最初は、道産子として大泉洋へのご祝儀のつもりで、深く考えずに「アフタースクール」を見に行った。
しかし、見終わった現在、この映画はマジやばいと思う。大泉洋はじめ役者たちの演技も最高なのだが、脚本がものすごく良い。僕の中では『スティング』(1974年 アカデミー賞作品賞)を見たとき以来の衝撃のシナリオ。
みなさん、必見ですよ。
基本は大人向けのクールなサスペンス物で退屈なんだけれど、細かいギャグを散りばめて観客を飽きさせないようにするというセコい演出の映画だと思わざるを得なかった。
ところが、堺雅人が再登場するあたりから、ぐわーっと話に引き込まれて、もう退屈の世界には帰れぬ人間となった。
そして、今、全体のストーリーに照らして、前半のシーンや会話を思い出すと、その構成の緻密さに舌を巻く。
冒頭のシーンを見ていて
「臨月の若妻がいる家庭にしては、内装のファンシーさがあまりなくて、散らかった部屋だなぁ」
と思い、その時は演出家の手腕のなさにがっかりしていたのだが、今思い返すと、どうして!どうして!
一度この映画を見た人だったら、首の骨が折れるくらい激しくうなづいてくれると思うけれど、女性のマンションの監視ビデオの二人の映像と、隠された会話!何気ない冒頭シーンがここで、(アホらしく)利いてくるとはお見事!
行方不明になった自分の車が帰ってきたときの大泉洋。不審な点はないか車の中を点検して、見つけるアレ。上手い、上手いよぉ!
もっといっぱい書きたいけれど、この映画は本当にネタバレさせたくない。
とにかく、事前に情報収集などせずに、頭からっぽにして見に行くが吉だと思います。
みなさん、必見ですよ。