池脇千鶴が美容専門学校の講師を演じるのだが、あまりに童顔なため、生徒役の女優以上に生徒に見えてしまうという問題作『はさみ』を見た。
池脇千鶴演じる講師は、生徒に対して美容技術を教えるのみではなく、生徒の人格形成や生活指導にも力を入れるべきであるという持論を持っている。しかし、その思いとは裏腹に、問題を抱えた生徒たちが表れ、彼らとの人間的交流を深めるというお話。
派手なところはほとんどなく、しみじみとした味わいのある物語。
生徒役の中には『梅ちゃん先生』でヒロインの親友・沢田弥生を演じる徳永えりがいる。本作での役名が木村弥生であり、朝ドラと混乱するという超問題作。
そんな木村弥生の恋人役が、『カーネーション』でヒロインと不倫関係になる周防さんを演じた綾野剛。しかも、日テレ『Mother』で尾野真千子の相手役をやった時のようなロン毛の気持ち悪い風貌で登場。超々問題作。
弥生ははさみを使ったカットがうまくできずに悩み、学校をサボりがちになる。そんな矢先、イラストレーターの恋人がスランプに陥り精神のバランスを崩してしまう。
人に心を開くことのできない問題を抱えた生徒を演じるのが窪田正孝。彼は朝ドラ『ゲゲゲの女房』でアシスタントの倉田くんをやった人だ。
さらに、『ゲゲゲの女房』で水木しげるの母を演じた竹下景子も、主人公の恩師にして先輩講師役として登場する。
朝ドラ人脈の大盤振る舞いという大問題作だ。
ていうか、朝ドラって言い出したら、池脇千鶴がそもそも『ほんまもん』のヒロインでしたっけ。
つーか、この映画、ヒロインがひたむきに努力するというプロットで、まるで朝ドラのよう。木毎ちゃん先生は打ち切りにして、残り1ヶ月半はこの『はさみ』をドラマにして放送した方がよっぽど面白いと思うよ。『ゲゲゲの女房』や『カーネーション』ほどヒットはしないだろうけど。