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NHK『おひさま』第60回

昨夜は3ヶ月ぶりにリゾラ・フェリーチェでお食事をし、自分たちの結婚記念日を覚えていない某夫婦に「なんでアンタのblogに記録がないの!?ちゃんと書いておいてよ」みたいなメチャメチャな文句を言われたような気がしたり、しなかったりする当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第60回目の放送を見ましたよ。

* * *
第10週「今日だけの花嫁」

育子(満島ひかり)と真知子(マイコ)が遊びに来た。陽子(井上真央)は女学生に戻ったかのように大はしゃぎだった。

結婚1日で和成(高良健吾)が出征したことについて聞かれた陽子は、通常の寂しさとは少し異なる感情だと答えた。初めて会ってから間もなかったので、長く一緒にいた者を失う寂しさとは違うのだという。もっと一緒に居たかった、もっと話をしたかったという、不思議な寂しさなのだという。

次に、4年ぶりに再会した育子の近況が報告された。彼女は婦人雑誌の編集部で大活躍しており、夫や息子を戦地に送り出した女性たちのことを記事にしているのだと語った。しかし、それは育子のホラ話であり、実際には苦しい代筆屋であった。
育子はお手洗いに行くふりをして、家の物陰でひっそりと泣いた。幸せそうな親友たちと自分の落差を見せつけられて悲しくなったのだ。しかし、すぐに涙を拭いて、自分を奮い立たたせて、座敷に戻った。
その間、陽子と真知子も、育子のカラ元気に気付いていた。詳しくはわからないが、東京でうまくいっていないだろうことに気付いた。けれども、育子の話に合わせて、彼女をがっかりさせないように務めた。

時を同じく、丸庵に飯田(近藤芳正)が来店した。彼が陽子の英語教師だったことを知っていた徳子(樋口可南子)は、陽子らに引きあわせた。
当時、英語は敵性語として使うことが禁じられていた。そのため、飯田は職を失い、繊維工場で働きながら細々と暮らしていた。陽子たちに再会しても、気詰まりで、居心地が悪そうだった。

育子は、自分たち3人が親友になれたのは飯田のおかげだと話しだした。飯田が嫌な教師で、それに対抗するために3人で結託したことなどを明るく滔々と語った。陽子と真知子は、育子の遠慮のない物言いを止めようとしたが、飯田は自分でも誰かの役に立ったこともあったのだと涙ぐんだ。教師になって良かったと涙ぐんだ。

陽子たちは、卒業式で飯田に貰った言葉を飯田に返した。
「Well ladies, enjoy your life. 女性たちよ良き人生を。」
敵性語の英語を使い、飯田も良き人生を送れるようにとエールを贈った。
飯田はますます感激し、いっそう涙を止めることができなくなった。

楽しい時間も終わり、育子は東京に戻っていった。

ある日、隣組で消火活動訓練が行われた。丸庵が会場となり、バケツでじゃばじゃばと水をかけた。あまりに無茶苦茶に水をかけたため、その日は一晩中天井から水が漏れ続けた。

洗面器に落ちてくる水音で、陽子は眠れなかった。
暗い部屋の中に、和成の幻影を見た。しずくを額に受け、苦笑する和成の姿が見えた。
陽子はますます眠れなくなった。和成のことを思い、布団をかぶってしくしくと泣くのだった。

* * *


育子の挫折やら、飯田の失意やら、陽子の寂寥感やら、なんでもかんでも詰め込んできましたなー、という感じ。
とっ散らかっている印象がどうしても拭えない。

ていうかさ、育子が東京でうまくいっていない話も、飯田が転職せざるを得なかった話も、もう少し時間をかけて描いてくれれば、悲話として物語の深みも出ようものを。説明セリフだけで片付けられると、とても表層的でつまらないものに思えてしまうのだなぁ。

でも、飯田が涙するくだりは、うっかりとつられて目がうるんじゃいましたよ。ああいう感じの、オッサン哀歌は大好きだしね、僕。

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