映画『グッモーエビアン!』

水曜どうでしょう』で大泉洋を気に入り、『時効警察』で麻生久美子に惚れ、『あまちゃん』で能年玲奈にノックアウトされたけど、三吉彩花のことはよく知らなかった当方が、映画『グッモーエビアン!』をDVDで見ましたよ。

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中学3年生のハツキ(三吉彩花)は自分の父親のことを一切知らない。母・アキ(麻生久美子)は17歳でハツキを身ごもった時、相手の男と別れてしまったからだ。それ以来、アキは未婚のままハツキを育ててきた。

ふたりはまるで友達のような親子だった。今でこそアキは普通に勤めに出ているが、ハツキが生まれた頃は名古屋で名の知れたパンクロックバンドのギタリストだった。アキはハツキを学習塾に行かせている以外は、特に教育熱心でもなかった。子育てに関しては放任主義で、ハツキの進路に関する三者面談にも出席しない。ハツキがどのような進路を選ぼうとも、全て本人の自由に任せるつもりでした。むしろ、登校前のハツキといつまでもおしゃべりしていたり、制服のスカートの丈を短くした方がカワイイなどとアドバイスするほどだった。

ハツキ(三吉彩花)とアキ(麻生久美子)は朝の準備をそっちのけでおしゃべりにふける。

ハツキ(三吉彩花)とアキ(麻生久美子)は朝の準備をそっちのけでおしゃべりにふける。

ただし、ハツキとアキは完全な母子家庭ではなかった。ハツキが生まれてから中学生になる頃まで、矢口・通称ヤグ(大泉洋)が同居していた。ヤグはアキと同じバンドのヴォーカリストで、アキへの恋愛感情を隠そうとはしていなかった。アキの妊娠が判明した時、彼女の事情を全て受け入れた上でプロポーズしたのだ。しかし、アキは正式に結婚することを拒んだ。けれども、ハツキの父親代わりとして、同居することになった。幼かったハツキは、ヤグが本当の父親だと信じて育ち、彼によく懐いた。

ヤグは根っからのプー太郎気質だった。ロックと酒以外に熱中するものはなく、のべつ幕なしに軽薄なことばかりしゃべっている。これといった定職に就くこともなく、もっぱらアキが食い扶持を稼いでいた。それでも、ヤグの明るい性格は、アキやハツキに愛されていた。

ある時、ヤグは交通事故に遭った。賠償金としてまとまった金が手に入ると、ヤグは一人で海外へ放浪の旅に出てしまった。残されたアキとハツキは、特に寂しがったりすることもなく、明るく愉快な母子として楽しく暮らしていた。

そんなある日、ヤグが旅から帰ってきた。アキはヤグの帰還を喜び、昔通りの生活に戻ろうとした。しかし、難しい年頃となったハツキは、ヤグのことを手放しで迎え入れることができなかった。世間一般とは異なる家庭状況を引け目に感じたり、ヤグの軽薄な態度を蔑視したりするようになっていた。

トモ(能年玲奈)はヤグ(大泉洋)の自由な生き方に憧れるが、ハツキは面白くない。

トモ(能年玲奈)はヤグ(大泉洋)の自由な生き方に憧れるが、ハツキは面白くない。

特に、ハツキの親友トモ(能年玲奈)と一緒にいると、その思いがいっそう強くなった。トモの家庭にはきちんとした両親が揃っており、生活も豊かだった。トモの家ほど裕福になりたいとは思わなかったが、せめて常識を有した両親であって欲しいと願うのだった。

一方のトモは、アキやヤグのような自由気ままな両親への強い憧れを抱いた。ハツキもトモも互いに互いを羨ましがり、ないものねだりをするのだ。そして、それがハツキとトモの友情に亀裂を生じさせる。

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映画『探偵はBARにいる』を見た

大泉洋が、札幌ススキノの便利屋<俺>を演じる映画『探偵はBARにいる』を見てきた。

原作は東直己『バーにかかってきた電話』。2011年現在、11作ほど出ている<俺>シリーズの2作目だ。
僕はこのシリーズが大好きでほとんど読んでいる(文庫で追いかけているので、単行本で出ている最新作だけは読んでいない)。僕は札幌の街が大好きだから、そこが舞台になっているシリーズも自然に気に入る。著者も札幌在住で、文中に出てくる流暢で正確な北海道弁にも好感が持てる。ススキノを根城にする主人公は、ニヒルな伊達者なのだが、たまに抜けているところもある。なかなか味わい深いキャラクターだ。

大好きなシリーズの映画化とあっては、当然楽しみになる。主人公を演じるのが、今や北海道を象徴する俳優の大泉洋であるということでも期待は高まる。そして、今回の映画の原作になっている『バーにかかってきた電話』はシリーズの中でもお気に入りの一つだ。

原作が大好きなだけに、映像化に対しては少々警戒もしていた。
しかし、先週の公開以来、ネット上の評判をいくつか拾い読みしたところ、いずれも上々の評価だった。
だから、期待に胸ふくらませて見に行った。

僕が見たのTOHOシネマズ海老名で、水曜日の昼の回だった。スクリーン1というかなり大きなスクリーンだったのだが、観客は半分以上は入っていたようだ。なかなかの入りだと思う。ただ、毎月14日はTOHOシネマズのサービスデイで、料金が一律1000円である。そのせいで通常よりも混んでいた可能性もあるが、それを差し引いても人気なのではないかと思う。

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映画『探偵はBARにいる』 2011年9月10日公開

東直己・原作(『バーにかかってきた電話』)、大泉洋・主演の映画『探偵はBARにいる』の公開が2011年9月10日決まったようだ。

特報映像も公開されている。
しかし、なんだかビミョーな空気が流れてる。僕が原作の大ファンなのでそう感じるだけだといいのだが。杞憂だといいのだが。

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映画『探偵はBARにいる』 大泉洋と松田龍平の出演が明らかに

『探偵はBARにいる』 大泉洋 & 松田龍平

東直己原作(『バーにかかってきた電話』)の映画『探偵はBARにいる』の公式サイトができていた。

出演者としては、大泉洋松田龍平が公表されているのみだ。

主役の探偵<俺>は大泉が演じる。札幌すすきのでなんでも屋をやっている男の役だ。いつも強がりを言ったり、愚痴ったりしながらセコイ仕事ばかりを引き受けている。一方で、自分の信念に反することには損得を無視して対決する姿勢もある。
原作を読んだ時から、僕の中のイメージでは大泉洋だったので、この配役はバッチリだ。

主人公の友人で、北大の大学院生(確か、博士課程修了間際くらい)の高田を演じるのが松田。この男は主人公とほぼ同い年であり、飲み仲間。院生のくせに、インテリ派というよりは武闘派。車の免許を持たない主人公は、彼のことをアッシーくん兼用心棒としてよく呼び出す。ニヒルで少し意地の悪い高田はいちいち憎まれ口を叩くが、事件に首を突っ込むのを面白がっている。

このストーリーには、一応キーとなる女性が2人出てくる。しかし、誰が演じるのかまだ発表になっていない。
一人は、電話で主人公に仕事を依頼する謎の女。声の出演となるので、色気のある美声で、イントネーションやアクセントのキレイな女優さんがやってくれるといいな。事件のきっかけとなる電話の声が、間抜けなものだったらシャレにならないからね。
もう一人は、事件のキーを握る高級クラブの若いママ。どんなことにも動じない、高貴な美しさを漂わせているのだが、黒い噂の絶えない女。優雅に男を魅了する美しい所作のできる女優さんがいいですね。
この2名の発表が待ち遠しいなり。

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東直己『探偵はBARにいる』の映画化を東映が正式発表

東映株式会社のwebページに、映画『探偵はBARにいる』の情報がアップされている。
まだほとんど何も書かれていないが、大泉洋が主演だという噂も聞く。

謎の女との接触が呼び寄せた三つの殺人事件-。不可解な事件の真相は?謎の女の正体は?全てが終わる時、探偵を待つものは?日本推理作家協会賞受賞の東直己の人気シリーズ<ススキノ探偵シリーズ>が遂に映画化!原作はシリーズ第二作目の『バーにかかってきた電話』。2011年、新たなるエンターテインメントが誕生する!!

2011年9月公開予定とのこと。

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鈴井貴之監督『銀のエンゼル』を佐藤めぐみ目当てで見た

当blogで一度取り上げたこともあるのだが、『水曜どうでしょう』のミスターこと、鈴井貴之が監督した『銀のエンゼル』という映画がある。

当方の見聞きした範囲では評判が芳しくなかったので、今まで未見だった。
ちょっと前に、当方のお気に入りの女優・佐藤めぐみがヒロイン役で出演しているという情報をGETしたので、それを目当てに見た。
確かに、佐藤めぐみは可愛かったのだが、作品のデキに関しては、評判どおりあまり芳しい評価を与えることができなかった。

それぞれに業を背負った人々が、田舎のコンビニを拠り所として、各人の人生を昇華させていくという人間模様ドラマであった。わりとありがちなテーマだし、各人物の背景と成長過程を上手く描ければ傑作になり得るテーマなのだが、失敗すると散漫で意味が分からず退屈な駄作になるわけで。
残念ながら、この作品は後者の轍を踏んでしまったと言わざるを得ない。

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「アフタースクール」 (監督・脚本 内田けんじ、主演 大泉洋)

最初は、道産子として大泉洋へのご祝儀のつもりで、深く考えずに「アフタースクール」を見に行った。
しかし、見終わった現在、この映画はマジやばいと思う。大泉洋はじめ役者たちの演技も最高なのだが、脚本がものすごく良い。僕の中では『スティング』(1974年 アカデミー賞作品賞)を見たとき以来の衝撃のシナリオ。
みなさん、必見ですよ。

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