お里が知れる~ラスト・ダンス

古畑任三郎「それに、グラスの口紅。」
加賀美京子「口紅?」
古畑「あなたが使ったグラスには、口紅の跡がはっきりと付いていました。お化粧に慣れてない人がよくそうなります。」
加賀美「どうすればよかったの?」
古畑「妹さんは、いつも飲んだ後、さりげなく拭いていました。」
加賀美「はぁ・・・。そういうところでお里が知れるのね。」


古畑任三郎といえば、フジテレビの人気推理ドラマなわけで。
最初に犯人と手口を視聴者に提示し、古畑警部補がどのように謎を解いていく手順を見せるというスタイル。こういうスタイルは「倒叙(とうじょ)」というらしい。

正月に録画しておいた「古畑任三郎ファイナル」をここ数日見ている当方。
今夜は、3夜目の「ラスト・ダンス」(松嶋菜々子出演)を見ていた。

先述の通り、犯人も手口もわかっているので、古畑が何を手がかりに真相をするかを予想しながら見ていたわけで。

今回、僕が目をつけたのは、「グラスに付いた口紅」でした。
それしかないだろう、と。
ビデオの中盤で、先にこのドラマを見ていた知人に対して
「ボカァ、グラスに付いた口紅を拭いたかどうかが決めてだと思うなぁ。そうだよ、そうに決まってますよ」
と、今泉クンのような口調で独り言を言いながら、予想メールを送ってみたり。

しかし、ストーリーの中では、それは副次的な確証ではあったものの、決め手ではなかったみたい。
ちっ、はずしちまった。

ていうか、普段から女性がグラスに付いた口紅を拭くか否かばっかり見ている当方。
嫌なヤツですね。
お里が知れますな。

ちなみに、どうして僕がグラスに付いた口紅を拭くか否かをいつも気にして見ているかという事に関しては、はっきりと原体験を記憶している。
確か高校生のころか、高校を卒業してすぐのころだと思う。
某知人女性と居酒屋にいた時だと思う。

相手の女の子もそうだったかどうかはわからないが、僕はあまりお酒を飲みなれていない頃だった。お酒の味もよくわからず、ポーズだけでお酒を飲んでいたような時代。
ただし、相手の女の子はそれほど化粧慣れしていないだろうことは、そのメイクの垢抜けない感じからよくわかった状況。

その女の子は、化粧も満足にできないくせに(ちょっと失礼な言い方だな)、グラスに付いた口紅を親指できゅっとこすってふき取った。
バリバリにお化粧した女の子と一緒にお酒を飲むのは、僕も初めてだったけれど、「そうか、お化粧した女の人って、グラスの口紅を拭き取るものなのか」と、新しい知識を身につけ、それでちょっと自分たちが大人になったような気がした。

なお、1993年のJリーグ開幕のテレビ中継をその女の子の部屋でふたりっきりで見たとか、胸にタオルを仕込んで物凄く気合の入った女装をするために女性下着売り場でブラジャーを買っているところをその女の子に目撃されてしまったとか、ブラジャーよりももっと気まずいものをコンビニで買って帰る途中に道でばったりあってとんでもなくうろたえたことがあるとか、ある女の子とこっそり付き合っている時には最寄駅が同じだったのでいつ発見されるかとヒヤヒヤしていたり、実は当blogでネタにされるのは初めてじゃない女の子だったりするわけだが、
それはまた別のお話。

最後になりますが、今回の「古畑任三郎ファイナル」では、松嶋菜々子の「ラスト・ダンス」が一番面白かったですね。手口も人間ドラマも。
「今、甦る死」(藤原竜也、石坂浩二出演)は、最後のどんでん返しが絶妙でした。
イチローがカメオ出演した「フェアな殺人者」は、他の2本との比較するのが不利なのかもしれませんが、手口もストーリーもちょっと陳腐でした。イチローを引っ張ってきたという話題性と向島クンのエピソードの意外性くらいしか見るべきところがない感じでした。

何はともあれ、もう田村正和も歳だし、このシリーズは終わりなんでしょうね。
残念です。

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