サイトアイコン alm-ore

NHK『おひさま』第28回

激しいマジスパ陣痛に襲われ、放送直前までトイレにこもっていた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第28回目の放送を見ましたよ。

* * *
第5週「失恋」

川原(金子ノブアキ)の恋人を目の当たりにして涙を流す陽子(井上真央)であったが、すぐにそれを引っ込め、気丈にも笑いながらふたりを祝福するのだった。

その場にいられなくなった陽子は食事の支度をすると言って台所に逃げ込んだが、すぐにタエ(中村ゆり)が手伝いのために追いかけてきた。
あらためてタエをじっと観察すると、彼女が立ち居振る舞いの可愛らしい人だとわかった。そして、彼女のことを気に入った。陽子は、自分の好きな人が愛している人だから、自分も彼女のことを好きなのだろうと思うのだった。

それでもなお、陽子は辛い思いをしていた。しかし、一人きりになるまでは絶対に涙を見せず、笑顔で通した。

須藤家の男達(寺脇康文田中圭、永山絢斗)は、陽子の心境を思いやると気が気ではなかった。
その夜泊まっていく川原たちの寝場所をどうするか密談を始めた。女性同士を同じ部屋で寝かせるのが筋だが、陽子とタエを一緒にすべきではないと考えたのだ。かと言って、結婚前の男女を同じ部屋に寝かせるわけにもいかない。議論は堂々巡りになった。

そうこうしているうちに、陽子がぱっと部屋割りを決めてしまった。自分がタエを一緒に寝ると言い出し、狼狽する男達を尻目に、さっさと準備を整えてしまった。

夜、陽子とタエは寝る前に話をした。
タエは、生家の口減らしのために辛い人生を送ってきたのだという。いくつか勤め先を変え、今のカフェで川原に出会った。学生と交際を始める女中もたくさんいたが、自分はそんなことをするつもりはなかった。読み書きもできないような自分は、エリート学生たちとは身分が違いすぎると考えたからだ。いいように遊ばれて、彼らの卒業とともに捨てられることだろうと思っていたのだ。

しかし、川原の熱意だけは別だったという。
自分にはタエが必要なのだと言ってくれた。これまでの人生でいつも邪魔者だった自分が、誰かから必要だとされることはとても嬉しいことだと思った。だから、ずっと川原のそばにいたいと思ったのだという。
見知らぬ土地である満州に渡ることも、川原と一緒である限り、なんの不安もないという。

* * *


川原は旧制高校の学生で、タエはカフェの女中。
現代で言えば、医学部の学生さんとキャバクラ嬢が真剣交際し、大学をドロップアウトして結婚し、「新しい世界を知る」とかなんとか言ってオーストラリアあたりに移住するような、そんなかんじか?よー知らんし、僕の職業観/人間観がオカシイのかもしらんけど。

川原の実家がそんな息子を勘当しちゃうのも、わかるっちゃわかるような気もする。
ていうか、自分の息子がそういう風になったら、僕たちは笑顔で祝福できるんだろうか?自分の親友がそういう風になっても、笑顔で送り出したりできるんだろうか?自分の初恋の人がそういう風だと知ったとき、幻滅せずにいられるのだろうか?

いやぁ、なんつーか、このドラマの登場人物はみんな人間ができていて立派ですのー、と。
総体的にみれば悪人が登場しなくて、嫌な思いはせずにすむドラマなのであるが、どうも話に奥行きが無いというか、夢見る中学生のほのぼの処女小説を読ませられてる思いがするっつーか、なんつーか。

なんだろーねー。

放送が終わるやいなや、マジスパ陣痛でトイレに篭りながら、このドラマで描かれている世界や人間観ってなんなんだろうかと、うんうん言いながら考え込んでしまいましたよ。

モバイルバージョンを終了