蝶々の纏足 / 山田詠美

蝶々の纏足・風葬の教室先日,某女性と食事に出かけちゃったり.
ランバ・ラルのひげのダンディさナナイ・ミゲルのアダルトかつ嫉妬深いアンビバレントな心情など,ひとしきりガンダムの話をしてしまった.
「いかん,いかん.こんなの大人の男女が地鶏の香草焼きとか食いながらする話じゃねーよな」と思った.
で,ガンダムから離れて,多少は高尚な話をしようと思い「好きな本を教えてください.あなたのお気に入りの本,僕も読んでみたいので」とちょっと話題をシフトさせてみたり.

その返事が,山田詠美の「蝶々の纏足」でした.

翌日,早速「蝶々の纏足・風葬の教室」を仕入れ,先ほど読破.
小一時間ほどで読めちゃう短編だった(文庫には,3編収録されていたけれど,「蝶々の纏足」しか読んでない).

主人公の女の子は高校生.
主人公は,幼馴染の「生まれ付きの美人で,人の気を引く演技を完璧に身に着けた,ちょっと大人びた女の子」の庇護のもとに育ってきたという感じ.その幼馴染の存在が,主人公にとっての纏足.
その幼馴染への反発なのか,主人公のそもそもの気質なのかは,僕には判断が付かなかったが,主人公は幼馴染の女の子よりも「一歩先に大人になりたい」と思うようになる.
主人公は,酒もタバコも男も覚えちゃうんだけれど,それは思春期特有の興味本位(e.g. 秋元康作詞「セーラー服を脱がさないで」)によるものではなく,主人公自身がそれらのもたらす快楽をきちんと理解したうえで手を出すって筋になっています.

三十路のオッサンである僕がこの本を読んで思ったことは,以下の通り.
社会通念的には,この主人公のような女の子って「世の中にはほとんど存在していない」ことになってるだろうなぁと思う.
しかし,僕の経験的には,それほど少なくない頻度で,この手の女の子って昔からいたと思うなぁ.
山田詠美が女性から共感を受ける理由ってのは,「私はこう思ってるんだけれど,社会通念上言ってはいけないことを代弁してくれた」ってとこにあるんだなぁと思った次第.

あと,笑っちゃったのが,途中でチョイ役で出てくる
「山崎さんって,つき合っている人,いるの?」
の男の子.
いやー,同じ男として,君の気持ちはわかるよ.ちょっと風変わりで,斜に構えた感じで,最近妙に色っぽくなってきた女の子だったら,「簡単にヤラせてくれるかも」って思って,つい声をかけたくなっちゃうよね.^^;
でも,きっと,その目論見って,相手に筒抜けよ.箸にも棒にもからずに,「ハイ,それまでよ」ですよ(実際,お話の中でもそうだったし).

「そういうヤツいたよなぁ」と,妙に懐かしくなって,笑ってしまった.
いや,そういう男の子がいたってことじゃなくて,主人公のように「簡単にヤラせてくれるかも」って思われて,難儀していた知り合いの女の子がいたなぁと思い出したわけで.


・・・高校時代(だったはず)に,その女の子の自室でふたりっきりで,彼女は風呂あがりで,パジャマ姿だったという,めちゃめちゃおいしいシチュエーションなんだけれど,やっぱりオチが付いている話ってのがあるけれど,それはまた別の機会に.^^;

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