DVD『スジナシ 其ノ八』

スジナシとは、中部日本放送(CBC)が1998年から制作している番組。笑福亭鶴瓶がホストを務め、毎回1人のゲストが登場し、2人で15分程度の即興劇を行う。
本格的なセットと衣装が準備されるが、役割や台本は一切用意されない。鶴瓶とゲストが行き当たりばったりで物語を作っていく。演技を終えた後は、撮影したばかりの映像を見ながらツッコミを入れるというトークショーになっている。

ちょっと前にこの番組の存在を知ったのだけれど、僕の住んでいる地域では放送されていない。調べてみるとDVDが何枚か出ているとわかったので、レンタルで少しずつ楽しんでいる次第。

DVDは選りすぐりを集めたものなのでどれも面白いのだけれど、8巻は感動的な素晴らしさだった。僕のツボにははまった。
続きを読む

『たそがれ清兵衛』を見た

「黄昏(たそがれ)」の語源は「誰そ彼」だそうで。
たとえばWikipediaには、

暗くなって人の顔がわからず、「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味である。

と説明されている。
さらに、同ページには

比喩として、「最盛期は過ぎたが、多少は余力があり、滅亡するにはまだ早い状態」を表す。

などとも書かれている。

当方は、先月ついに40歳になってしまったのだけれど、そろそろ人生の黄昏時に突入ということだろうか。相変わらずスッタモンダがあったりなかったりで、いろいろトホホな当方です。

続きを読む

映画『グッモーエビアン!』

水曜どうでしょう』で大泉洋を気に入り、『時効警察』で麻生久美子に惚れ、『あまちゃん』で能年玲奈にノックアウトされたけど、三吉彩花のことはよく知らなかった当方が、映画『グッモーエビアン!』をDVDで見ましたよ。

* * *

中学3年生のハツキ(三吉彩花)は自分の父親のことを一切知らない。母・アキ(麻生久美子)は17歳でハツキを身ごもった時、相手の男と別れてしまったからだ。それ以来、アキは未婚のままハツキを育ててきた。

ふたりはまるで友達のような親子だった。今でこそアキは普通に勤めに出ているが、ハツキが生まれた頃は名古屋で名の知れたパンクロックバンドのギタリストだった。アキはハツキを学習塾に行かせている以外は、特に教育熱心でもなかった。子育てに関しては放任主義で、ハツキの進路に関する三者面談にも出席しない。ハツキがどのような進路を選ぼうとも、全て本人の自由に任せるつもりでした。むしろ、登校前のハツキといつまでもおしゃべりしていたり、制服のスカートの丈を短くした方がカワイイなどとアドバイスするほどだった。

ハツキ(三吉彩花)とアキ(麻生久美子)は朝の準備をそっちのけでおしゃべりにふける。

ハツキ(三吉彩花)とアキ(麻生久美子)は朝の準備をそっちのけでおしゃべりにふける。

ただし、ハツキとアキは完全な母子家庭ではなかった。ハツキが生まれてから中学生になる頃まで、矢口・通称ヤグ(大泉洋)が同居していた。ヤグはアキと同じバンドのヴォーカリストで、アキへの恋愛感情を隠そうとはしていなかった。アキの妊娠が判明した時、彼女の事情を全て受け入れた上でプロポーズしたのだ。しかし、アキは正式に結婚することを拒んだ。けれども、ハツキの父親代わりとして、同居することになった。幼かったハツキは、ヤグが本当の父親だと信じて育ち、彼によく懐いた。

ヤグは根っからのプー太郎気質だった。ロックと酒以外に熱中するものはなく、のべつ幕なしに軽薄なことばかりしゃべっている。これといった定職に就くこともなく、もっぱらアキが食い扶持を稼いでいた。それでも、ヤグの明るい性格は、アキやハツキに愛されていた。

ある時、ヤグは交通事故に遭った。賠償金としてまとまった金が手に入ると、ヤグは一人で海外へ放浪の旅に出てしまった。残されたアキとハツキは、特に寂しがったりすることもなく、明るく愉快な母子として楽しく暮らしていた。

そんなある日、ヤグが旅から帰ってきた。アキはヤグの帰還を喜び、昔通りの生活に戻ろうとした。しかし、難しい年頃となったハツキは、ヤグのことを手放しで迎え入れることができなかった。世間一般とは異なる家庭状況を引け目に感じたり、ヤグの軽薄な態度を蔑視したりするようになっていた。

トモ(能年玲奈)はヤグ(大泉洋)の自由な生き方に憧れるが、ハツキは面白くない。

トモ(能年玲奈)はヤグ(大泉洋)の自由な生き方に憧れるが、ハツキは面白くない。

特に、ハツキの親友トモ(能年玲奈)と一緒にいると、その思いがいっそう強くなった。トモの家庭にはきちんとした両親が揃っており、生活も豊かだった。トモの家ほど裕福になりたいとは思わなかったが、せめて常識を有した両親であって欲しいと願うのだった。

一方のトモは、アキやヤグのような自由気ままな両親への強い憧れを抱いた。ハツキもトモも互いに互いを羨ましがり、ないものねだりをするのだ。そして、それがハツキとトモの友情に亀裂を生じさせる。

* * *

続きを読む

岡本玲『That’s Girls Life』のDVD

去る2月25日、岡本玲ゲスト出演したNHKの『スタジオパークからこんにちは』を見た。
岡本玲とは、1991年生まれ和歌山出身の女優だ。ローティーンの頃に少女向けのファッション雑誌のモデルとしてデビューしたそうだ。
僕はNHKの朝ドラ『純と愛』を見ていて彼女のことを知った。ヒロインの夫の妹・町田誠役を演じている。
続きを読む

DVD『たぶらかし ~代行女優業・マキ~』

実力派ブサカワ女優ナンバーワン、谷村美月主演で、2012年4月から6月に放送されたytv制作のドラマ『たぶらかし ~代行女優業・マキ~』のDVD vol.1を見た。販売されているのはBOXセットのみのようだが、僕はレンタルで1巻めを借りて見た次第。

先日、某所での飲み会において、某オッサンから「去年、深夜に放送していた谷村美月のドラマ見た?え、見てないの!?谷村美月好きを自称するならあれ見なきゃ。すごく面白かったよ。」などと挑発されたので、悔しくなって見たのである。

初めは、そんなドラマ聞いたことがなかったし、深夜枠ドラマなのだからクソつまらないドラマだろうと高をくくっていたのだが、実際に見てみると、なかなか。軽いミステリー風のドラマで、テンポの良い明快なストーリーで、気軽に見て楽しめた。1話30分くらい。
続きを読む

DVD『表に出ろいっ!』

女の子に一途でのめり込む当方は、最近では黒木華という女優さんが大好きで、彼女が出演していると知ったのでDVDを取り寄せ、野田秀樹・作『表に出ろいっ!』という演劇作品を鑑賞した。

同作は2010年9月に東京芸術劇場で上演されたそうだ。中村勘三郎野田秀樹、そして黒木華の3人芝居。物語の舞台はある家族の居間なのだが、舞台装置も役者の衣装もカラフルな色彩でちょっと前衛的な雰囲気を醸し出している。そんな舞台設定の中、中村勘三郎が歌舞伎の所作を滑稽に見せたり、野田秀樹が飄々としながらギャグを飛ばしたり、黒木華が若手らしいひたむきさでコミカルな演技をしたりという作品。
野田秀樹とかにあまり興味のない当方だったので、正直に言えば黒木華以外は特に期待せずに見始めたのだけれど、3人の息もぴったり合っていたし、スピーディーでありながらツボを外さない小ネタも満載で、とても面白い演劇だった。始まって3分も経たないうちに惹き込まれ、70分あまりの上演があっという間だった。

左から、黒木華、中村勘三郎、野田秀樹

続きを読む

映画『愛の新世界』を見た

鈴木砂羽のデビュー作にして、彼女のヘアヌードを見ることができると聞いていきり立った当方が、映画『愛の新世界』のDVDを見ましたよ。

* * *

小劇団の看板女優である佐久間レイコ(鈴木砂羽)は、生活費と劇団活動費用の捻出のため、渋谷のSMクラブで女王様として働いている。
レイコは女王様としての自分に誇りを持っており、奴隷の調教に妥協はない。奴隷たちもレイコに従順に従っている。

レイコは女優業と女王業を表裏一体であると考えている。金にならない劇団のために女王様の仕事は続けなければならないし、自分が女王になりきって奴隷を調教することは芝居の上達に貢献するとも考えている。
そして何よりも、レイコは女にしかできないこの仕事を心の底から楽しんでいた。

鈴木砂羽が演じる女王様レイ

レイコのSMクラブがある雑居ビルには、デートクラブの事務所があった。いつしかレイコは、仕事の行き帰りによく顔を合わせるホテトル嬢アユミ(片岡礼子)と仲良くなった。
アユミは、いつしか玉の輿に乗ることを目的に、医学部を目指す三浪の男(松永博史)や司法試験を目指す文学部の男(武田真治)に貢いでいる。そのための金を自分の体を売って稼いでいるのだ。

片岡礼子が演じるホテトル嬢アユミ

アユミにも悲壮感はなかった。レイコと意気投合し、今の生活を楽しむのだった。

レイコとアユミは昼はそれぞれ別だった。しかし、夜になれば渋谷で仕事をし、明け方頃からふたりで連れ立って遊びまわった。
ふたりは明け方の海を見たがった。そこで開放的な気分を味わいたがった。

* * *

続きを読む

映画『はさみ』

池脇千鶴が美容専門学校の講師を演じるのだが、あまりに童顔なため、生徒役の女優以上に生徒に見えてしまうという問題作『はさみ』を見た。

美容専門学校講師・永井久沙江(池脇千鶴)

池脇千鶴演じる講師は、生徒に対して美容技術を教えるのみではなく、生徒の人格形成や生活指導にも力を入れるべきであるという持論を持っている。しかし、その思いとは裏腹に、問題を抱えた生徒たちが表れ、彼らとの人間的交流を深めるというお話。
派手なところはほとんどなく、しみじみとした味わいのある物語。

続きを読む

映画『サルベージ・マイス』をついに見ることができた

去年、空前の谷村美月マイブームが巻き起こった。彼女のブサカワ具合は当方のストライクゾーンど真ん中だ。谷村美月のことをブサカワというと、大量のオッサンから異論が寄せられるが、気にしない。

谷村美月マイブームの頃、彼女主演の『サルベージ・マイス』という映画あることを知った。当ブログでも「。俺の谷村美月マイブームが終結する前にちゃんと神奈川でも公開してくれ。」などと書いたのだが、結局当方の地元の映画館では公開されなかった。悲しい。

しかし、僕は『サルベージ・マイス』のことを忘れたわけではなかった。DVDをレンタルして見たのである。

続きを読む

映画『ショーシャンクの空に』を見た

2011年11月4日(金)放送のラジオ『上柳昌彦ごごばん!』の中で、山瀬まみが好きな映画の一つとして『ショーシャンクの空に』(1994)を挙げていた。当方の愛する山瀬まみが好きだと言っている映画なのだから、当然当方も見ておかなければならない。放送から随分時間が経ってしまったが、今夜やっと見ることができた。
そして、この映画はとても良い作品だった。こんなに良い作品をお気に入りとしている山瀬まみに惚れ直した。

映画の主人公は有能な銀行員だった男だ。しかし妻が不倫をしており、さらに悪いことには、妻とその間男が情事の最中に何者かによって射殺された。主人公の男が容疑者として逮捕された。無罪を主張するが認められず、彼は終身刑を受けてショーシャンク刑務所に服役することとなった。
主人公は刑務所の中の不条理に戸惑う。他の囚人たちからの嫌がらせだけではなく、看守たちも腐敗しきっていた。所長ぐるみで理不尽な暴力や収賄が横行していたのだ。良識があり有能な銀行家であった主人公は彼らとは距離をおきたがった。

しかし、終身刑という長い年月の孤独に耐えられようはずもなかった。
いつしか主人公には気のおけない仲間ができた。そればかりか、看守たちの無償の税理士として働くことで一目置かれるようになった。ついには、類まれな経理能力を活かして、所長の裏金作りの片棒を担ぐまでになった。

その一方、親しかった囚人との不慮の別れが彼を追い詰める結果となった。

・・・と、そんなお話。
続きを読む