのことを聞かされていたが、はつには生涯秘密にするよう命じられていた。あさははつの本音を聞いて心が苦しくなった。

その夜、あさはあることを思いついた。
祖父・忠政(林与一)に手紙の書き方を教えてくれと頼むのだった。

* * *


大坂では、新次郎(玉木宏)の家が大変なことになっているという噂が流れています。まとめでは割愛しましたが、放送では説明されていました。

新次郎の兄で、跡継ぎである正太郎(木内義一)が重い肺の病で倒れました。あまり長くはないのではないかと言われています。長男である正太郎が亡くなれば、次男である新次郎が家督を継ぐのが順当です。しかし、家族や使用人をはじめ、本人自身も、遊び人である新次郎が家を継ぐと家が傾くと心配しています。

そのようなわけで、新次郎の家は混乱しており、新次郎が京都に遊びに行くことも中止になったのです。

その他、今日の放送について僕が書いておきたいこととしては、とにかく、はつ役の宮﨑あおいさんがかわいくてしゃーない。演技もうまいですし。
惣兵衛(柄本佑)を前にして暗く沈んだ様子と、あさ(波瑠)に届いた手紙を見て興奮する様子の落差に、女優として巧みさを見ました。一人で泣いていたかと思うと、あさに笑わされて明るくかわる表情の切り替えの美しさ。
もう、宮崎あおいさんが主人公でいいです。そう思いながら見ます。

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