僕の大好きな奥村晴彦さんの blog で “Gaming the Vote: Why Elections Aren’t Fair (and What We Can Do About It)” という洋書が紹介されていた。
Gaming the Vote: Why Elections Aren’t Fair (and What We Can Do About It) | Okumura’s Blog
Arrowの定理を覆すというrange votingについての本である。Arrowの定理についても平易に解説している。
アロウの定理はね・・・、アロウの定理はなんとなくはわかるんだけれど、ちゃんと理解している自信はない。この本では平易に解説されているそうなので、勉強してみようかなぁ・・・と思ったり。
しかも、アロウの定理を覆すらしいよ。気になりますねぇ。
でも、英語だから挫折しちゃいそうだと思ってみたり。
著者が「高校生にもわかるように書いた」と称し、アロウの定理が出てくる『きめ方の論理』(佐伯胖)ですらあやふやな僕だしなぁ。
ふーん。↓で大体、何が起きてるか分かった。
http://en.wikipedia.org/wiki/Range_voting
http://rangevoting.org/ArrowLawr.html
やり方は大体わかったような気がします。
なんでそれで上手くいくのか(”正直が最善の戦略” になるのか)はまだ理解できてない感じ。今夜はもう考える気力がないから、明日理解に勤める。
【現在理解したこと】
やり方の概要
– 選挙人は、全候補者に対して点数をつける
– 点数は任意の範囲でよい。0-99でも1-5でもできる。
– 各候補者がもらった点数の平均を求め、一番高かった人が当選
– 平均値は、全体の上下何%かを取り除くなどして、外れ値の影響を減らす (truncated mean)
仕組みとしては単純で理解しやすいと思った。
それに、言葉は悪いが、誰でも思いつくようなものだし、何がすごいのかわかりにくい。
すごさは(あるとするなら)明日考える。
>”正直が最善の戦略” になる
???
この命題はどこから?
wikipedia の propaties のセクションに書いてある
“…in range voting, casting a sincere vote can never result in a worse election winner…” あたりから。
最善かどうかはわからんすね。
英語の記事をちゃんと理解する自信がなかったので、日本語で参考になりそうなところを探してみた。
日本語wikipedia の「Approval Voting」が少なくとも概要を知るには良いかもしれない。Approval voting は range voting の単純型(点数の範囲を [0,1]に限る)なので。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Approval_voting
ただ、「性質」のところに書いてある以下の部分がわからなくて、佐伯先生の本と見比べてます。
『きめ方の論理』pp.34-35 あたりを読むと、投票者が選好を2つに分けることができると仮定する必要があると書いてある。そういう仮定を置かなければ、まさに以下のように他者の行動に依存するようになるから、と。
「また、自分の選好順序だけでは投票者は自分の投票行動を決定することが出来ないため、投票者は他の投票者の投票行動を分析する衝動に駆られ、戦略投票が行われ易い。」
「決め方の論理」を最初からアローの定理が出てくるところまで、全部読んだ方が早いと思いますよ。定理の証明を理解できなくても、何を意味しているのか理解できれば、wikipediaに書いてある事も、もう少しスンナリと理解できると思う。
あと、wikipediaを細部まで理解しようとしても、徒労に終わることが多いので、概略を知る事だけにとどめ、細部は本や論文を読む方が効率的だと思います。一般的な話として。
御意。『きめ方の論理』をきっちり勉強すべきだと思い直しています(今まで3回くらいチャレンジしたけれど、いつも半分くらいで挫折することは秘密)。
・・・真剣にやり始めたつもりだったんだけれど、1978年(今から30年前だ)に自民党の総裁戦が行われ、大平正芳が福田赳夫(今の首相のオヤジじゃん)を破るなんてことが記されていて、歴史を感じた。そんな風に、わき道にそれ始めている僕がいる。
なんて書いてたら、グルダイからメールマガジンが来て、「連絡先不明者リスト」(17名分)が回ってきた。
眺めていると、僕の親しくしていただいている先生であり、某読者さんの旦那さんであり、カエル・ブローカーのあの人のお名前が挙がってた。
きっと、学会費の請求書とかが回るだろうから、事務局に知らせるのはちょっとやめておくなり。
さりげなくココに気づいたら、無視を決め込むなり、事務局に連絡するなり対応どうぞです。
01:13:30 のコメントに関して。
ギバード・サタースウェイトの定理というのがあって、「すべての民主的投票方式において戦略的操作は常に可能である」ということが1973年に証明されているらしい(『「きめ方」の論理』, p48)。
この定理が正しい限り、投票において「”正直が最善の戦略” になる」っつーことは言えそうにないなり。
ご指摘ありがとうございます。
まった、まった。
もうちょっと読むと、approval voting の場合は、ギバード・サタースウェイトの定理抵触せず、戦略的操作が不可能と書いてある。
うーむ・・・、脊髄反射でblogにメモを残すとうまく行かないなぁ。
偉大な先輩のいるところで何ですが、僕も「決め方の論理」を途中で挫折した口です。どこまで読んだかは覚えていません……。多分僕も半分くらいは読んだと思うので、そこらへんに放り出したくなるポイントがあるのかしら。もう一回挑戦するぜ。
今、2章の「高校生にもわかる『一般可能性定理』の証明」で止まりました。
「証明にあんまり興味はないしなぁ」というのと、「高校生にもわかるってのはウソだよなぁ」という思いがわきあがったからです。
でも、今回、ウラで電子ファイルにまとめメモを作っていたりして、簡潔にまとめるためにかなり読み込んでいるので、随分理解しながら読めている気がします。
#気がするだけで、1ヵ月後に思い出せるかどうかは不明。
翻訳が出てたんですね。
選挙のパラドクス―なぜあの人が選ばれるのか?